モヤモヤ〜セカンドオピニオン5

ようやく甲状腺と副腎のホルモンの検査結果が出た。掛かりつけの先生いわく、両方とも「異常は認められず」らしい

甲状腺
ルーシー 参考基準値
血清総サイロキシン(甲状腺ホルモンの量) 1.9 1.0〜4.0
甲状腺刺激ホルモン(脳に甲状腺ホルモンを出させるように刺激を与えるもの)
0.62 0.05〜0.42

刺激ホルモンが基準値を超えているが、甲状腺ホルモン(1.9)を出させる上で、脳に対する司令(0.62)がかかっているということ。甲状腺ホルモンの量が基準値を下回り、刺激ホルモンの量が超えていれば「甲状腺がしんどい」。従って、今の状況では「異常は認められず」ということに。

<副腎>
コルチゾール前 6.4 2.0〜6.0
コルチゾール投与より1時間以上経過 14.6 〜20.0

コルチゾール前の数値が、基準値を若干超えてはいるものの、1時間経過後の再測定で基準値内なので、副腎皮質ホルモンの自家分泌が体内で抑制されているということになる。

掛かりつけでは、これらの結果により「総コレステロールとALTが高い原因は、甲状腺と副腎ではない」「やはり肝臓が疑わしい」と結論づけた。その一方で、3か月近く続けた高脂血症の薬を、「効かないから」と肝臓を元気にする薬に差し替えることになったとりあえず新しい薬を一か月服用させて、血液検査で効果を確認する予定。

それにしても、若い頃と違って、検査で――それも複数の検査を組み合わせても――原因が簡単に判明しなくなった。異常は認められなくとも、甲状腺も副腎も全く正常とは言えないし、ヒタヒタと終末が近づく足音が聞こえるようだ。

その一方で、これが幸せな犬生と言えるのだろうかと、たびたび自問自答する。今はすべてが飲み薬で済んでいるけれど、いずれは点滴や入院が避けられない事態を迎える。心と財布の準備が必要だし、この先、飼い主として正しい判断、または少なくとも最良の判断を下さなければならない。

今回のことは、ひとつの予行演習で、(あ)は、その教訓を重く受け止めている。

モヤモヤ〜セカンドオピニオン4

翌朝一番に掛かりつけのN病院へ。当方が希望する副腎はまた考えるとして、甲状腺のホルモン検査をしてもらうことに。同時に総コレステロールとALTの数値を確認してもらう。E病院で久々に尿検査をしたところ、タンパクが確認されたので、N病院へ尿サンプルも持参。

N先生は開口一番。「どうしましょうか?」昨晩と感じが違うのは気のせい?
「まず甲状腺のホルモン検査をお願いします」と言うと
「副腎もされるなら、ついでにやりますよ。半日預からせてもらいますが。」
一晩で態度が180°変わってるけど、まぁ良いか💦

副腎のホルモン検査は、まず血液を1回採取。副腎皮質ホルモンを投与して1〜3時間の時間をおいて、再び血液検査を行い、体内の副腎皮質ホルモン量の減少率を測るものだ。

基本的に副腎皮質ホルモンの量は体内で調節されるべきもの。しかし、ホルモンの過剰分泌が肝臓に影響を及ぼし、肝酵素の数値が上がることがある。肝臓の代謝が落ちて胆汁の流れが悪くなったり、またはステロイド肝症や肝炎を引き起こすことも。これらの場合は、通常ALPの数値も上がるのだが、ルーシーの場合は正常のため、掛かりつけでは除外されていた。

問題は、これらの場合によるALPの数値の上昇について、掛かりつけでは「絶対上昇するはず」、セカンドオピニオンをいただいたE病院では「稀に上がらないこともある」と意見が分かれていた。そのため、掛かりつけでは副腎はエコー検査の対象外になっており、E病院でのエコーで副腎のサイズが上限ギリギリであることが判明。なんとも判断が難しい状況となっていた。

腹腔鏡での組織検査についても、両病院の意見は分かれている。掛かりつけは、これまでに実施済みのエコーでの画像診断と血液検査の外には、組織検査しか原因を特定できる検査はないとのこと。E病院では、腹腔鏡検査に伴う麻酔や止血等にリスクがあり、その前に甲状腺と副腎のホルモン検査を行うべきだと。

そう、セカンドオピニオンで困るのは、その内容が相反する場合。技術的・専門的な部分については、飼い主は予備知識を持たず、ネットの情報や専門書を見て泥縄式に勉強するしかない。今回のルーシーの場合は単に検査のハナシだけど、進行性の病気――特に一刻を争う状態――の治療であれば、その猶予さえ与えられない。
そして、双方の病院が下した判断が、ルーシーの現在の状態や今後の体力減退や生活の質(QOL)を考慮しているかが、見えにくいこと。

