「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「うちの子がなぜ!女子高生コンクリート詰め殺人事件」(佐瀬稔)


うちの子が、なぜ!―女子高生コンクリート詰め殺人事件


この本は読み進めるのがツラかった…。あまりに切なく、虚しく、人間の愚かさを思い知らされた…。

「昭和64年1月、東京都足立区綾瀬で起きた殺人事件は、検察をして「犯罪史上においても稀に見る重大かつ凶悪な犯罪」と言わしめたほど衝撃的な事件であった。恐るべき犯罪をおかした少年たちの素顔は?生い立ち・親子関係を克明に跡づけ、現代の家庭・教育に広がる得体の知れない病理を指摘する。事件の全容を初めて明らかにした本」そのエッセンスを紹介しよう。


・平成2年5月21日に行われた論告の中で、検察側は言葉をきわめて被告らの所業を攻撃した。「わが国犯罪史上においても稀に見る重大かつ凶悪な犯罪」と繰り返したうえ「動機はきわまて反社会的かつ自己中心的」「犯行態様は残虐かつ冷酷」「行動はまさに人の仮面をかぶった鬼畜の所業と断ぜざるをえない」とのべている。「猥褻・誘拐・略取・監禁・強姦・殺人・死体遺棄・傷害・窃盗」。17歳の女子高校生を40日間にわたって狭い部屋の中に閉じ込め、陵辱・暴行にしたい放題を繰り返す。その末に死に至らしめ、死体をカバンにつめたうえドラム缶に入れ、コンクリートを流し込んで捨てた犯人ども


・二ヶ月後の7月19日、法廷で裁判長が読み上げた判決文。「(被害者の)身体的および精神的苦痛・苦悶、ならびに被告人らへの恨みの深さはいかばかりのものであったか、まことにこれを表現する言葉さえないくらいである」4人が行ったことに関する限り、弁護側に、反論の余地はない。


・問題は、そこにいたる歳月である。20年足らずの間に、いったい、何があったのか、それははたして、鬼畜を育てるだけのために費やされた歳月だったのかー。


ローマ皇帝症候群」=皇帝ネロのローマ、ユニティニアヌス一世のコンスタンティノープル、さらには、ボールド・バックスと呼ばれた一部の社会階層が、陵辱と死体切断を日常茶飯事にしていた18世紀のロンドンなどの、富裕な若い冷血漢たちが犯した種類の犯罪である。どうやって殺すか、の工夫で言えば、現代の人類は明らかにローマ皇帝の時代をしのいだ。「皇帝の退屈」が、あてどもなくドライブする無名の若者たちにまで及んだ、ということだ。


・しかし、退屈が殺人の理由になりゆるにせよ、実行に及ぶ際は無為倦怠のままではいられない。相応の爆発的エネルギーを必要とする。問題はその破壊のエネルギーがどこに蓄積されていて、いつ爆発を起こすか、ということだ。エネルギー源は、人の目には容易に触れない。心中にそれを蓄えている者自身、破壊的な殺意の潜在にはほとんど気づかないまま、日々を過ごしているのだが、起爆装置のスイッチは確実に存在する


やはり、親や環境の影響が子どもに及ぼす影響って大きいんだねえ……改めて考えさせられました。オススメです。



うちの子が、なぜ!―女子高生コンクリート詰め殺人事件