九州電力やらせ事件、読売新聞の「農家装い」は誤報じゃないの? あと玄海町のナカシマさんに興味を持ちました
以下の記事から。
→九電社員、農家装い「売れ行きに原発影響ない」
九州電力の「やらせメール」問題に関する第三者委員会の調査結果で、またも驚くべき事実が判明した。
2005年のプルサーマル発電を巡る佐賀県主催の公開討論会で、県と九電が事前に進行を打ち合わせ、九電社員が農家になりすまして発言するなど巧妙な世論操作の実態が浮かび上がった。
◆周到な準備◆
討論会は05年12月25日、佐賀県唐津市のホテルで開かれた。科学ジャーナリストをコーディネーターに、推進派と慎重派の学者ら6人がパネリストとして参加した。
第三者委の調査結果によると、九電は討論会を成功させるため、県に対する全面的な協力体制を敷いた。事前の県との打ち合わせで質問者の配置を決め、議事録にまとめていたという。
3連休の最終日で、クリスマス当日だったこともあり、来場者が少なくなることを懸念し、社員らを徹底して勧誘。その結果、約700人で埋まった会場の半数を九電関係者が占めた。
6ブロックに分けられた会場で「仕込み質問者」を分散させ、それぞれに支援部隊を20人ずつ配置。プルサーマル発電の安全性を印象づけるため、最後は「推進の質問」で終わるようなシナリオを作成し、県に渡していた。「コーディネーターに質問者の着席位置を伝えておく」と記載された社内資料も残っているという。
◆7人が九電関係者◆
討論会では、18人が質問に立ち、賛成派8人のうち7人が九電関係者だった。ほとんどが九電が用意した原稿を読み上げる形で発言。
最初に質問した社員は手帳を見ながら、「危ない、危ないと言われて、玄海1号機が運転を開始して30年近くたつが、私の家で作っている米とか野菜が放射能の影響で売れなくなったことはない」と農家を装った。
(2011年9月30日12時19分 読売新聞)
はて。
引用した画像「九電社員による「仕込み質問」の一部」では、
私の家の方で作っている米とか
になってますよね。
第三者委員会の報告書でもこうなってる。
→「九州電力株式会社第三者委員会報告書」(pdf)
最初の質問を行った九州電力の社員は、「危ない、危ないと言われて、玄海1号機が運転を開始して30 年近くになるが、私の家の方で作っている米とか野菜が放射能の影響売れなくなったという話は聞かないし、私の友達が原発で働いているが、放射能の影響で具合が悪くなったという話も聞かない。というのは、国とか県とか、実際に運転している九電が放射線を管理しているからだと思う」と、農業従事者という一般市民からの質問であるともとり得る発言をし、その中で、九州電力の放射線管理が信頼できると述べているのである。
動画で確認してもそう言っている。
→プルサーマル公開検討会
→プルサーマル公開討論会動画・第2部(録画)
(2分58秒)玄海町から来ましたナカシマです。(3分58秒)私の家の方で作っている米とか野菜がですね…
ニュースの見出し的には「農家の近隣の一般人装い」のほうがいいと思うし、本文テキストも正確に直したほうがいい。
実際に九電の社員で、玄海町に住む「ナカシマ」さんがいるかどうかは分からないですな。依頼を受けた一般の人(非農家)かも知れない。
しかしまあ、やらせは事実かも。