啓示13章・新・右手や額に受ける野獣の印

 啓示の13章には、すべての人が右手や額に野獣の名もしくは数字の印を受けさせられ、その印のない人はだれも売り買いできないようになることが予告されていました。(啓示13:16,17)これは何を意味しているでしょうか。


 啓示13章の文脈によると、すべての人を強制して印を受けさせるのは、子羊のような二本の角のある野獣です。(啓示13:11,16)


 私は最初は子羊のような二本の角のある野獣とは、大いなるバビロンつまり南の王だと考えました。しかし、さらにその預言を検討してみて、この二本の角のある野獣とは、北の王のことだと考えるようになりました。なぜなら、啓示13章と調和しているダニエル書は、北の王が偶像を据えることを預言しているからです。(ダニエル11:29,31)



 まず、右手や額に印を受けさせるとは何を意味するのでしょうか。啓示14章1節によると、十四万四千人の者は,エホバ神の名とイエスの名とをその額に書かれていました。それで、額に書かれた名とは、奴隷の所有者の名を表していることが分かります。





Image from page 173 of "Our country, the marvel of nations; its past, present, and future, and what the Scriptures say of it" (1901) by Internet Archive Book Images (beastwithtwohorns1)
子羊のような二本の角のある野獣は人々の右手や額に野獣の印をつけさせます



(nameforehead)
額の名はその人の崇拝する神を示しその人がその名の奴隷であることを示します



 また、イザヤ44章6節にエホバの崇拝者が「自分の手に『エホバのもの』と書く」と述べられています。それで、手に書かれている名前もその崇拝の対象と言うことができます。


 ですから、自分の額や手に野獣の名や数字の印があることは、野獣の奴隷であり、野獣の所有物であり、野獣の崇拝者であることを示しています。


 それで、野獣の崇拝者になることを強制される時代が来ることが分かります。ところで、野獣の崇拝者であることを強制するのは、子羊のような二本の角のある野獣です。


 そして、聖書は北の王が、人々の崇拝の対象となるひとつの国際的な組織を設立することを預言しています。ダニエル書は、北の王が「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」を据えることを預言しています。(ダニエル11:29,31)


 「嫌悪すべきもの」とは聖書の中で、偶像を意味します。(エゼキエル7:20)また、啓示13章の中でも、子羊のような二本の角を持つ野獣は野獣の像を作るようにと地に住む者たちに言います。(啓示13:14)


 ですから、子羊のような二本の角を持つ野獣とは北の王であり、彼は野獣の像、すなわち、政治組織で人々の偶像崇拝の対象となるものを設立することが分かります。


 野獣の像を崇拝するものでなければ、売り買いできないというのは、おそらくまず国家的な規模で生じるのでしょう。北の王が設立する国際組織に加盟し、その組織の決めたことに同意しない国家が国際貿易ができないようにするということが考えられます。そのようにしてその国際組織は、大変強力な権威を振るようになるでしょう。


 もちろん、野獣の像への崇拝は、市民としての個人的な生活にも、影響を与えていくことが考えられます。確かに、北の王の設立する国際組織の時代になれば、その圧力は強いものになっていき、何らかの仕方で、その国際組織に対して偶像崇拝をしない者たちが、売買ができなかったり、商売を行なうことができなくなることも考えられます。


 その国際組織に対する偶像崇拝とは、その組織に盲従して兵士として戦うことが要求されたりするのかもしれません。そのために、その国際組織の将来の兵士のリストの中に、登録することが要求されたりするのかもしれません。そのようにすることは、クリスチャンにはできないでしょう。しかし、まだ、このことは推測の域を出ません。


 この可能性を考えれば、やはり、できるだけ自給自足をして、野獣の崇拝をしなくてもいいように準備するのは、賢明なことでしょう。