2009-12-02
月刊?Twitter小説vol.1-3 「twnovelコミュニティの形成」
twnovelが何なのかを語る時、言及されることが多いのがショートショートとの類似性、及び短編小説との類似性です。twnovelが140文字という性質を帯びている以上、確かに以上の類似性も備えていると言えるでしょう。そういった形式的な特徴も本質を形成する一部です。
では私がtwnovelの本質と感じる部分は何か。それは「twnovelコミュニティ」です。「twnovelコミュニティ」を説明する為に、今までのメディア・コンテンツの在り方について少しだけ振り返ってみたいと思います。
20世紀までは文学を始め、多くのメディア・コンテンツはマスを対象としたものでした。ミリオンセラーの本やCDは巷に溢れ、巨人戦は視聴率のドル箱でした。世界の仕組みが変わり、日本の仕組みも変わり、世代が変わり、インターネットが誕生した結果、世界は変わりました。
21世紀に入り、マスを対象にしたコンテンツは減少しました。「ロングテール」という言葉に代表されるように、ニッチなコンテンツ群が上位の市コンテンツ群に匹敵し始めたのです。その結果、文学においても昔のようなミリオンセラーを連発するようなことは難しくなり、以前とは違った作品群が売れ行きを伸ばし始めました。
近年のケータイ小説の大ヒットは象徴的な出来事です。ケータイ小説はそれ自体がコミュニケーションの一部です。ケータイ小説を読むという行為に参加することで、自分と同じ価値観を持つ人々との繋がりを感じることができます。この「自分と同じ価値観を持つ人々との繋がり」というのは近年のメディアを語る上でとても重要なキーワードです。
近年ヒットしたものでこのキーワードを含むものを列挙していきます。ドラゴンクエスト9、iPhone、Twitter、Wii、nintendoDS、涼宮ハルヒの憂鬱、エヴァンゲリオン新劇場版、1Q84。これらの作品群は作り手も受け手も「自分と同じ価値観を持つ人々との繋がり」を強く意識しています。現代はバーチャルと現実を織り交ぜて、自己のアイデンティティを保つ時代だと言えます。
また、コンテンツを消化する行為自体が、他者とのコミュニケーションの一部でもあるのです。ニコニコ動画などはコンテンツを見るというよりも「コンテンツを他者と同期するのを楽しむ行為」と言えます。
さて、前置きが長くなりましたが再び「twnovelコミュニティ」の話に戻ります。「twnovelコミュニティ」はtwnovelにおける「自分と同じ価値観を持つ人々との繋がり」です。twnovelへの投稿は創作活動であると同時に他者とのコミュニケーションなのです。
twnovelでは大きく分けて二つの行動が取られています。「twvenolを読むこと」と「twnovelを書くこと」です。今や当たり前と感じられるかもしれませんが、恐らくほとんどの人にとって「小説を書くこと」は当たり前のことではありません。今まで小説を書く人と言えば、プロ作家、アマチュア作家、文学サークルの部員こんなところでした。小説を書くことを日常にしている方は決して多いとは言えません。twnovelはこの状況に対して大きな二つの変化を与え始めています。
一つ目は書くための敷居を低くしたことです。140文字というプラットフォームは初心者でも気軽に書くことが出来る容量です。普段Twitterで140文字の文字列を形成している人々にとって、それを小説にするという作業はとても敷居の低いものでした。
二つ目は書くためのモチベーションを書き手に与えたことです。日常的に小説を書かない人でも思春期の頃、ノートの端に詩や小説のようなものは書いたことがあるのではないでしょうか。しかしそれが続く人は少ない。それはノートの端に書いた文章を誰も読んで評価してくれないからです。(実際に思春期ノート集のようなものがあったら是非読んでみたい!)そのような文章は読み手の日の目を見ることがなく、書き手は「くだらないものを書いた」と終わってしまいます。
しかし書き手にとってくだらないものでも読み手にとっては面白い場合もあります。どんなくだらない文章にも読み手が付く可能性があるのです。その可能性を大きく広げたのがTwitterとtwnovelです。「誰かが読んでくれるかもしれない」という可能性は書き手にとって、大きなモチベーションとなりました。そして「実は自分は小説を書きたかったんだ!」という大発見をするのです。
以上の二つの変化は更に副産物を発生させました。twnovelを書くことと読むことはそのお互いのモチベーションとして、相乗効果を発生させたのです。twnovelを読むことで、書くアイデア・モチベーションが沸いてきます。twnovelを書くことで、他の作家のtwnovwelを読むモチベーションが沸いてきます。
この二つを繰り返していくうちに自分にとっての「twnovelコミュニティ」が形成されていきます。「twnovelコミュニティ」は人によって形が違います。
