輸入手続と棚卸、通販の仕事の一日
窓際の、あまりの寒さに
ヒーターの近くまで、足をのばす

段ボールで傷だらけの手は
屋内にいるのに、かじかんでいる
なんだか、ちょっとさみしい感じじゃないの、と思うけれど
それでも、ここにいる時間が、わたしは好きだ

スピーカーから、Elliott Smith
アコースティック・ギターの音に、目を閉じる


唐突に鳴った電話の相手は
いつもと、違う人
たぶん、もうすこし上の立場の人なんだろう

つまり、新しいトラブルが起きて
うちには責任はありませんよ、ということを
遠回し、遠回しに、喋っていた

どのみち誰も責任を取ってくれない案件だな、と諦めて
はい、大丈夫ですよ、と、なるべく温かく口にする
すくなくとも、彼女が何かをしたというわけではないのだ



12月は、短い期間で
遣る瀬無いことが、本当にたくさんあった
ひとりが、これくらい言ってもいいだろうと思うことは
多くの人が言うことだというのが、よくわかった月だった
不思議なくらい、相手を煩わせる言葉には、バリエーションがない

でも、ねえ
怒ってもしょうがないし、怒るわけにもいかないし
自分にとってなにが大事かを、考えたうえで
黙ったり笑ったりするのは、きっと悪くはないでしょう

とはいえ、来年は
もうすこし傷つかないように、
逃げ足早く、ありたいものだけれど


まあ、そんなことを言いつつ
今年はまだ、あと、10日ある

おわりよければ、すべてよし
愉しく働いて、愉しく遊んで
ちゃんと、よい年を迎えたい