「ＦＮＳ27時間テレビ」に募るイライラ

タモリ

地方からアナウンサーを呼び集めて歌わせる企画を見ましたが、腹が立ちました。

うっすら匂う局同士の縦の関係による力を見せられることもなんだか嫌なものですが、それ以上に番組の演出に腹が立ちます。

あのスタジオは、東京お台場で、前方には、ズラリと並ぶ光輝く芸能人と

遠く地方から出てくる人たちにとっては目眩く世界で言わば究極のアウェイです。

生かすも殺すも空気を支配しているＭＣにかかっている最早異世界です。

そこで緊張しないわけがないし、こういう風に動いてくれなんて指示も頭からぶっ飛ぶのが普通のハートの持ち主に起こる典型的なパターンなのですが……

何にも愛がない弄り方の連続で呼んでおいたのに「すべったのはあなたの責任ね」という感じで

空気の中に設定されたラインを逸脱すると「空気の読めないバカは空気で仕返しされて当たり前」と言うが如く集団でどっちらけるという制裁のシステムが発動するという残酷さ。

それで、笑えればまだ一つ救われるのに そこでただただ終了してしまうのにはまた疑問を感じました。

さんまさんあたりであれば、地方アナウンサーがやらかしてしまっても「わぉ！」などと大きめの動きを伴うリアクションで明るくしたあと、自らの笑いのルールを示しながら、つっこんで笑いをとって双方とも損をしないんじゃないかなぁと思いました。

バラエティー全盛の時代ですが、バラエティーの趣旨に馴染めず、望ましい立ち居振舞いができるのは、言わば強者です。なので、テレビ局はできれば「演出」でもって例えすべっても美味しく頂けるようにやっていただきたいものです。