「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「高熱隧道」(吉村昭)

lp6ac42007-05-07

   


高熱隧道 (新潮文庫)


あっという間にGWも終わっちゃいましたね〜!フォー〜!!!レイザーラモンGW…!?(^^ゞ)
皆さん、のんびり出来ましたか?充電できましたか?


さて、またまた最近お気に入りの吉村昭の傑作ドキュメント小説を紹介しましょう。


昭和15年に完工した黒部渓谷第三発電所隧道(トンネル)工事を描いている。太平洋戦争直前の電力確保の為の工事で犠牲者は何と!300人を超えた。その理由は、猿やカモシカなどの野生動物さえも姿を消すという豪雪地帯の渓谷。まず工事の資材を運ぶだけでも、山歩きに熟達した強力(ごうりき)が18人も転落死。最初に落札した工事会社が30メートル掘り進めた段階で仕事を放棄してしまう。その理由は、岩盤の温度が、65度!火傷しちゃうよ〜!?それを引き継いだ佐川組がトンネル屋としての誇りを持って、貫通を誓う。ところが地質学者の予想をはるかに超える状態であったのだ。(;一_一)


掘り進めるたびに上がる温度、ダイナマイトが自然発火してしまい、何人もの死者がバラバラな遺体となってしまう…。作業員を冷やすためにホースで水をかけながら進む、そしてそのかけてる人にもまたホースで水をかけるという始末。半身を湯に浸かりながらの作業で倒れるものが続出。診療室に運ばれ全身を冷水で冷やしても手足は硬く痙攣し、口から泡を吹き出して意識不明になり亡くなる人も…。最高温度165度!しかも日本では100年に一度、あるいは200年に一度という前代未聞の「砲雪崩」と言うものが襲う。


自然と人間の闘い、時代背景として、 軍事目的のためにあれだけの犠牲者を出しても工事は続けられたこと。大自然のすごさ、それに立ち向かう人間のちっぽけさ、そして人間の知恵などは実に考えされられる。

ホント、今の時代に生きている我々って恵まれているよね〜!ありがたい!(^^♪


   


高熱隧道 (新潮文庫)