個人的には、この半年で急速に老いたと日々感じている。相変わらず散歩を楽しみにしているものの、歩みは随分と遅くなった。ここ数か月で聴力も弱くなり、こちらの呼びかけにも反応しないこともしばしば。今年は冬の到来が比較的遅かったにも関わらず、10月から寒さを訴えるようになった。他のワンちゃんと引き合わせても以前のように瞬時に興奮したり、(あ)の陰に隠れたりすることも少なくなり、若いボーダーが走り回る姿を、少し距離をおいて眺め、時には興味を失って周囲のニオイ嗅ぎばかりすることも多くなった。

13歳半という年齢を考えると、残された時間は少ない。家族としては、この時間を、ルーシーに無理なく過ごさせてやりたいと考えている。多少余命が延びても、治療や検査で苦痛やストレスを負わせることは望まない。それならば、短くても笑顔で過ごせる時間を確保してやりたい。

掛かりつけのN先生は、普段から診てくれているから、ルーシーの体力が腹腔鏡での検査に耐え得ると考えておられるのだろう。また、これまで(あ)の意向は伝えているし、ある程度は理解して下さっていると思う。しかし、それでも獣医という生命を助ける立場であることは変わりない。よしんば検査で問題が特定されても、苦痛な時間を長引かせることになるだろうし、犬生の終盤という急速な流れを逆転させることは難しい。

そして、最後の問題は、掛かりつけの病院との今後の関係だ。
セカンドオピニオンを得た病院が、最新機器を備えた別の地域にある二次病院(大学病院や専門病院)ならばまだしも、同じ地域にある一次病院で同じエコー検査を行うとなれば、セカンドオピニオンの内容を掛かりつけに開示するには度胸が要る。

正直(あ)には、仁義に反する気がしてできなかった。掛かりつけのN先生を信頼しているし、最期までルーシーを診ていただきたいと思っている。信頼できる掛かりつけとの良い関係は、ペットの健康に直接的な影響を与えると、個人的には考えている。
「掛かりつけをセカンドオピニオンのE病院に替えたら?」という意見もあろうが、それは(あ)の選択肢にはない。

とはいえ、エコーの後は腹腔鏡による組織検査というのは一足飛びに思えた。その旨をN先生に伝えたところ「一足飛び、ではないですよ」ここが、専門家と一般の飼い主の認識の違いで、なかなか埋められないギャップなのだと思う。
「患者が人間ならね」と(あ)は心中でつぶやいた。

モヤモヤ〜セカンドオピニオン3

それから1週間。さらに悶々とする日々。

セカンドオピニオンを取ったは良いが、掛かりつけのN先生にどう切り出したら良いのだろう?
「やらなきゃ意味ないよ」と自分に言い聞かせる。

E病院の先生には「あの〜、ネットで見たんですけどぉ〜(口調ママ)」と言って、甲状腺と副腎のホルモン検査をお願いしたら、大抵は検査をしてくれると仰った。

とはいえ(あ)はウソがつけないタイプ。顔を見せれば、長年の付き合いのN先生には気取られてしまうに違いない。
という訳で一日の診療が終わるころに電話をかけることに。「先生も早く休みたいだろうから、深く考えずにさらっとOKをくれるだろう」という目論見(爆)。
「腹腔鏡での検査は最終手段にしたいです。その前に原因を絞り込むためにできる検査があれば、そちらを先にしたいのですが」
「エコーの診断結果の説明でリンパ節や副腎について、特に説明を受けていなかったけれど、異常がなかったからでしょうか?それとも検査対象ではなかったのでしょうか?」
甲状腺や副腎に異常があると総コレステロールとALTは上がると聞きました。そちらの検査をしたいと考えていますが、いかがでしょうか?」
N先生は、開口一番「大きな病院だと、その時1回くらいしか診ないから、いろんな検査をします。ウチは一次病院でずっと診てきたから、必要性に応じた検査をします。」と仰った。
ゲッ、バレた?顔を見てないのに??
「あの〜、ネットで見たんですけどぉ〜」と、冷や汗をかき、しどろもどろになりながらE病院の先生の完コピー口調で説明(爆)。
「ネットの情報は必ずしも正しいとは言えません。」とピシャリ。
「確かに総コレステロールやALTは上がるケースがありますが、ALPの数値が正常なので不要と判断してきました。
「エコーではリンパ節を診ていますが、副腎は診ていません。副腎に異常があれば、絶対ALPは上がるはずなんです。それが上がらないからエコーでも診ていません。」
ヤバい、ヤバい!怒ってる!?
でも、ここで引き下がる訳にはいかない。せっかくセカンドオピニオンをもらったのに、活かさないでどうする。
「でも、高脂血症の薬を飲んで2か月以上になりますが、総コレステロールとALTは下がったと思ったら、また上がってりして、正常値より高い状態が続いています。薬の効果を見る上で、2か月というのは短いとお考えですか?」
高脂血症の症状が確認されているのだから、高脂血症の薬を飲ませる必要があるのだとは思います。しかし、他に原因がある場合には、そちらの治療をしないと、これらは下がらないのでは?」
「無駄な検査をしないように、当方の負担に気を遣っていただいていることは感謝しています。しかし、(エコーの)次の段階の検査が肝臓の組織検査ということですが、甲状腺と副腎の検査をすれば、肝臓以外の問題の可能性をつぶせるのではないですか?」

