「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!2 「和」と「結」の心と対等意識(小名木善行)

以前、このブログでも紹介した「ねずさんシリーズ」の第二弾。実にいい本です。

「日本人に生まれて、本当によかったと思える本です」。そのエッセンスを紹介しよう。


ドラゴンボール」「NARUTO−ナルト−」「ONE PIECE」「北斗の拳」「美少女戦士セーラームーン」「ドラえもん」等々。日本のアニメやマンガが世界中で大人気となっています。その理由は?海外でヒットするアニメやマンガに共通していて、海外にはない要素とは?それは「対等意識」です。世界中で大ヒットしている日本アニメやマンガには、どの作品にも主人公と、その仲間たちが登場します。彼らは全員、主人公が属するグループの中で「対等な関係」にあります。それに対して敵対する勢力は、「ボスとその手下たち」つまり、「支配と隷属」という縦の関係にあるのです。


「対等」と「平等」は異なります。運動会のかけっこで、順位をつけたらいけないからと、全員を一等賞にするのが「平等」です。「あいつは勉強では一番だ。だけど運動会のかけっこでは、俺が一番だい!」というのが「対等」です。相手と自分の違いを明確に認識したうえで、互いに並ぶことができるようにしようとします。そして日本人は、古くから「対等」を重んじてきました。その付き合い方が「和」と「結」です


・西欧圏では「対等」も「平等」も、言葉にすれば、「イコール(Equal)」です。区別がありません。概念として対等と平等の区別がないのです。ですから西洋人には、日本という国が理解できませんでした。なぜ日本が、満州や台湾や朝鮮半島や中国で、あるいは南方諸国で現地の人たちを大切に扱うのか、どうして彼らに高い教育を施し人として扱うのか、まるで理解不能だったようです。ところが私たちん日本人にしれみれば、それは当たり前のことでした。どの国の人々も、人として対等です。その付き合い方が「和」と「結い」です。


縄文時代土偶は日本国内で三千万体以上作られたと言われています。土偶は、どれもがすぐにそれと分かる女性像です。乳房があり、お尻が張り、中には女性器が刻まれていたりするものもあり、そして何より、ほとんどの土偶のお腹が大きいのです。つまり土偶は妊婦なのではないかというのです。そして体全体で発掘される土偶は非常に珍しく、意図的に割られバラバラな状態で埋められているのです。つまり土偶は妊婦の「身代わり人形」だったというわけです。


「夫婦」とは戦前までは「めおと」=「妻夫」といいました。妻が先、夫が後です。男性は、妻のことを「かみさん」と呼びますが、それは女性が家の神様だからです。なぜ神様なのかは、縄文時代土偶を見れば分かります。命を生み出す力は、まさに神様の力です。


・女神像といえば、女性の肉体美を讚える存在というのが、世界の定番です。けれど、日本の縄文の女神は、お腹の大きな妊婦であり、生きた女性を守るための身代わりでした。女神様が率先して身を捧げて、私たちを守ってくださる。そこに感謝する。神様に身代わりになっていただいて永らえたありがたい命だから、お互いに大切にする。互いに慈しみ、支え合って生きる。それが縄文以来一万年以上もの長きにわたって培われた、私たち日本の文化の底流をなすものなのだろうと思います。

・日本における武道というのは、あくまでも「和」のための武道です。諸外国のマーシャルアーツ(軍用格闘技)のように殺人を目的とせず、あくまでも「人を活かす」ことを目的とします。これを「神武」といいます。たとえば柔道の投げ技では、相手が怪我をしないように頭部を保護するようにして投げます。寝技も、相手を殺すためではなく、痛みを与えて降参させる技になっています。


その他、「縄文クッキーと和菓子」「六、七歳の女の子に芸を仕込む理由」「土偶にこめられた思い」「民=中国の目の見えない女性たち」「愛する夫よ、愛する妻よ」「小野小町の美しさ」「静御前ー死を覚悟の舞」「『枕草子』とセーラームーン」「松崎慊堂(こうどう)ー身分を超えたプロポーズ」「黒沢登幾ー日本初の小学校女性教師」「山本権兵衛ー妻への愛と敬意」「鈴木貫太郎終戦内閣を支えた妻」「戸山昭子ー玉砕前の結婚式」「中山夫妻ーウズベキスタンの桜」「協同の心(筑後川の工事の五人の庄屋)」「和と結 女工さんと日本的経営」など。


どの章も読み応えある。心に響く。このシリーズはいいね。超オススメです。(・∀・)