胡同(フートン)のひまわり

 文化大革命前後の中国家族の一代記。話は淡々としていて長すぎる嫌いあり。一番の美人は母親役のジョアン・チェンで、肝腎の恋人役の女優に魅力がないのは困りもの。文化大革命も払拭できなかった、というよりむしろ強化された父親の家父長の権力という価値観の中での葛藤。密告と理不尽な収容所送りとを描くあたり、ようやく中国映画が2005年にしてなしえたことか。最後に親父がいずこかへ姿を消してしまうところは話の流れとして納得行かず。この親父(ハン・スイイン)が長渕剛に似ているのが一興。

2005年 中国 チャン・ヤン