「今なら正常値よりちょっと上なので、(癌など)進行性の病気でも手は打てるし、余命もその分長くなるんですよ。だから組織検査を、と言ってるんです。」
粘りに粘って、ようやく甲状腺のホルモン検査をしてもらうことに。しかし副腎についてはALPの正常値を理由に、その場では了承してもらえなかった。
・・・とりあえず半歩前進。
電話を切った後は、緊張が切れてその場に崩れ落ちた。

モヤモヤ〜セカンドオピニオン2

E病院には、これまでの血液検査の結果と尿サンプル、病歴や投薬内容等の情報を持参。当日血液検査をするかもしれないと、絶食で訪問。予約を入れたので、問診やエコー検査でも、想像していた以上に時間を割いて丁寧に対応してもらえた。

結果から言うと「組織検査の前にできる他の検査がある」。具体的には、甲状腺と副腎のホルモンに関する検査である。

E病院では、「これらの検査をすれば可能性のある原因を除外するだけだが、それでも飼い主が安心できるのではないか」と。→これらが原因でなかったら細胞レベルの癌など、さらに難しい病気になるから、決して安心はできないけど。

E病院ではエコー検査によるセカンドオピニオンを出す場合、腹部全体を診てくれるという。エコーは、メーカーや機種により、かなり見え方が違うらしい。これもセカンドオピニオンをとる理由のひとつとなった。

エコーは、まずは懸案の肝臓から。モヤモヤではなく白い小さな点が多数見られた。これは「高エコー源性」の肝臓と言うそうで、肝細胞の中に異常がある状態。細胞の中に糖や脂肪が沈着しているのではないかとのこと。肝酵素の上昇とエコー源性には関係があるかもしれない。

ステロイドの服用や体内でステロイドが過剰につくられることで起こるステロイド肝症の場合、また肝臓の代謝が落ちて胆汁の流れが悪くなると、高エコー源性の肝臓になることがある。ルーシーの場合は、ステロイドを服用していないし、ALPの数値が上がっていないので、これらの可能性は低いそうだ。

なお、肝臓の一部に4〜5mmの結節病変が見つかった。E病院の先生によれば、見たところでは明らかに腫瘍という訳ではなく良性の変化肝臓の細胞が死んで(代謝で)病変になる可能性もあるから、必ずしも悪性所見ではないそうだ。一か月単位で7〜8?と成長しない限りは問題なさそうとのこと。

さらにエコーはリンパ節と副腎へ。
リンパ節に異常は認められなかった。甲状腺機能が低下すると、代謝が落ち総コレステロールと肝酵素の両方が上昇することが多い。飼い主が気づける異変は、寒さに弱くなる、元気や食欲がなくなること。それ以外には心拍が弱くなることだが、尿の量などは変わらない。飼い主が認識できる変化は少ない。

「僕が診させてもらってるわんちゃんで、他では肝不全と診断された子が、実は甲状腺機能低下症だったというケースがありました。そうすると(原因が別なので肝不全の治療をしても)良くはならないですよね」
また、ボーダーコリーが肝炎を発症するケースは多く、その原因が自己免疫にあることも。

いずれにしろ早期発見・早期治療が肝要なのは間違いないようだ。

エコーで副腎のサイズは6mm(正常の場合は4〜5mm)と正常値域の上限と測定された。

ちなみに、掛かりつけでは、副腎については全く触れられていなかった。その旨を伝えると「副腎が病気になると肝酵素の値が上がり、多尿・肥満・抜け毛などの症状がでます。ALPの値が上昇しなかったから、(掛かりつけでは)特に診られなかったのでしょう」

