- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/11/25
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雷蔵が1人で何十人もの武士をぶった切る最後のシーンは、信義に基づいて行動したにもかかわらず自分を追い込んだ世の中の理不尽に対して雷蔵の怒りが爆発しています。
水無月藩主の息子が隣の大国の岩代藩の家臣を背後から斬りつけてしまい、両藩の関係はこじれてしまったが、藩主の息子を下手人として差し出すわけにはいかなかった。そこで、藩の要職にある真壁半太夫は、自分の娘である波江(八千草薫)と婚約関係にあった小布施拓馬(市川雷蔵)に懇願し、拓馬は1年間だけ姿をくらまし、その後は藩で責任持って引き取るという約束で身代わりになることを承諾する。
ところが、真壁半太夫はその後急死してしまい、拓馬との約束を知る人物は、その約束を聞いていた真壁十郎太だけとなってしまった。拓馬は当然約束は果たされるものと思っていたが、十郎太はそんな約束は知らないと公言し、しかも、拓馬の婚約者であった波江に結婚を迫る。
水無月藩は拓馬に追っ手を差し向け、また、隣国の岩代藩も拓馬に刺客を放ち、拓馬は追っ手から逃げる。途中、気絶したところを志乃(藤村志保)という娘に助けられるが、志乃は水無月藩の追っ手によって暴行され、命を落とす。
拓馬はその後、女郎屋で遊女として売られたきた波江を見つけ、波江を救い出す。
そして、ついに両藩の武士達に囲まれたところで、拓馬の怒りは爆発する。拓馬は、両藩の藩士を片っ端からぶった切り、大立ち回りを演じる。信義に基づいて行動した自分を裏切った不満を爆発させるかのように・・・。
この映画の見所は、なんといっても最後の大立ち回りでしょう。立ち回りの時間は結構長いのですが、あまりの壮絶さに言葉を失って見入ってしまいます。
雷蔵は1969年に肝臓癌で37歳の若さで亡くなられているようですが、この作品の3年後ということになります。まだまだ脂がのりきっていた時期であり、こういう有能な役者が絶頂期に若くして亡くなられたことは本当に惜しいことです。
この作品で雷蔵ファンになりました。