「燈色の星」_Posted at 18:24

早稲田の学生とジャニーズ事務所が提携して
「作品を育てる・夢を育てる・人を育てる」を
コンセプトに
次世代の人材育成を目的にした
@ザ・グローブ・プロジェクト」の最新作。

グローブ座は新大久保から歩いて5分ほどの距離にあり、
山手線に乗っていると見える
ジャニーズ事務所が買い上げたハコとして
有名なところだ。
実は私にとってこれで2回目。
ちなみに1回目は東京壱組の芝居でした。


まず率直な感想としては、
いい意味でほとんどジャニーズ臭がしなかったこと
が挙げられる。
もちろん私の偏見でもあるだが、
ジャニーズと言えば
「愛・平和・勇気」って感がするので。
バットエンディングというのも意外だった。
冒頭からそういう空気がプンプンしてたけど、
全く裏切ることなく
「地獄絵図のような」畳みかけには
見事としか言いようがなかった。
とりあえずこの2つかな…。

皆さんがこれを読む段階で
すでに公演は終了しているから、
ネタバレなこといっても許されるでしょう。
私の記憶に曖昧なところがあるので、
細かいところで間違っているところがあるかもしれないが、
とりあえず人間相関図をまとめると以下の通り。

(人間相関図)

                     ①女─お糸
(「女の母が起した火事によって     │ 
清十郎たちの親が死ぬ」)        │
②御華─(孤児の兄弟)─三代目吉野清十郎
 (妹)             (兄)          
 ↓
③霞の六郎←(師弟愛)←雑踏のなつめ
 (兄貴分)          (弟子?)

この芝居の冒頭は
大きく分けて①〜③の分断されたストーリーが
獄卒たちによって結びついていく。
分断された3組がうまく絡み合って、
救いようのないくらい絶望的な形で
それぞれの利害が「一致」するように
この芝居は終止する。
清十郎は一世一代の絵を書く。
(それは「人間」に先立つ絵描きとして。) 
お華は六郎との再会・兄に自分の姿を絵にしてもらう。
女は地獄絵図を手に入れる。
なつめは師弟を超えた
人間(異性)愛の対象であることを六郎に告げる。
獄卒たちは
人間を狂気へと誘い、
その「ターゲット」が極悪非道なことへ手を染めさせたい。
結果が救いようのないバットエンディングだっただけで、
全ての人間の利害が一致していると言う意味では
ハッピーエンディングと言える。

私が何が言いたいのかと言うと、
非常によくできた台本だなぁということだ。
(前置きながぁー。)


演技で気になったところといえば、
ちょっと声の調子が力で押しっぱなしというか
一本調子な印象を受けたのが残念だった。
張ってる声を90分も聞かされると
観てるほうはとてもとても疲れる。


まぁ総じて学生演劇の中では
レベルが高いと感じた。
良作。良演出。良役者。