おそらく全てのtwvenol作品に目を通す人はほとんど居ないでしょう。少しづつ自分の好みの作家、作品を選んでいるでしょう。そしてその読んだ内容は自分が書く作品にもフィードバックされます。ここで読み手と書き手が双方向に繋がり「自分と同じ価値観を持つ人々との繋がり」が形成されるのです。繋がりは双方向だけではなく、網の目のように全体に張り巡らされます。この「twnovelコミュニティ」がtwnovelをここまで発展させた大きな要因であると私は考えています。
twnovelがニコニコ動画(動画の集合知)やpixiv(絵の集合知)のような「文学の集合知」に発展することが出来れば、文学は復権するかもしれません。
2009-11-23
月刊?Twitter小説vol1配布
Orihikaさんと共同製作した月刊?Twitter小説ですが、
ブログでテキスト化して更新しようと思っていたのですが、ものぐさがたたり、時間が経ってしまったので
丸ごとPDFで公開します。
http://firestorage.jp/download/6ce3c5203ca0a9056e6939638893de7a40ab0385
月刊?Twitter小説vol.1-2 「twnovelを書く方法」
小説を普段から書くという人は、世の中では少ないでしょう。140文字と言えど最初は何を書いていいか悩むものです。そこで今回はtwnovelを書く方法の例を紹介します。
少しでも皆様の創作のヒントになれば幸いです。
■まずは書いてみる
まずは書き出してみる。これは実はかなり有効な手段です。一言、ワンフレーズだけでもポンと書くことによって、少しづつ世界を作り出していけます。例えば
「男がいた」と書き出します。男がいたから連想される語句を繋げていきます。
「男が二人いた。女が一人いた。男たちは女を取り合った。女の肉と魂は裂け、男たちの魂に溶け込んだ」
これで某「光る宇宙」の完成です。
■オムニバスシリーズを書いてみる
毎回、完全にオリジナルストーリーを書くのがしんどいという場合にはこの手段が有効です。実際にtwnovelでもたらみユーイチさんの「変身ビーストシュナイダー」、
竹雀怪人さんの「少女と移動図書館」Yuya Furukawaさんの「探偵シリーズ」、hamariさんの「異端審問官」などのオムニバスシリーズが人気です。
重複する設定を使用する短編連続シリーズにすることによって、設定を重ねていくことが出来、従来の140文字だけでは表現し得ない表現が可能になります。
また、書き出しの時 点では探りながら書き始め、少しづつ詰めていくことが出来るので精神的にも楽に書くことが出来るのではないでしょうか。
シリーズを書かれている方々の作品を読んでいくと、初期と比べて文章、世界観が洗練されていくのが分かると思います。
■140文字で収めるためには
twnovelを書く上で避けられないのは140文字という制約です。ハッシュタグを記述しなければならないので、厳密には132文字で収めなければなりません。
132文字というのは、おおよそ一般的な友人間で送受信されるメール三本分ぐらいの容量です。三回の短いメールに全てを詰め込まなければなりません。
少しでも文字数を削る方法を紹介します。
・重複した表現は使用しない
名詞や同じ内容を示した語句をなるべく重複して使用しないようにします。
「彼はこたつの上のみかんを手に取った。彼はそのみかんをもんで柔らかくしている」
↓
「彼はこたつの上のみかんを手に取った。それをもんで柔らかくしている」
このように削ります。
・そのtwnovelで伝えたいことと関係しているか考える
以下は以前私が投稿した作品です。
[元カノにアカウントを発見されたっぽい。「×くん元気?今地元に帰省中なう」だからどうした「久しぶりに×くんにあいたいよう」今更会ってどうする「今×くんの家の前なう」 元カノが死んでから今日この瞬間でちょうど十年なう「今あなたの目の前に居ますなう」]
この作品の推敲前の文章は以下のようなものでした。
["十年前に分かれた"元カノにアカウントを発見されたっぽい。"Twitterにこんな@が来た。"「×くん元気?今地元に帰省中なう」だからどうした"っていうんだ"「久しぶりに×くんにあいたいよう」今更会ってどうする「今×くんの家の前なう」 元カノが死んでから今日この瞬間でちょうど十年なう「今あなたの目の前に居ますなう」]
""内が削った部分です。このようにその文章に本当に必要な表現なのかどうかを考えて削っていく必要があります。句読点や語尾も徹底して無駄を省きます。削りすぎてシンプルすぎるかもと思うぐらいでちょうど132文字になります。
■他の作家の作品を参考にする
上手い人を参考にするというのは手っ取り早い上達方法です。twnovelでは既にベテランの域に達している作家陣も多くいらっしゃいますし、プロの作家の方々もいらっしゃいます。これらの作品をお手本にしない手はありません。また特定の作家の作品を過去から遡って読むことによって、その作家がtwnovelをどう磨いていったかも見ることが出来るのです。twnovelが発生した7月と現在では文章の洗練、幅の広さ共に比べものにならない向上が見られます。
