- 作者: 中村生雄
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2011/11/23
- メディア: 単行本
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「肉食妻帯考」と書いて「にくじきさいたいこう」と読む。この本は実に面白いし、考えさせらる。(゜o゜)
僧侶が結婚し、肉や魚を食べる。 日本人は不思議と思わないが、仏教の原則に照らすとおかしなことではないか? というもっともな疑問を掘り下げ、日本仏教の秘密に迫っていく。出家が結婚してはならないのは、婬戒(いんかい・女犯戒)のゆえ。生命を奪ってはならないのは、殺生戒のゆえ。どちらも釈尊が定め、僧侶となる際に授けられる戒である。
でもよく考えてみると、インドの僧侶は托鉢をし、出された料理はなんでも食べた。釈尊も肉食していたのだ。それが中国、日本に伝わるうちにだんだん、出家は肉食するな、在家もなるべく食べるな、になってしまった。なぜなのか?
結論はというと…。「在家法師」という税金逃れのにわか坊主が多数出現していたこと。そして、肉食や妻帯という罪深き所業にまみれながらもひたすら阿弥陀仏への信仰に専心していく孤高の宗教者・親鸞の姿があった!
後半の「何を殺してはいけないか、なぜ殺してはいけないか」な特に考えさせられるなあ。ちょっと骨があるけど、長年の疑問が解けた!オススメです。(^^♪