如星的茶葉暮らし別館

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2008-06-04-水

ひまわり概況雑感:水の惑星は静かに泣く

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プラネタ・アクア・ジェントリィ・ウィープス。これは単にホワイトアルバムビートルズからの語呂合わせではなく、「ひまわり」という作品に如星が持っている感情を端的に表したものだ。まだネタばれに踏み込んだレビューも、書きかけの短編も仕上がってない状態だけど、ちょっと閑話に寄り道して、ひまわり周辺の概況にメモを残しておこうと思う。

現状認識

きっかけは、この辺りで「皆次のひぐらしを探している」というフレーズに出会ったこと。まぁ良くある話といえば話だし、こちらの「流行る流行らないの議論が滑稽であること」、元日記の「結局は作品が面白いかどうか」という、実に妥当な結論に加えることはあまりないのだけど、自身同人作品を作る身として、ちょっとした雑感を書き加えてみよう。

まーまずそもそも、現段階を以って「同人販売業者の思惑」を考えるのはちょっと先走りすぎかな、と。所詮特設ページなんて作るのは限りなくタダに近く、また各社トップに大リンクを常設でもしない限り、効果もその辺のブログと大差ない代物(大体、各業者の特設ページを業者のページから見つけたユーザーがどれ程いるのやら)。中身もまた、虎辺りの微妙にハズした推薦文が「ひまわり」の人気に貢献できるとも思えないし:) もし彼らが「本気」であれば、まずは実店舗のディスプレイで強烈アピール、如何にも「既にブーム」のような見せ方を組むモノだけど、例えば秋葉の虎本店辺りじゃ、そもそも売り場を探すのに一苦労した記憶があるぐらいだ(苦笑)

実際、同人販売業者がトレンドを作ろうとする時の「えげつなさ」ってこんなモノではないので。実体以上にジャンルを膨らませて見せる店頭展示や煽りはご存知の方も多いのでは。更には流行らせたいジャンルの作品が「足りない」時には、顧客サークルに「製作依頼」を掛けてまで量や幅(キャラ方面等)を広げたりするほど。この話は同人発祥のジャンルに限らず商業二次でも一緒。

またネット方面の言及も、はてな界隈を中心として未だ「じわじわと」の域を出ない領域。大手ニュースサイトの言及が爆発的に言及数を増やした様子も見受けられず、妙な「流行らない議論」を繰り広げてるのも冷静に見れば片手か両手で足りる程度のブログだったりと、まぁ生温かく見つめていればいいレベルである。

ひまわりという「小さく生んだ」作品

ひまわりは、確かに面白い。各所の感想を見れば、ひまわりという作品が一定の力を持っていることには(流行らない論者であれ)あまり異議は無いだろう。如星の主観としてももちろん、例えば日記経由の宣伝ではなく友人数名への直接布教活動の結果、決して日頃からギャルゲをこなしている面々ではないにも関わらず、購入&アクアさん撃墜率が100%(主よ、アクアかわいいよアクア)なのには驚いた。

ただ、それが「静かな面白さ」とでも言うべき類の魅力である点は、忘れてはならないと思う。実際、ひまわりは「小さく生んだ」作品だ。余計な厚みに手を出さず、主題を語りきるのに必要なだけの立ち絵、イベント絵、音楽、そしてシナリオ自体を揃えた感がある。

そういえば大ブームになる作品の一つのポイントとして、考察厨を始めとした議論好きを満足させるだけの緻密で膨大な世界観と謎残しという、個人ブロガー時代ならではの要素があると思うのだが、「ひまわり」のテキストボリューム、そしてシナリオの造りにそれはない。それは決してシナリオボリュームが「少ない」のでも「足りてない」のでもなく、「ひまわり」がこのボリュームで十分に語りきられているからだと思う(「エピローグ」が次回作示唆だという意見に否定的なのはこの辺も理由)

爽やかな読後感を持つ物語を、ただゲームという媒体を通じて語りきりたい。1000円という手の出しやすい価格設定、それで無理の来ない製作人数(なんと2名)やボリューム、そもそも同人としてはゆっくり時間を掛けてのリリースに、如星は創り手・ごぉ氏のそんな声を聞くような気がしてしまうのだ。

