今年最後の、東京


わたしが、東京を出たのは
もう、7年も前のこと
あれから、東京はわたしにとって
友人たちに会う街になった

東京から、すこしずつ自分の生活の匂いが消えていくのを
ずっと、せつなく思っていたけれど
いまは、この落ち着かなさを、
すこしは、愉しむことができる

なつかしさと、寂しさ、まっさらな気持ちが
あざやかに入り乱れる、場所


青い河川敷と、鉄橋をゆく電車
山茶花が落ちる公園に響く、鳥の声
昔ときどきチョコレートを買った、お菓子屋さん
煌びやかなデパート、ずっとありつづける喫茶店

わたしなりの、東京
その美しさを、胸のなかに、そっと留める



きのうは、大学時代からの親しい友人たちと
大宮にある、鉄道博物館へ行ってきた
大人5人に対して、子供が4人
4歳の双子兄弟と、4歳、1歳の姉妹だ

友人たちも、結婚したり、子供を持ったりして
遊びかたは、ずいぶん変わったけれど
会えば、変わったのは遊びかただけだと思える

わたしたちは
案外、変化に強いのだった

しかし、子供たちに、すべてのエネルギーを吸い取られ
一晩眠りに眠っても、フル充電にはならず
いやいや、本当に、母ってすごい仕事だね



次に東京へ行くのは
きっと、春

まずはそれまで、どうか皆、健康で愉しい日々を
それ以上の願いは、ないよ