副腎はかなり奥の方にあり、ルーシーにはかなり苦しい体勢をとらせた上で、肋骨の間から診てもらった。器械によっては映らないし、特に大型犬ではエコーで確認するのが難しいらしい。

副腎は病気になると肥大する。目に見える変化では多飲・多尿だそうだ。
これはルーシーには当てはまらない。むしろ走ることが少なくなったので、摂水量が減り、尿の色も濃くなってきている。
その一方で、サイズは異常の可能性を示しているし、副腎皮質ホルモンの異常分泌から肝酵素の数値が上昇することもあるという。

E病院の先生の最終的な見立てでは、どれも確実ではないが最も疑わしいのは甲状腺機能低下だそうだ。確かに肝臓には結節病変があるものの、この時点で見た感じでは良性の変化であり、総コレステロールやALTの数値を上げるとは考えにくい。その一方で肝臓の代謝が落ちていることは確かなので、結節病変と共に定期的に変化を確認する必要があるようだ。

モヤモヤ〜セカンドオピニオン1

エコーで肝臓の下半分に見られた白いモヤモヤと、血液検査で高い値を示した総コレステロール(T-cho)およびALTには、関係があるのか?それとも別の原因があるのか?現在行っている高脂血症の投薬治療で良いのか?

(あ)には、そこが非常に気になった。

掛かりつけで高脂血症であることに変わりない」高脂血症の投薬を開始して約2か月。

T-choは緩やかに減少しているものの、依然、正常値域に戻っていないし、ALTに至っては、この期間中に一旦下がった値が再び上がり、薬の効果は、少なくとも(あ)が期待したほどではない。

高脂血症の症状(今のところT-choとALTの数値の上昇のみ)は、原因が高脂血症だけの場合も、代謝の減退による肝機能低下や癌など、それ以外の原因による場合もある。後者の場合には、治療は高脂血症だけを抑えても意味がない。

(あ)が個人的に最も恐れているのは細胞レベルの癌。エコーでは写らないし、犬用の腫瘍マーカーは存在するものの、特定種類の癌にしか有効ではないそうだ。この場合は、手をこまねいている間にも進行してしまう。

かといって、肝臓の組織検査に踏み切る決心がつかなかった。13歳半の老犬が負うリスクとしては大きすぎる。組織検査は、開腹か腹腔鏡による。掛かりつけは11月後半に腹腔鏡を導入するので、半年以内に組織検査をしてはどうかと提案された。

腹腔鏡は開腹と違い、傷口が小さくて回復が速い。N先生は肝臓に約1〜2cmくらいの穴を2か所ほど開けて組織を採取。ただし、採取箇所が癌細胞に当たれば良いが、そうでなければ見過ごされることになる。ましてや腫瘍ではなく細胞レベルならば、当たる確率はかなり低い。

悩むこと約半月。別の病院でも確認したかったけれど、掛かりつけの病院によると「これ(エコーと血液検査を組み合わせた診断)の後は、組織検査しかない」

セカンドオピニオンをとるにしても、どんな病院で、どんな検査があると言うのだろう?大病院ならMRIがあるだろうけど、関西ではまだまだ少ない上に、人間用でも5mm以下の腫瘍は映らないし。かえってルーシーのストレスと負担を増やすだけではないか?
FBに悩みを漏らしたところ、M先生からアドバイスをいただけ、別の病院(E病院)でエコー診断を受けることになった。幸いこの病院が近隣にあり、別のわん友さんから検査にあたって詳しい情報交換ができ、大変心強かった。

モヤモヤ 2

細胞診でガンが見つかれば、早急に対処できる可能性は高い。
その場合、我々飼い主は、どんな対処を望むだろうか?
治療で期待できる効果と予後のQOLを秤にかけて、どこまでを治療内容の限界とすべきなのだろうか?

