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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

人を動かすのに、相手の感情を考慮しないのは無意味。

未だに、人の行動を動かすのには、脅したり嫌味を言ったり、説教したりするのが良いとか、勘違いしている向きが高齢者を中心に見られる*1が、古典的な名著「人を動かす」にも表されているように、それは間違っています。
読んだ本の要約 人を動かす より、

第1部 人を動かす3原則
1. 批判も非難もしない。苦情も言わない*2

  • 人を批評したり、非難したり、小言を言ったりしたりすることは、どんなばか者でも出来る。そして、馬鹿者にかぎって、それをしたがるものだ。
  • およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということを良く心得ておかねばならない。
http://booksmessage.seesaa.net/article/112575993.html

人をあからさまに批判したら、特に、人前で恥をかかせるような状況で行えば、例え、それが聞く相手にとっても正しいと思われるような意見であっても、決して本人はその事を忘れない。その後に、その人間に言われた事に、決して従わない事態も起こり得ます。
人には自尊心があり、感情があり、虚栄心があります。無いと思われるほどの謙虚な態度を取っている人でも、潜在的にそれが存在しているとして扱わなければ、愛想を尽かされる事になります。


そもそも、自分が言っている事が、本当に正しいか、という問題があります。ここで間違えていれば、そもそも説得力が無いです。自分が正しいと感じている人は、ここのチェックが甘く、最初から聞く価値が無かったりします。
提示している解決方法は、聞いている本人がちゃんと受け入れられ、実行に移せる内容ですか? 言っている本人に論理的に適切であっても、相手の条件が同等とは限らないので、それが相手にも成立するかは不明です。
勿論、ここでもちゃんと、相手が受け入れられる内容となっている可能性もあります。そこまでの条件に当てはまって、初めて相手が聴く価値のある内容となります。


その条件に当てはまっても、言っている事が正しいとしても、まだ条件があります。
最後に、相手がそれを受け取れるように言っているか、という事です。相手が聞ける状態にあるかどうか、です。
相手に高圧的に言っても、相手が聞きたくないような口調で言っても、それは言わないと同じばかりか、逆効果ですらあります。相手に、真にその行動を問て欲しいと願っているのであれば、最後の条件も是非クリアして欲しい。ここまで来て、やっとで相手を説得できる、適切な助言になります。


でも、そこまで来ても、やはり、相手が従えない、という事もあり得るのが、人の生き方の難しさでしょう。
そこまでの行動が適切でも、最後に自分の行動に適切な結末を付けられる人は、さほど多くないように思います。ここで、辛辣に相手の非難を開始してしまう人も多い。そして、その行動は、いつか、相手がそこで言われた内容を、思い直して実行に移すかもしれない、という最後の希望を潰してしまいます。


さて、皆さんは、ちゃんと相手を説得できる意見を、相手に言えていますか。単なる、自分への理由づけではなく、相手のために。


最後に、実際に「人を動かす」が最初の条件に何を挙げているのか、書いておきます。
人を動かす三原則『人を動かす』から・デール・カーネギー【書評・感想】 - ビジョンミッション成長ブログ より、

1 盗人にも五分の理を認める
2 重要感を持たせる
3 人の立場に身を置く

http://visionmission.hatenablog.com/entry/hitowougoasu

最初に挙げた言葉と違う、っていう人がいるかも知れないけど、リンク先に解説は書いてあるし、実はこの本、解説を含めて読まないと、なかなか意図する意味をくみ取れない人もいるので、敢えて変えてみました。
ちゃんと、自分で、自分の言葉として使えるように、実際の書籍を図書館で借りて読んでも良いので、実際に読んでみてくださいね。
その方が、私の拙い言葉より、行動を変える源泉になると思います*3
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*1:人に対応する経験の無い、若年層にも見られる。

*2:盗人にも五分の理を認める

*3:気づいたかも知れませんが、本日の記事も「人を動かす」の原則に基づいて書かれています。でも、完全に沿う形にするのは非常に難しいので、半分くらい、でしょうか。