「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「性風俗のいびつな現場」(坂爪真吾)


性風俗のいびつな現場 (ちくま新書)


本を読むことは、見知らぬ情報をいち早くキャッチすることである。とても重宝なツールなのだ。(・∀・)

さて、このようなテーマが新書にとりあげられているのがスゴイ!そうかあ……こんなことが現場では起きているのかあ……!?


「わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにするホテヘル、40から50代の熟女をそろえたデリヘルなど、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしている。一方、参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのでしょうか?様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊」そのエッセンスを紹介しよう。


・私がゼミで風俗の研究をした翌年の2004年、東京都・警視庁・警察庁が一体となって進めた繁華街の浄化作戦により、無届けで営業していた都内の店舗型風俗のほとんどが壊滅した。歌舞伎町、横浜黄金町、埼玉西川口など、有名な風俗街が次々に浄化されていった。浄化作戦後、多くの風俗店は看板を出さずにインターネット上で広告宣伝を行う無店舗型に以降し、表社会から見えにくくなった


・ここ十数年の間で、風俗の世界に対してメディアや世間から投げかけられてきた問いは、以下の3つ。

1 「今、現場で何が起こっているのか」
2 「その背後には、どのような社会問題が潜んでいるのか」
3 「それらの問題は、どうすれば解決すればできるのか」


・2013年の時点で、全国のデリヘルの届け出数は約18,000件。これは全国のセブン-イレブンの店舗数とほぼ同数である。風俗は「反社会的勢力が関わっている世界」というイメージがあるが、デリヘルが風俗の中心になって以来、堅気の素人=脱サラした会社員や大卒者が転職者の選択肢の一つとして参入するケースも増えている。(「地方都市における、ある障害者のデリヘル起業体験記」)


・一般に風俗は「女性が男性に裸を売る世界」と考えられているが、これは間違いであり、正確には「男性(経営者)が、男性(客)に対して、女性の裸を売る世界」である。つまり売るのも買うのも男性だ。


「オムツはメリーズとムーニーが良いんですよ。色々試してこの二つに落着きました」この店は、妊娠中の女性=「妊婦ママ」と母乳の出る産後間もない女性=「母乳ママ」とのプレイができることを売りにしている「妊婦・母乳専門店」だ。ナンバーワンの売れっ子ママの勤務時間は11時〜14時までのわずか3時間。女性一人が一日に接客できる人数は、母乳量に限りがあるため二人が限界。女性たちは母乳を多く出すための工夫を日々しているという。新生児を抱えた産後1〜2ヶ月の女性が、週二回、わずか二時間程度の勤務(無料の託児所付)で月に10万〜30万稼げる仕事は今の社会には存在しない。こうした妊婦・母乳風俗店の存在によって救われる人や助かる生活があることは、まぎれもない事実だ。女性のライフコースにおいて最も働きにくく・稼ぎにくい期間を、最も働きやすい・稼げる期間に転換できる、魔法のような職場だ。(「妊婦・母乳専門店は「魔法の職場」)


その他、「熟女の・熟女による・熟女のためのお店とは?」「風俗の墓場・激安店が成り立つカラクリ」「売春以上恋人未満の会員制高級交際クラブ」「デブ・ブス・ババアを集めた、レベルの低さ日本一の地雷専門店」など。


へえー!φ(..)メモメモ。まったく風俗には興味はないけど、勉強になるなあ…(何の!?)オススメです。



性風俗のいびつな現場 (ちくま新書)