「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「夜明けあと」(星新一)

 


夜明けあと (新潮文庫)


いや〜この本はすごいわー!タイムマシンだわー!著者はショート・ショートの第一人者、星新一氏。こんな本があったとは知らなかった〜!(・∀・)


「明治は遠くになりにけり」明治時代当時の世相や風俗、ゴシップなどのニュースで、近代化の流れをたどるユニークな編年史。文明開化から始まった明治という時代にタイムスリップできる一冊。そのエッセンスを紹介しよう。


【慶応4(1868)年】


オランダで200年後を予想した本が出た。ガラス製の屋根。高性能の望遠鏡。磁石で進む風船。大国は軍備を廃止し、独立国はふえるだろう。(公私雑報)


【明治3(1870)年】


平民に苗字を許可。一方、帯刀は禁止とする。(太政官


【明治4(1871)年】


東京・京都・大阪間に郵便開始。切手発行。廃藩置県。新貨幣制、一両や一貫を一円と称す。戸籍法の方針きまる。
旧大名の藩邸を処分したいが、新政府の信用がなく、千坪25円でも買手なし。青山邸はどうしようもなく、墓地にした。現在の青山墓地
川へ物を捨てるな。死体の浮いているのを見たら、届けよ。ほうびを出す。(新聞雑誌)


【明治6(1873)年】


天皇、断髪なさる。皇后も少し前に、オハグロをおやめになった。
銭湯に犬を連れてきて入浴させるのが、禁止となる。(東日)


【明治7(1874)年】


天皇のお通りの時、平伏しなくてよい。車や馬を下り、帽子をとり、道ばたに直立し頭を下げればいい。(東日)
郵便を運ぶ者、短銃を携帯すること。現金があると思って襲う者を防ぐため。(日真)


【明治9(1876)年】


日曜を休日とする。土曜は午後から休み。
料理屋の代金。不足の場合でも、客の着物をはぐのはやめるようにとの通達。(曙)
この年、アメリカのベルが電話を発明、建国百年の博覧会に展示。
アリゾナのアパッチの酋長、ジェロニモ、部下を指揮し、10年にわたる抵抗を開始。


【明治10(1877)年】


開成学校と医学校が合併し、東京大学


【明治11(1878)年】


鉛筆、国産化。輸入も減るだろう。(朝野)


【明治13(1880)年】


大阪では、夜に巡回する警官は、ワラジ履きとなる。靴音を立てないため。(朝野)
新潟県の村、村会を開いたが、議案の字をだれも読めず、勉強会となる。(新潟日報


【明治14(1881)年】


例年より寒さがはげしく、隅田川に厚い氷がはり、子供が滑って遊ぶ。(曙)
明治生命保険会社、許可が下り正式に営業開始。(東日)この分野の、日本で最初。


【明治15(1882)年】


北海道を函館、札幌、根室の三県に分け、開拓使は廃止となる


【明治16(1883)年】


時計の国産化に成功。いずれは輸入しなくてもいい時代がくるだろう。(東日)


【明治17(1884)年】


この年のアメリカ。大リーグで、投手が上手から投げることが許される。打者は、球の高目、低目を要求できた。


【明治18(1885)年】


華族の女性は、名のあとに子をつけ、省かぬようにと通達。(改進新聞)
京の本願寺の御堂再建のため、材木を寄付する者が多い。その運搬には髪の毛の綱がいいと、新潟の未婚女性たちが献納。18万人が尼の頭となる。感心だと、縁談も早い。
軍医・松本良順、大磯を海水浴に最適と推薦し、旅館を建てる。湘南の発展のはしり。
北海道への屯田兵の志願、各県に平均して1000人、ハワイへ、さらに1000人に移民。(東日)


【明治19(1886)年】


東京府の人口、幕府の最盛期にくらべ、やっと6割ちかくに回復した。(朝野)
京都でコックリさん、流行。(朝日)やがて大阪や東京でも。
ビン入りの日本酒、発売となる。水や安酒をまぜられる心配が、なくなる。(毎日)


【明治20(1887)年】


カラカサではなく、布製の洋傘が流行。製造がまにあわない。(朝野)
日本橋で、はじめてアスファルト舗装の道が作られる。長さ150メートル。(時事)


【明治21(1888)年】


所得税、実施。年間収入、300円以上に、1〜3%の累進課税。これまでは地租と間接税だけでやってきた。
この年、スコットランドの獣医ダンロップが、空気入りタイヤの特許を取る。病弱な息子の三輪車用にと。その権利は安く売ってしまった。
アメリカの電信技師パーカーが、24歳で万年筆を改良し、大量生産をはじめる。イーストマンが、コダック・カメラを量産し、写真が大衆化する。


【明治22(1889)年】


東海道の鉄道がつながり、新橋から京都まで、わずか17時間で行けるようになった。


【明治27(1894)年】


京都で飼犬に保険をかける会社、保犬会社が作られた。(読売)


【明治28(1895)年】


鎌倉・七里浜・藤沢間の鉄道建設に着工。のちの江ノ島電鉄
この年、米国。ニューヨークにピザの店が出現。ケロッグがコーンフレークを製造。ジレットがかみそりの薄刃を製造。コダック社が小型カメラを発売。仏国のプジョー兄弟、荷物輸送の自動車を製造。独国ベンツが乗合自動車を製造。ディーゼルが新エンジンを開発。


【明治29(1896)年】


小田原・熱海間の、レール上の車を人間が引く、人車鉄道。利用者が多い。(国民)
この年、クーベルタン男爵の努力で、第一回近代オリンピック大会が、ギリシャアテネで開かれた。


【明治30(1897)年】


オトウサマ、オカアサマと呼ばせる家が増えた。昔はオトッサン、オッカサン。町の子はチャン、オッカアだったが。(経済雑誌
この年。第一回、ボストン・マラソン。スーザが星条旗よ永遠なれ』を作曲。


【明治32(1899)年】


年賀郵便の特別扱いを開始。元日に配達してくれる。(日本)


【明治33(1900)年】


歯科医は全国で400人。いない県もある。政府は増員策を立てるべきだ。(時事)


【明治34(1901)年】


新しい世紀。100年前は鎖国徳川時代。すばらしく進化したが、これからは列強の圧迫も強まるだろう。いっそうの努力を。(時事)
電報通信社が創立される。のちの電通


【明治35(1902)年】


郵便ポストを黒から赤に変える。評判がよくて、遠くても入れに行く人あり。(読売)


【明治36(1903)年】


明治法律学校を、明治大学に改称。和仏法律学校を、法政大学に改称。
尾崎紅葉、死去。37歳。金色夜叉は未完となる。


【明治42(1909)年】


自動車、東京だけで、なんと38台。うち国産は8台。馬車、人力車は、ほとんどふえない。(国民)


歴史の重みってすごいよねえ〜〜この本の大正版も出してほしいなあ。超オススメです。(・∀・)


 


夜明けあと (新潮文庫)