luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

幼い経営者、幼い管理者、幼い社員に、迷惑をこうむった話。

私の知り合い(以降、A氏と呼びます)が、とある会社に期間契約で呼ばれて勤務した時の話です。
実際の会社が不明なように、情景は曖昧、かつ変えて書いてありますが、状況は実情をほぼ変えてません*1

最初から、こんな状態?

初日。呼ばれて行くわけですから、当然に時間通りに着く訳です。普通の会社はこんな処であまり躓(つまず)きません。
ですが、この会社が変だなあ、と感じたのは、最初からだったそうです。何せ、会社のインターホンで呼び出しをかけるも、向こうの上役さん(以降、Z氏)が延々出てこない。
普通にあり得ないと思うのですが、彼は、そこを通りかかった、そこの社員が見かねて状況を確認してくれたお蔭で、中に入れたそうです。
Z氏は、色々言い訳してましたが、「すみません」という謝罪の言葉は結局口にしませんでした*2。かなり、不思議な行動則ですね。


この後も、不思議な状況は続きます。
作業開始の手順書の通りにすると、普通に開始できない。

→ドキュメント上に説明が抜けており、そうしないと開始できない。
→聞くと、当社社員は分かっているので修正していない、と言われたそうな。これ、この会社に「今までいなかった人」がやる作業手順書ですよ。

内部説明資料が物凄くチープ。

→このため、色々な部分を調査する必要があるが、そもそも、その調査のための手がかりとなる資料すらない。
→聞くと、当社社員は(以下同文)。

見事に、外部からの眼と言うか、俯瞰視する視点が無い社内文化のようなんですね。社員の補充が追いつかなくて、と、A氏を呼んだ理由を言い訳めいて発言したのですが、彼は「その前に、何かやる事があるんじゃないのかな」と思ったそうです。真面目な話、これでは新規に社内業務に参加する人への敬意とか、配慮とかというものが無いに等しいです。

内向きの文化。

こういう状況ですから、思考は完全に内向きです。社内の議事や、部署、用具に妙なジャーゴンを使って言い換えをするので、一般的な事項に対して会話をしている筈なのに、妙な会話になる事も多かったようです。
A氏は、そのたびに不快になったとか。「何だ、この排他的な文化は」と。
また、外から来た人が参加しない社員だけの SNS が設定されており、社員はその中で色々会話しているようなのですが、勿論、彼や、他の社外から参加した人には話題が伝わってくることはありません。
基本的には無害な社内事情の話のみではあったようなのですが、時には社外から参加のメンバーの話題がされている事があり、それが雰囲気的に分かる時があって、かなり微妙な気分になる事もあったようです。

幼いというか、外の経験値が皆無

タイトルに「幼い」が付いていて、不思議に思った方もいると思いますが、要は一般社会である程度常識とされている事が通用しない。それが、熟考の上で修正されているのであれば「幼い」にはならないのですが、そういう訳ではなく、単に経験不足の若者がやりがちな行動をしているだけ。
A氏が外の一般常識を披露しても、妙な自信で否定しにかかるので、会話を成立させるのも、業務成果を上げるのも、結構神経を使ったそうです。また、実際に業績を上げても、自己基準の評価で、珍妙な評価査定をされる*3ので、行動意欲を失うのもしばしばだったとか。
若い人間で、経験不足から、物凄く狭い知識範囲で総ての事を自信たっぷりに決めてかかる状態有りますよね。そんな感じです。で、良く考えたら、これ「ダニング·クルーガー効果*4」ですね。
おまけに、それが普通の社員だけであるのならともかく、管理職、はては取締役クラスにまで及んでいて、「なんじゃ、この新入社員みたいな経営陣は」と、知り合いは思ったそうです*5