実際、作り手の彼らは、とても静かだ。リリース後のハイテンションでスタッフ日記を更新しまくる、ある意味同人やギャルゲハウスの日常風景もそこにはなかったし、少々話題に出た最近でもそれは変わらない。サルト・フィニート風に言うなれば「出せる物を出し、すこぶる満足している職人」。そんな彼らを見ていると、流行るの流行らないのという議論はますます滑稽に思えてくる。

こうして「小さく楽しく生まれて」いる作品だからこそ、如星はかなり気軽にこの作品を他人に勧められるし、勧められた側もひょいとやる気になっている気がする。もちろん小さくともシナリオの裏には気軽の線に留まらない深みがあるし、結果として大きく育つかもしれない。でも、ひまわりの魅力がその規模感にあるというのは、贔屓の引き倒しだろうか。プラネタ・アクア・ジェントリィ・ウィープス。俺たちのアクアは、俺たちの脳内で静かに泣いている。陽一にはやらん。

おまけ:完全なる妄想の領域

この先に書くのは如星の完全なる妄想の領域なので注意。8割ネタ。

そもそもこの「ひまわり」は、意図的に大きく当たらないよう作られている……そんな気がしている。これだけのシナリオを組み、意図をブレさせずにリリースできた人物が、例えば作品名も、主ヒロイン両名も、ぐぐるに優しくない名前であることに気づいてないとは思えないんだよなぁ……。一般名詞であったり、萌え産業内に同名ネタがいくつもあったり。今時地味に関連記事をリンクで追って情報を集めるのは第一次ファンまで、後はひたすらぐぐるでダイヴインしてくる人間が続くわけなのだが……。

あるいは、あくまで「ロリっ娘宇宙人同棲ADV」と言い張るのも、パッケに2周目以降の匂いが一切ないのも、それで手にとった人間にカタルシスを味わって欲しいという意図のほうが見えてくる。繰り返すけど、作品規模自体が「大きく当てる」ように作られてないので、逆にそういう遊びをくりくり詰め込めると思うのよね。

そしてこれは本当に邪推なのだが……。ひまわりへの応援スタイルとしてはこの辺りにとても共感する一方で、実は実績としては既に「十分」かも、と思う節はある。──もしごぉ氏が次回作構想を掲げ、更に規模や質の拡大のためスタッフを密かに求めた場合、「ひまわり」という「口コミで話題にもなった良質の作品のトータル製作経験」という「実績」は恐ろしく効いてくる。往々にしてシナリオライターが主導して始めるゲームサークルの最大の障害は、その主導者にシナリオ以外の実績がなく、チームの信頼を得られずビジョンで納得もさせられず、一つの「意図」に向かって製作をまとめ上げられない点にあるのだから。──ぶらんくのーとの「次回作」には、密かに期待している。

レビューその2に続く。

http://luxin.blackcats.jp/diary/200806a.html#d06040

hasidreamhasidream 2008/06/05 02:52 あ、なるほど、創作者視点から見るとたしかに「十分な実績」ともいえますね。なるほどー、ふだん消費者のぼくからは出てこない考えでした(笑)。あえて今回の作品(ひまわり)がスマッシュヒットする必要は必ずしもなくて、じわじわ広がって次回作がより面白ければ(なかなか難しそうですがw)必然的にヒットするかもなんですね。というか、次回作作っているんだから、ある意味杞憂で終わった話ですね(笑)。

luxinluxin 2008/06/05 19:56 いやまー、これは完全に邪推です:)
ただ少なくとも、ごぉ氏はこの作品を世に送り出し、一定の評価を得たことで二つの選択肢を持てたことになると思うんですよ。邪推にせよ上に書いた全力投球の道も、あるいは静かに作りたいものをゆっくり作る道も。前者も別に大作狙いとは限らず、小さく綺麗にまとまった作品をより短いリリース間隔で出す方法もアリですしねー。
個人的には、手を出しやすく、尖ったモノも作りやすい小粒路線の質の拡大路線に期待するのですが:) 今スタッフ日記に書かれてる「次回作」は、とても軽いとご自身がいうようにリハビリ的な存在で「本当の次回作」ではないと思いますが、一つの試金石になるかも。

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