他の人の作品を見て、自分の投稿に活かすことはモチベーションの維持にも繋がります。
■一定のペースで書き続ける
三日に一本、一日に一本でも良いのです。自分にあったペースで投稿し続けることでモチベーションが維持され、尚かつ作品の質の向上に繋がります。
と、ここまで「書く」ハックを紹介しましたが、実は私自身最近は忙しさにかまけて投稿活動から離れがちです。以上で紹介したハックは作家陣の作品群を見て「こう工夫していっているだろうな」と感じ取ったものです。これからは私も偉大な作家陣を見習って投稿活動にも精進しようと思います。皆さんも一緒にtwnovel投稿を楽しみましょう。
2009-10-04
月刊?Twitter小説vol.1-1「twnovelとは」
何回かに分けて、2009年10月3日に都内某所で開かれた第一回twnovelオフ会で配布した「月刊?Twitter小説/ @Orihica @loveone6共著 」のコンテンツを
テキストでエントリーします。
著作権はCreative Commonsの定める表示-非営利-継承(CC BY-NC-SA)です。
詳しくはこちら
http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.1/jp/
非営利目的である場合、著作者表示さえすれば、連絡無しに自由に使って構いません、ということです。
初回は @Orihica さん著の「twnovelとは」です。
twnovelとは
マイクロブログサービス「Twitter」上で小説・短歌・俳句・川柳などの文章作品を執筆する試みが散見されますが、その一つが「#twnovel」です。
どうせ作品を書くならハッシュタグ「#twnovel」をつけて作品をリンクし見つけやすくしようということで、内藤みか(@micanaitoh)さんが2009.07.22に提唱されました。
140文字以内で完結する話書くというゆるいお約束の元、SF、ホラー、恋愛などあらゆるジャンルの作品が発表されています。表現方法も、起承転結のはっきりとした正当派・言葉遊び・Twitter用語や文化を織り込んだもの・外部リンクをも活用したものなど多彩です。
参加されている方も多岐に渡っており、プロ・アマ入り乱れ日々作品を呟いています。
もしお気に召しましたら、ぜひお気軽に参加してみてください。
twnovel小史
2009.07.22 #twnovelの使用開始
2009.08.23 #twnovel利用状況:約300名、2000呟。
2009.09.27 #twnovel利用状況:約600名、8000呟。
2009-09-16
twnovelの楽しみ方
140文字の小説「twnovel」が盛り上がり続けています。今回はtwnovelの閲覧方法についていくつか紹介したいと思います。
twnovelを見る方法
Twitter公式の検索で見る
http://search.twitter.com/search?q=twnovel
http://search.twitter.com/search?q=twnovel
こちらのリンクから普通に見るという方法。
最近の投稿を見るには適していますが、古い作品や、いっぺんに多くの作品を見るのには適していません。
ハッシュタグクラウドで見る
ハッシュタグ-twnovel-で検索
http://kiwofusi.sakura.ne.jp/hashtag/info.cgi?name=twnovel
ハッシュタグというサイトのログ出力機能を使用すれば、古い記事も一気に見ることが可能です。
上記のリンク中の「100件の発言を表示する」という部分の「100件」を任意に指定することで、
今までの一気に沢山のログを見ることが出来ます。現在はこれを10000に指定すれば、恐らく全てのtwnovel作品を見ることが出来ます。
hashtagsjpで見る
hastagsjp-twnovel-で検索
http://hashtagsjp.appspot.com/tag/twnovel
主な投稿者や関連タグ、リンクを見ることが出来ます。「ユーザー」をクリックすると、現在のtwnovelに対しての発言数ランキングを見ることも出来ます。
whathashtagで見る
whathashtag-twnovel-で検索
こちらでは、日々の投稿数や投稿者ランキングをhashtagsjpより更に詳しい数値で見ることが出来ます。
wikiのように共同編集機能も付いています。
Tweet Deckを使用する
tweetdeckでは任意のワードで検索したタブを常に表示、自動更新させることが出来ます。
#twnovelでタブを作っておけば、自動的に作品を表示し続けてくれます。
お気に入りの作家をグループ分けして表示するという使い方も出来て、とても便利です。
今後もtwnovelをより楽しむ方法を随時、紹介していく予定です。