会話が成立しない。嘘を言う。

各自の命令系統上で、A氏への担当が付きます(以降、M氏)が、M氏との会話をすると、細かな突っ込んだ話をすると、「分からない」と言い始める。どうやらM氏、指示資料はあっても、その技術的背景が分からないので、それを周囲の技術職に確認しながらでないと説明できないらしい。
であるなら、技術職を同席するなり、説明を受けてから指示するなり、そもそも指示者を技術者にすればよいのに、それをしないばかりか、そうしようとするA氏に邪魔を入れようとする。自分の能力不足が露呈する事を露骨に嫌がる。
A氏の言い方に細かなミスや差異を指摘する一方で、自分の言葉の間違いや、曖昧な表現には目をつぶる。そのため、時に、会話が成立しなくなる。
また、自分の誤りを認めたくないのか、時に嘘を教えるので、後から自分の表現内容に矛盾が生じているのだが、それを認めようとしない。
これらも、「ダニング·クルーガー効果」ですが、そもそも、そういう事態になっているという認識が無いので、修正されない*6。なお、この時点で、A氏自身は、この状況は「ダニング·クルーガー効果」ではないか、と考えていたそうです。

その結果、起きた事。

この状態で、成果を上げるのは難しいのですが、A氏はなんとかやり遂げました。時々の遅延や、失敗はあったものの、それなりの成果をあげました。
しかし、それにこの会社が応えたかというと、正直のところ、不適切な評価と、不適切な対応をしただけでした。
多分最後まで、自身の能力不足が相手の力を引き出せなかった、と気がつかなかったようです。指摘の総ては「A氏の悪い処」であり、自己の対応の悪さ、指示の不適切は訂正されませんでしたから。
A氏は一方的に悪く言われる事に不快になり、この会社を契約終了と共に早々に去り、今は別の会社、能力を発揮できる場所で楽しく働いています。この話はそのため、結構苦労して聞きだしています。
A氏の話だけでは信憑性に欠けるかもしれませんが、ここに関わった「三人の技術者総てが不本意な成果と評価である」事、また「同様の感想を述べる」事から、私はかなり確度高い情報だと思っています。
なお、別の理由の可能性もありますが、この会社、異常に離職者が多いです。

こういう組織は迷惑。

話を聞いていて、非常に迷惑な組織だなあ、と感じました。
私も内部事情は知らず、外見的には良さそうな企業に見えるので、そういう企業風土とは知らず、相手に警告もしませんでした。しかし、こういう情報を知った今は、この企業から要望があっても、知り合いを紹介したりすることは止めたいと思います。別に自分たちで勝手に失敗するのは構いませんが、社外の人を巻き込むことは困りますから。
そういう意味では、期間契約の社員や、派遣社員、協力社員*7との作業は止めて欲しいと思います。迷惑ですから。

*1:実在会社の内容なので、就業等で危険な会社か確認したい方のみ、一致しているかどうかだけ、お答えする用意があります。その場合には、twitter@rt_luckdragon に DM を呼びかけ、ご確認ください。

*2:そうそう、この方、以降もそうですが、総てに於いて、自分の方に誤りがあった、という認識が薄いようです。以降も類似の話があります。

*3:一般的会社では評価されうる結果であっても。

*4:参考 忘却からの帰還 創造論/ID論 (旧サイト) - wikipedia:ダニング·クルーガー効果

*5:確かに、会社の歴史は長いという程ではないですが、それでも数十年はあるので、会社の人員の経緯のせいでしょうか。人の出入りは激しいようです。

*6:自分に見えていないモノがあると認識できない人は、会話中の「隠れた前提」を意識できないので、物凄く会話が困難になりますが、意識できない人は、本当に意識しませんね。困ります。

*7:これは全然別の話ですが、内向きの文化の影響か、呼称が非常に無礼みたいですね。今時、派遣契約社員を「派遣さん」とか、業務協力会社の人を「外注さん」と呼ぶ文化は、無礼ですよ。派遣社員は特にそういう系の呼称をする事は避けるし、外注ではなく普通は「協力会社」と言います。何時の時代の言い方だよ、それ。