細胞診で異常が見つからなければ、少し安心できるだろう。それでも肝臓がんの可能性が消える訳ではない。異常がないのは、採取したサンプルだけのハナシなのだから。

(あ)が今抱えているモヤモヤは細胞診で一瞬は消えるかもしれないが、次のモヤモヤが出て来るに違いない。

ありがたいことに、M先生からエコー診断の専門家の情報をいただいた。細胞診の前にセカンドオピニオンを受ける選択肢もある。幸い近隣で、お友達も関係しているから安心できる。

ちなみに、今の掛かりつけの獣医さんも経験は十分。少なくとも(あ)は信頼しているし、掛かりつけを変える気は全くない。専門家が別の診断をした場合でも、今の獣医さんの治療方針を変えさせることも、いやセカンドオピニオンを伝えることさえ、ためらわれる。なんだか違反行為のような気がしてならないのだ。

犬生の終盤に入ったルーシーには、苦痛やストレスのない日々を過ごさせてやりたい。
そりゃ「ご長寿犬」になれたら最高だけど、犬の一生が幸せかどうかは時間の長さだと思わない。
犬生の毎日が笑顔であれば、たとえ短かったとしても幸せなんじゃないか
と(あ)は考えている。

そうはいっても、自分の中でも気持ちが揺れる。
「13歳まで頑張ってきたのだから、一日でも長く生きて欲しい」
「掛かりつけの先生への裏切りと考えるな。不義理と思われようが、ルーシーのことだけを考えろ」
「若くして旅立った他のわんちゃんもいる。ルーシーには苦痛でストレスかもしれないが、麻酔を伴う検査が可能な時期は限られている。ルーシーには検査に耐える体力があるのだから、するべきだ」
という気持ちもある。

考えれば考えるほど、次々と疑問が浮かんで自分の意見が定まらない。それどころか、自分の考えが「何のために検査するんだろう?」とスタートラインに戻ってしまい、前に進まない。

モヤモヤ 1

8月半ばに突然の嘔吐&食欲不振で血液検査をした際、T-cho(総コレステロール)が337(正常値:84〜287)、ALT(アラニンアミノT)が242(正常値:13〜113)と高いことが指摘された。どちらも肝臓に関する数値で、肝炎などになると1,000単位にまで跳ね上がる。ルーシーの状態は、そこまで行かないが、かといって放置できる数値でもないという。

9月上旬に再検査したが、T-choが315、ALTが230と依然高く、初期の高脂血症の診断を受けた。以後2週間にわたり高脂血症の治療薬を飲み、投薬の効果を確認するため再々検査することに。

高脂血症の症状があると言っても、原因が高脂血症だけのことも、その他の疾患(肝機能障害やガン)が症状を引き起こしている場合もあるという。投薬でT-choが正常値に戻れば、原因は高脂血症だけということになり、そのまま投薬のみで良いだろうが・・・とのこと。

9月22日、ALTは148まで下がったものの、T-cho は311と大きく変化せず。獣医さんも悩んだ挙句、もう1か月、同じ投薬を継続することに。同時にエコー検査も行ったが肝臓や腎臓に腫瘍などの異常は見られなかった。エコーは、腫瘍が小さければ写らないし、リンパ腫であれば、なお映るはずもない。この時点で、先生は高脂血症が原因で症状を引き起こしている可能性が高い」と言う。

10月18日、再々々検査。今度は血液検査のみ。「総コレステロールが下がりますように。原因は高脂血症だけでありますように。」と祈る気持ちで臨んだが、T-choは301と変化は鈍く、正常値に比べて依然高い。それどころかALTが171に上がってしまった。なんだかな〜=3。

血縁さんは近年腎臓がんの診断を受けたが、変化は、腎臓ではなく肝臓関連の数値から始まったとのこと。ルーシーは元より左右の腎臓の大きさが異なり、さらに老化スピードが速いということで投薬治療中。腎臓が弱点なのは既に明らかだし、高脂血症の投薬は続けるにしろ、腎臓がんの可能性をつぶす必要があるのではないか?そして、腎臓のための新たな投薬が必要では?

獣医さん曰く
「確かに異常があるのは肝臓関連の数値ですが、心臓・肝臓・腎臓のいずれかに異常があれば、これらの数値に変化が起こる可能性があります。」
「しかし、前回エコーで確認したとおり、腎臓に異常は見当たらないし、今の数値で腎臓ガンという診断はありません」
「同じ投薬を継続することになりますが、将来的には、肝臓の細胞診を一度しておく方が良いと思います。」
「細胞診は半年、1年という将来ではなく、来月辺りはどうですか?」
「細胞診は麻酔を行い、開腹で行うか、腹腔鏡で行うか。腹腔鏡は来月(具体的な期日は連絡待ち)下旬には入る予定です。」

腹腔鏡の方が、傷口は小さく回復が速いのは人間も同じだが、腹腔鏡も開腹も麻酔のリスクは同等で否定できない。今のところ肝臓がんを示す具体的な所見はないが、かと言って「原因は高脂血症」と断定することもできない。

ルーシーに麻酔のリスクを負わせ、痛い思いをさせてまで、するべきことだろうか?