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第85回都市対抗野球大会決勝は天覧試合

今日は第85回都市対抗野球大会(社会人野球)の決勝戦が東京ドームで行われた。
各予選を勝ち抜いた34代表が夏の東京ドームで熱い戦いを繰り広げてきた。


昨日、前年王者のJX−ENEOSが準決勝で西濃運輸に敗れ3連覇の夢が途絶えた。


その結果、決勝戦西濃運輸(岐阜県大垣市)vs富士重工業(群馬県太田市)となった。



どちらが勝っても初優勝という決勝戦だ。


そして今日の試合では天皇・皇后両陛下も観戦された。
天皇陛下は皇太子時代の第30回都市対抗野球大会(1959年)に観戦して以来の都市対抗観戦だ。
もちろん天皇陛下になられてからは初の観戦だ。


プロ野球の天覧試合はよくドキュメンタリーなどで取り上げられるが、実はプロ野球の天覧試合からさかのぼること12年。
第18回都市対抗野球大会(1947年)の開幕戦での天覧試合が戦後初の野球天覧試合であった。(戦前には早慶戦の天覧試合が行われている)


その後、第40回都市対抗野球大会(1969年)の準々決勝で2度目の天覧試合が行われた。


そして今回は初の都市対抗野球大会勝戦の天覧試合だったのだ。



東京ドームに午後6時ごろに到着すると、そこはアイドルのコンサートをも上回る盛り上がりと人の熱気だった。
西濃運輸側も富士重工業側も、社員はもちろん、その家族、関連会社、取引先などなど・・・
みんなが一丸となって応援する!他の競技でここまでスゴいものはないだろう!

それが日本独自の野球文化【ノンプロ野球】だ!




午後6時過ぎ、張富士夫トヨタ自動車名誉会長の始球式で試合がスタートした。


プレイボールと共に両チームの応援合戦が始まる!



都市対抗野球大会の名物はなんといってもその応援だ。
企業風土やフランチャイズの特色を生かした応援は他の野球の応援とは一線を画す。




富士重工業は群馬の八木節を使った応援!


2回に西濃運輸は1点を先制すると、両投手の投げ合いで5回終了時点で1対0で西濃運輸富士重工業をリード。
個人的にしびれたのは2回の西濃運輸が1点を先制した直後、無死満塁という場面があった。
しかし先発の猿川投手はそこから2者連続三振を奪い最後はゴロで仕留め追加点を許さなかった。


5回終了と同時にグラウンド整備が行われ、いよいよ試合を始めようという時に天皇・皇后両陛下が来場された。



おそらく私の人生の中でもう二度と野球の天覧試合を見ることはないかもしれない。
そんな歴史的な都市対抗野球勝戦を観戦していると思うと何とも言えない気持ちになった。
6回表から天皇・皇后両陛下と同じ空間でこの試合を見ている訳だ。


私はあまりクラシック・コンサートなどに行くことない(誘われることもない)のだが、クラシック・コンサートでは天皇・皇后両陛下がいらっしゃることがあるという。
しかし野球に関しては六大学野球で1回(昭和4年早慶戦)、プロ野球で1回(昭和34年の巨人vs阪神)、そして社会人野球でも今回が3度目。
明治初期から続く野球の歴史の中で今日の天覧試合を入れて5回しかない。

今日の選手はもちろん観客も含め、すべての人間にとって忘れられない天覧試合になったであろう。


さて6回裏の西濃運輸の攻撃、簡単に2アウトを取られたが、4番の伊藤匠選手が三塁線をやぶる2塁打。
2回の無死満塁以来のランナーを得点圏におくと、5番の阪本一成選手の打球は遊撃手と左翼手の間にポトリと落ちる。
2アウトだったので、2塁ランナー伊藤選手も打った時には走り出しており、そのままホームに生還。2点目。



↑阪本選手のタイムリーヒット


ここで富士重工業の先発・猿川投手は降板。2番手投手・石崎投手が登板。


両チーム好投の投手戦、西濃運輸の先発・佐伯尚治投手は9回を3安打完封で西濃運輸都市対抗野球初優勝に導いた。





第85回都市対抗野球大会勝戦は素晴らしい好ゲームだった。


試合終了後は閉会式・表彰式。

橋戸賞西濃運輸の佐伯尚治投手。

久慈賞富士重工業の小野和博投手。
小野賞富士重工業
若獅子賞富士重工業の小野和博投手・西濃運輸の伊藤匠選手・NTT東日本の横山弘樹投手。
打撃賞は西濃運輸の阪本一成選手。

応援団コンクールはNTT東日本が最優秀賞。
優秀賞は西濃運輸
敢闘賞はJR東日本
富士重工業が特別賞を受賞した。



都市対抗野球大会(ノンプロ)は他のどの野球にもない素晴らしい魅力がある。
最近はプロ野球でも応援を楽しむためにファンになる人も少なくないようだ。
しかし、そのような理由でプロ野球を見に行くのであれば、社会人野球大会を見に行った方がより楽しい野球・より楽しい応援がそこにある。
野球を見るのもよし!応援に参加して盛り上がるのもよし!そして応援を見て楽しむのもよし!


来年の第86回都市対抗野球大会も楽しみだ。そして11月には日本選手権が行われる。
日本独自の野球文化・ノンプロから目が離せない。


↑優勝の瞬間

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