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愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)

2006-04-29

[]人は選ぶものが多くなると選ばなくなるというのが昔からの俺の自論だ

こんなところから。

大須は萌えているか?:ラノベの販売不振

・・・なんかもう、何が悪いかって世間的な人気作ばかり追いかけて、己のセンスのみで本も選べねーような愚かな大衆がいけないんじゃないかって気が・・・あわわ、なんでもありません。

食べ物屋とか、いくら品数を増やしてもたいていの客は「本日のおすすめ」とか、壁に大きく宣伝ポスターが貼ってあるモノしか買わないという感じですか。

映画や音楽や本は「趣味」の世界で、たとえばミステリーなら別に『ダ・ヴィンチ・コード』なんて読まなくても、ブラウン神父とか後期クイーンとかいくらでも面白いのはあるんですが、そういうのは普通の人は読みません。

たかが「本」や「映画」「音楽」といった暇つぶしの娯楽を選ぶのに、人は「自分の家の食卓にどんな花を飾ろうか」「明日はどんな服を着ていくか」ほどにも考えません。そんなのは「おすすめの商品」を選ぶか、「みんなが話題にしているモノ」を選ぶかで十分、ということですね。だからライトノベルは新刊が特定の書店で雑誌みたいにしか売れないし、音楽CDは「消費者のことを全然考えてねぇ!」って言いながら、はやりものの曲を、高い値段を(ジャスラックに支払う分も含めて)出して買って聞く、という怠惰な消費行動。インターネットだったら、お前ら俺の日記(ブログ)を除くと、アルファブロガーというか、ネットで有名なとこしか見てないでしょ? id:kanoseさんとか、id:kowagariさんとか(ちょっと例に出したお二人さんごめんなさい)。でもそれは、「選ぶものが多い」という状況の中ではしかたないですね。

たとえば昔は、SFファンは「SF」と名のつくものを全部読んでました。全部と言ってもせいぜい月数冊しか刊行されないので、トーマス・マンとかジャン・ジュネとかヘルマン・ヘッセといった、SFとは全然関係のない小説も「なんかSFっぽい」という理由で読んでたりしてました(ヘッセの『ガラス玉演戯』はどこからみてもSFだったですけど)。そのくらいの時間があったのですね。ついでにミステリーも全部。SFファンなのに。今は「ライトノベル」という特定ジャンルですら全部を読んでいる人は少ないと思います。

漫画ファンは、市販されている漫画を全部読んでました(立ち読み含む)。サンデー・マガジン・キング・チャンピオン・ジャンプ、それに週刊アクションから少女フレンドまで。今は、少年漫画・少女漫画といった特定ジャンルですら全部は読めません。しょうがないのでアニメ化された作品だけ読むとかになるわけです。話題だから。「出版社のおすすめ」だから。

消費者は何を娯楽として消費するか選ぶ権利がある、という点においてのみ「王様」なわけなんですが、今の時代の消費行動は、どうも「選ばない奴隷」のような形が主流のようです。近くの書店に行っても、同じような本しか売っていない、というのなら、ネット書店を利用するか、古書店の通販を利用するとか、図書館から借りる、→国立国会図書館の近代デジタルライブラリー←を覗いてみる、と、もう選択肢は何万冊、何十万冊もあります。でも選ばない。読むのは『ダ・ヴィンチ・コード』か『東京タワー』か『ウェブ進化論』。

で、自ニュFで拾った、こんなコメント。

自ニュF: J-POPが流れる合法ネットラジオサービスが続々登場

ヒット曲や売れてる曲を安く聴こうと思う前に、インディーズでジャスラックに頼っていない奴らの曲をもっと聴いてやろうよ。それが音楽好きの人間にできる創造的なプロテストだろう

「CD高すぎる」とか「我々は搾取されている」とか「暴利だ」とか言ってる人たちを見ていると、奴隷根性な人が「ここのご主人様のメシはまずい」とか言っている気がしてどうもです。→津田大介委員←は、コミケを始めた米澤嘉博代表みたいな考えを持って欲しい。ていうか、そういう人がいたら応援して欲しい。ミューケとか音フェスとかみたいなのは、もうすでにあるのかな。まぁ、今のコミケが完全無欠の正しい姿だとは思いませんが。

奴隷として与えられる飯でお腹いっぱいになる安逸だけではなく、雑草を食って得られる自由もある、ということで(そのかわり、食中毒になったり、飢え死にするかもしれませんが)。

あと、最近の映画・音楽・本というのは「売れるもの1本に売れないもの10本がぶらさがり」という状況になってきてるので、「売れるもの」に関しては無駄に宣伝費をかけざるを得ないんですが、ぶらさがる「売れないもの」の数がもう少し減ると、10%ぐらいはコストダウンできるかもしれない。作る側(と、売る側)は割とロングテールが好きなんですが(いいものを長く売りたい、という考えはしているみたいです)、消費者がそれに応えてくれないのが現状でしょうか。

 

(追記)

こっちも参考に。

http://blog.goo.ne.jp/impreza98/e/bd0dea3503fbbf10daa7aa2a24530798

ss 2006/08/10 23:23 一言でいうと、自由からの逃走

lovelovedoglovelovedog 2006/08/11 00:33 たかが暇つぶしを選ぶのに、そんなに考えてなんかいられない、みたいな

たかのたかの 2006/09/04 23:53 エーリッヒ・フロムですな。

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