レコメンド(推薦)・サービスに一番大切なこと

flickrの写真をクリック履歴から自動的に推薦するサービス「フォト見る」を数日前にリリースしました。さいわい、気に入って頂いた方もいるようです(Route 477(2009-03-12))。「フォト見る」をリリースしてみて思ったのですが、レコメンド(推薦)を軸としたサービスでは初心者ユーザにいかに使ってもらえるかが一番大切だなと思いました。

ユーザに何かを推薦するには、当たり前ですが、そのユーザの好みを知っている必要があります。例えば、「フォト見る」では、ユーザが過去にクリックした写真から好みを推定しています。ところが、初めてページを訪れたユーザの好みは全く分かりません。1つでも写真をクリックしてくれれば、ユーザの好みが少しでも分かります。ところが、ユーザの好みが分からない状態では推薦は無理なので、初めてのユーザに対してはどうでもよい写真が表示されやすく、写真をクリックしてもらうのがなかなか難しいようです。

つまり、「初めてのユーザに使ってもらう方法」を考えないと、レコメンド・サービスが成功するのは難しそうです。もちろん、この問題は一般のサービスにも共通する課題です。ただ、レコメンド・サービスでは、使ってもらわずにサービスのメリットを分かってもらるのがより難しい気がします。

この問題を解決する1つのアプローチは、最初は一般的に好まれるものを推薦する方法でしょう。現在の「フォト見る」もそうなっています。具体的には、最近クリックされた写真や、よく使われるタグの写真を最初に表示するようになっています。ただ、1画面で8枚程度の写真しか表示されないため、もう少しインパクトが欲しいところです。人気のあるタグのタグクラウドを表示するのもありかもしれません

もう1つのアプローチは、たとえ初めてのユーザでも、手に入る情報を最大限利用して可能な限りのレコメンドを行うことでしょう。例えば、アクセス元やリファラーなどに応じて推薦内容を変える方法が考えられます。ただ、初めのユーザーに関してサービス側で手に入れられる情報は非常に限られるので、どこまでのことが出来るかは疑問の残るところです。

まとめると、レコメンド・サービスでは初めてのユーザに対する推薦が難しいため、まずはサービスを使ってもらうための工夫が必要です。使ってもらうための方法として、一般的に好まれるものを推薦する方法と、初めてのユーザでも手に入る情報を利用して推薦する方法を紹介しました。