ありのままに生きる

社会不適合なぼっちおやじが、自転車、ジョギング等々に現実逃避する日々を綴っています。

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

 良い天気の一日だった。朝は団地の草刈りに参加して(自宅の庭の草刈りもしないのに...)、午後は少し車で走ってきてから昼寝して読書した。


量子力学の冒険

量子力学の冒険

トランスナショナル カレッジ オブ レックス編 「量子力学の冒険」

第三話 <W.Heisenberg> 「量子力学の誕生」メモ


量子力学をつくる


・nが小さくてもスペクトルの強度「遷移の回数×光の粒1個のエネルギーhν」を
 求められる方法をつくる


古典力学との対応を見る>

・nが大きい時には、古典力学でスペクトル強度を求めた。


 電子の位置を表す複雑な波の式

   q=Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


 を単振動の運動方程式

   q''+kq/m=0


 に入れて解き、振幅をnの関数で表すためにボーアの量子条件の式

   ∫pdq=nh 


 に入れて解くと「スペクトルの強度」が求まった。


古典力学でnが大きい時にはスペクトル強度が求まるので、古典力学の大枠は正しい。

  Newtonの運動方程式 + Bohrの量子条件

  q''+kq/m=0     ∫pdq=nh 


古典力学の考え方を量子力学では以下のように考える。

  「光は波である」⇒「光はhνというエネルギーを持った粒である」


 古典力学
  「nという軌道を回っている時にでる光のτ回うねりの単純な波の振動数ν(n、τ)」

  ↓

 量子力学
  「nからn−τへ遷移したときに出る光の振動数ν(n;n−τ)」


  古典力学「ν(n、τ)」 ⇒ 量子力学「ν(n;n−τ)」


・光の振幅について考える。

・Einstein の発見により、スペクトル強度は「遷移の回数×光の粒1個のエネルギーhν」


 古典力学:スペクトル強度=光の波の「振幅Q(n、τ)の2乗」

  ↓

 量子力学:スペクトル強度=√(遷移の回数×hν)=Q(n、n−τ)



  古典力学「Q(n、τ)」 ⇒ 量子力学「Q(n;n−τ)」


古典力学ではτ回うねりの単純な光の波(フーリエ成分)を

   Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


 と表したので、量子力学では、

   Q(n:n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


 となり、これを遷移成分と呼ぶ。


古典力学では、複雑な波は単純な波のたし合わせで表せるので、

   q=Σ[τ]Q(n、τ)e^i2πν(n,τ)t


 となり、量子力学では次式となる。

   q=Σ[τ]Q(n:n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


古典力学の場合、複雑な光の波qは、電子の「位置」の時間変化を表す。
 (電子は回りながら光を出す)

・量子は軌道から軌道へ遷移する時に光を出すため、その電子がどのような道筋を通ったか
 わからず、遷移成分のたし合わせの量子のqは「電子の位置を表さない」。


・量子の場合、qは位置を表さないので、1階微分、2階微分古典力学と同様の扱いは
 できない。

・nが大きい場合についてもqは「位置」を表していなかったがF=mq’’で正しい解が
 得られたので、nが小さい場合もF=mq’’へ代入して計算する。


量子力学で単振動を解く>

古典力学の時と同様、単振動の運動方程式

   q''+kq/m=0


 にqを代入して解く。


   q=Σ[τ]Q(n:n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t


・次式が成り立つ場合を考える。

   Σ[τ]4π^2(ν^2ーν(n:n−τ)^2)Q(n:n−τ)e^i2πν(n;n-τ)t=0


・「ν^2ーν(n:n−τ)^2」か「Q(n:n−τ)」のどちらかが0。


・τが1の時「ν^2ーν(n:n−τ)^2」が0になると決める。

   ν^2ーν(n:n−1)^2=0


  上式より、

   ν(n;n−1)=ν


 となり、その時の振幅Q(n:n−1)は0ではない値を持つ。

 また、τ=2、3、4、・・・の場合「ν^2ーν(n:n−τ)^2」は0ではないので、
 その時Q(n:n−τ)は0になる。


・「−ν(n;n−1)=−ν」の場合を調べる。

量子力学の場合、振動数は整数倍ではないため、古典力学の場合とは異なる。


・Rydbergの式から考える。

    ν=Rc/m^2−Rc/n^2


 「nという軌道からmという起動へ遷移した時の振動数」なので、「nからn−τへ遷移
 した時の振動数ν(n;n−τ)は、

   ν(n:n−τ)=Rc/(n−τ)^2−Rc/n^2


 となる。


・この式で−ν(n;n−τ)がどうなるか考える。

   −ν(n;n−τ)=−(Rc/(n−τ)^2−Rc/n^2)


            =Rc/n^2−Rc/(n−τ)^2


・Rydbergの式と比較すると、上式はν(n−τ;n)、「n−τからnに遷移した時の
 振動数」となる。

 ⇒量子力学の場合、単振動にマイナスがつくと「逆遷移」になる。


・以上より−ν(n;n−1)は、

   −ν(n;n−1)= ν(n−1;n)


 となる。


・単振動の場合、

   「nからn−1の振幅Q(n:n−1)」
   「n−1からnの振幅Q(n−1:n)」


 のみ値をもち、あとの振幅は全て0でなければならない。


・そして、

   「nからn−1の振動数ν(n:n−1)はν」
   「n−1からnの振動数ν(n−1:n)は−ν」


 となる。



・単振動の振動数 ν(n;n−1)=νはnに関係なく1コ内側の軌道に遷移した時には
 すべてνとなり、ν(n−1;n)=−νも1外側の軌道に遷移した時にはnに関係なく
 すべてーνとなる。

  ⇒「n−1;n」は「n;n+1」と書いても同じ


<まとめ>

   Q(n;n−1)≠0
   Q(n;n+1)≠0
   Q(n;n−τ)=0 (τ≠±1)
   ν(n;n−1)=ν
   ν(n;n+1)=ーν


・Bohrの量子条件の式∫pdq=nhを使って量子力学の振幅Q(n;n−τ)をnの関数で
 表す

古典力学の場合と同様の計算を行い

   |Q(n;n−1)|^2=nh/(8π^2 mν )


 となる。


・単振動の場合には問題が単純なので、古典力学で求めた単振動の振幅と量子力学
 求めた単振動の振幅が似たものとなる。