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2017-08-24

水火刃の包丁。土山しげる『包丁無宿勝負旅』。原案となる包丁無宿は米テレビドラマ『逃亡者 / The Fugitive』の大胆なリメイク。

13:03 | 水火刃の包丁。土山しげる『包丁無宿勝負旅』。原案となる包丁無宿は米テレビドラマ『逃亡者 / The Fugitive』の大胆なリメイク。を含むブックマーク 水火刃の包丁。土山しげる『包丁無宿勝負旅』。原案となる包丁無宿は米テレビドラマ『逃亡者 / The Fugitive』の大胆なリメイク。のブックマークコメント

包丁無宿』と聞いただけで『拳銃無宿』との相関が脳裏に浮かんでしまいます。

もちろん、前者『包丁無宿』はたがわ靖之著となる1980年代の日本のマンガ。『拳銃無宿 / Wanted Dead or Alive』はスティーブ・マックイーン主演となる1950年代米国のテレビドラマ。出自は全く異なりますが、両者ともに傑作であるのがすごいところなのです。

戦後の日本には米国の文明がなだれ込んできた(※実は戦前からなのですがいろいろと省略)。テレビが製造され売れていった。しかしソフトウェアはない。箱だけあっても、ものがないのです。

そこでテレビ先進国である米国のドラマをがんがん輸入してゴールデンアワーに放送していくことになった。この流れは1970年代のSFサイボーグ作品『600万ドルの男 / The Six Million Dollar Man』くらいまで続きました。中でも1960年代の『逃亡者 / The Fugitive』は大人気であった。主人公は逃げるだけでなく、彼の持つ才能と義侠心によって各地で事件に巻き込まれる。ふらりとその街を訪れて、問題を解決し、その地の人々に深い印象を残して去っていくのだ。

この内容を大胆にデフォルメしてきっちり日本向けに製造し直したのがかの包丁無宿である。

先ず面白い。冒頭から壮絶に面白い。

以下の試し読みで第一話を読んでください。本当に素晴らしい。必見です。

包丁無宿 たがわ靖之 (著)

https://www.amazon.co.jp/dp/B00H92XCM0

この包丁無宿。途中から主人公の持つ包丁に刻まれている3つの単語が鍵となる。水・火・刃。これらの単語は包丁の使用者への戒めなのだ。主人公はこの包丁を持つときかつての師匠からの指導の言葉を思い出す。

「水は洪水と同じ、火は火事と同じ、刃は人を危めるも同じぞ」。

もちろんこれは、主人公への語りであると同時に、読者への語り(戒めの言葉)でもあるわけです。

実にうならされる構造である。

さてこの水火刃の包丁。

土山しげるのマンガ『包丁無宿勝負旅』で堂々とシーンが再現されている。

本当に素晴らしい。心に刻まれるシーンです。

※こちらは逃亡者の影響はなく土山テイストで最後まで描かれています。純エンタテイメントですね。いやあどっちもいい! 前者作品の心に染みるセンチメンタリズムもいいのですが、後者作品のひたすら熱いドカタっぽい雰囲気もいいのです。

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前の節で「テレビっ子、ばーか」と書いてるから、本章ではテレビ作品の内容を取り上げて中和しています。文明には双方が必要。そういうことです。

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