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2010-05-18

いい加減すぎる海外旅行ガイドブックたち。このままでは若者の海外旅行者数の増加は無理かも。

| 23:48 | いい加減すぎる海外旅行ガイドブックたち。このままでは若者の海外旅行者数の増加は無理かも。を含むブックマーク いい加減すぎる海外旅行ガイドブックたち。このままでは若者の海外旅行者数の増加は無理かも。のブックマークコメント

前日の続きです。

書店に向かい、海外旅行ガイドブックを手にしてみました。「地球の歩き方」や「るるぶ情報版 海外シリーズ」などです。驚きました。なんなんですかこれら。内容スカスカwww

本の中身のおよそ7割が、ホテル・レストランガイドとなっている。他のページは買い物・食い物・エステの紹介。それでおわっている。酷すぎる。アジア地域なんて現地のショッピング情報しか記載されてないものばっかりです。

その国の魅力、文化的背景、観光地の由来などは、どこへ行ったのでしょうか?? ほとんど取り上げられていません。これで観光案内と言えるのでしょうか?

本を手にしても得るものがないのです。私は購入をあきらめた。これらのガイドブックは全て1500円程度の価格がつけられている。1500円は大金です。この額を出せば立派なハードカバーが購入できてしまう。野菜の育て方や映像制作の教科書なども購入できてしまうのです。それらは全ページ読める。すき間なく情報を吸収できる。しかし「地球の歩き方」や「るるぶ情報版 海外シリーズ」などを購入しても全ページ読めるわけではない。焦点は部分的にしか結ばれない。膨大なホテル群が記載されていても、宿泊できるのはわずか数ヶ所のみ。膨大なレストランについてもそれは同じ。数ページ破り取ってポケットに突っ込んでしまえばガイドブックとして用が足りてしまう。これならパンフレットで十分だ。大部である必要はない。なのに「地球の歩き方」では、ページ数はおよそ500ページにもおよび、それなりの価格がつけられているのです。

いったい人は、なぜ海外に出向くのでしょう? わが国とは異なる文化に触れるためです。あるいは異なる自然に触れるため、異なる生物に触れるためと言ってもいいでしょう(ホェール・ウォッチング等)。メディアから情報を得ていただけではわからない、その国の事実に触れるためですね。私はそう思っていた。そのために本を買おうとした。しかしこれらのガイドブックは、文化的背景などの記述はほとんど行っていない。代わりにエステの紹介。これは日本でも可能ですね。代わりに買い物の紹介。これも通販で十分です。この手の目的なら読者はわざわざ海外まで出向く必要はない。日本国内にいたほうが快適だ。それと同じことをしようとするなら、航空運賃が必要とされるだけ余計に割高についてしまう。5万円出してベトナムの屋台で100円のフォーを食べるのであれば、日本国内で3000円のコース料理を食べたほうがマシであるし、露店で安物のTシャツを買うのであれば、メイドインジャパンのブランド品を買いますよ。それでも海外に向かうのは、食い物・買い物以外の情報が存在しているからだ。その情報とはいったい何なのか? その情報を伝えるためにこそ、ガイドブックは存在しているのではないか?

これらのガイドブック群は、すべて、前日の分類ではc)双曲線誌(紙)に該当するものでした。膨大なページ数をほこり、重く、しかし実際に使えるページ数は20ページくらいしか存在しない。焦点を結ぶのは数箇所のみ。他のページは棄却される。それが読み捨てされる雑誌群=双曲線誌の特徴である。帰宅してからもゴミ箱に直行です。加えて言えばこれらを読んでも現地通になれるわけじゃない。「カーセンサー」を読んでも自動車通になれないように、「an」を読んでも職業に通じられるわけじゃないように、「地球の歩き方」を読んでも現地の情報は手に入れられないと言ってもよい。なのにこれらの書籍は1500円もする。これも不思議だ。「カーセンサー」や「an」なら300円で済んでしまう情報に1500円も払うのだ。これを作っている出版社は丸儲けですね。もちろん、出先が海外であるから制作に金がかかることは承知している。1500円は妥当な値段なのだ。しかし読者の得る情報は300円程度のものでしかない。この差が笑えるw 私たちは「カーセンサー」に該当する書籍を持って海外に向かう。そして記載にしたがって行動を行う。これじゃあ白痴だ。外人に笑われるわけだw 驚くべきことに、書店に存在する10種類以上の海外ガイドブックは全て同じ構成で制作されている。差異はない。金太郎飴状態。これらを作っているチームは実はどれも同じではないか? 「ベトナム」と言えば「このひとたち!」という感じで、全く同じツーリスト群がこぞって制作に参加しているのではないか。そのひとたちのレベルは実は驚くほど低いのではないか? 露店で飯を食い、Tシャツを買い、エステに通い、それらの生活をそのままガイドブックにしただけではないか?

これらのガイドブックが、多くの読者に海外旅行の魅力を伝えるベースになっていない事実に、旅行業界はそろそろ気付いてもいいのではないかと思います。自動車を購入する場合だって、「カーセンサー」を読む前に「driver」や「CAR GRAPHIC」を読んでいるわけでしょう? 自動車の魅力を伝える雑誌があるから、読者は自動車を買うわけでしょう? 「driver」や「CAR GRAPHIC」は、読者の書棚に常備されてるでしょう? これらを繰り返し読むことで購入への意図が醸成されていく。世界への旅行だってそうだ。いまの「地球の歩き方」が書棚に常備されると思いますか? ニッセンのカタログが、「カーセンサー」が、書棚に常備されると思いますか? それはあり得ない。双曲線誌は焦点を一箇所にしか結ばない。結果として一読したあとは捨てられるだけである。汗のしみ込んだTシャツを捨てるように、読者はためらいなくそれらを捨てる。朝刊にはさまれたカラー広告を最初に取り出してゴミ箱に突っ込んでしまうように。

もし旅行業界が、新規旅行者を、特に若者を、海外に駆り立てたいのなら、これらのガイドブックの編集方針をすっかり改めることが必要です。「カーセンサー」的な編集方針をあきらめ、手間のかかる、すべてに目を通せる、読んでわくわくし、すぐさま旅に出たくなる、内容の充実した手のかかる編集方針に改めることが必要なのです。

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