如星的茶葉暮らし別館

神慮の機械日記、お相手は維如星にて。
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2008-07-05-土

SFという絵とオルタのコード

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昨日公開したオルタ小説「チキン・ダイバーズ」、意外にも「オルタを知らない」という方にも読んでもらえていたようで嬉しい限り。「再突入は漢のロマン」を文章にしたことで、映画的な雰囲気を味わっていただけたとか(感想くれたのは女性ですが!)

「SFは絵だ」という名台詞もあるぐらいで、やっぱりSF的な書き物(先日のアレをSFと名乗るのは流石にちとおこがましいw)の役目の一つは、驚異的な「映像」をセンス・オブ・ワンダーの一つとして読者の眼前に展開することだと思うので、書いた物がオルタ色を除いたとしても一応「絵」として機能してるようなのは素直に嬉しい。まぁこの面はまだまだ精進あるのみだけど。

またその一方で、原作で一切スポットの当たらない人物を描いたにも関わらず「オルタの空気が出ていた」というコメントをくださった方もおり、こちらは二次創作屋としての喜びそのものである。公開時の日記でも少し触れたけど、逆にいえば「オルタ」という世界観はキャラに依存しない空気を原作自体が持っているってコトでもある。背景世界と、そしてそこに留まらない「オルタのコード」とでも呼べる鉄則を持ち込むことで、色んな断面で切り出した物語が立派に「オルタ」になり得るということだ。それこそ、オフィシャルの「トータル・イクリプス」はその代表格だろうし。あとこの辺りの文字通り「脇役」の短編集は二次創作だけどかなりお勧め。

ただ、オルタのコードが何か、という辺りはまだまだ読解が必要かも。SF・仮想戦記的世界観という「背景世界」とは別に、人間の覚悟というか、役割(ロール)に落とし込まれた時の人間心理というか、その辺りが核だとは認識してるのだけど。

例えば、月姫Fateを始めとする奈須世界のコードは魔術や魔法といった背景世界側ではなく「厳密なまでに適用されるルールと因果」だと思っている。式の殺人、志貴を巡る因果、決して人を救えないキャスター、環を作る切嗣と士郎──二次創作を書く上では背景世界にばかり目に行きがちだけど、むしろ「奈須世界のコード」として重要なのはこの「ルールと因果」であり、これを押さえることで「奈須世界の空気」が出る。

逆にToHeart2については、「原作キャラを出さずに」TH2を描き出すのは不可能に近い。あれはやっぱりキャラゲーでしかないんだと思う。平凡な世界の恋愛モノでも、例えば「必ず家族愛が絡む恋愛」がテーマにあるとか、あるいは「全てのシナリオの根幹に絡む外部ガジェット」なんかがあれば、いくらでも世界を広げられると思うのだが、TH2にはそれが無い。ゆえに、TH2ADなどでも「既存キャラをベースに登場キャラを増やす」という方向でしか作品を増やせない。これは商業的に考えてもリスキーだと思うんだけどねー。

さておき。奈須世界と同じように、オルタにもオルタのコード、「これを押さえれば」という物語作りのツボがあると思うのだが……ぼんやりとは見えていても、より人間臭い舞台での展開だけに、正確な把握はさらに難しそうだ。ま、奈須世界も世界観いじりだけで楽しいのと同様、オルタ世界も世界観の外縁、まさに「SFとしての絵」を描くだけでも十分楽しいんだけどさ。

http://luxin.blackcats.jp/diary/200807a.html#d07050


ラム:Saint James "Fleur de Canne"

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先日久々にぷく氏と岩牡蠣を食いにTokyo Oyster Barへ。きっかけが先日はてダに転記したヴェネツィア話だったのが面白い。そう、つまり私はもう一年ヴェネツィアに行っていないのだ……というのはさておき、今日の本題はその後河岸を変えた先、Tafiaでのラムの話。

日記を見ると、実は去年も五反田の後にこのラムまみれのカフェに足を運んでいる。店の詳細な感想は前回の日記を見ていただくとして、本当にいい店なんだけど場所が場所で行きづらく、こうして少しでも近場に来たときを逃さないようにしてる自分に気がついた:) ラウンジ、夜カフェのノリで、しかし出る酒はあくまで真面目なラムばかり。近場にあったら確実に入り浸ること請け合いの店である。

今日試した中での白眉はセントジェームスの「Fleur de Canne」、訳すなら「キビの花」ってところか。前回同様ホワイトラム、それも樽熟したのを濾過して色を抜いたものではなく、ステンレスタンクで熟成させた物の一つだ。こうする事で樽の香りが一切つかず、モルトで言うなら穀物っぽさ、つまりラムならサトウキビの炭水化物の味わいが強く残った酒になる。当然、元のサトウキビの質に出来栄えが依存するわけで、必然的に廃糖蜜ではなく搾り汁から作る「アグリコール」になる。さらにこの酒は「花」と冠されているように、セントジェームスのサトウキビ畑の中でも「何故か上質のキビが育つ一角」のサトウキビだけで作った代物らしい。──嫌味の無い、トロリとした甘さ。どうしても「穀物っぽさ」と呼んでしまう、炭水化物の醸された舌触り。前回も別のホワイトラムを飲んで「グラッパのようだ」と言ったけど、これはさらに雑味の無いフルーティーな味わいだ。ブドウというよりは、変な言い方だけどバナナを綺麗に酒にしたような、そんな果実味と透明感のある酒だった。

もちろん、樽熟は樽熟で別の旨みがある。むしろ一般にラムと言われて浮かぶのはそっち、あの黒砂糖めいた深みの甘苦さを持つ酒だろうし、なんとなく樽で長期熟成された酒の方が「良い酒」というイメージもあるかもしれない。でも実際には、それは本当に個性の差に過ぎない。熟成の期間ですら、長い方が「良い」ワケじゃない。長期には長期の、若いのには若いのの旨さがあり、その差を楽しむためにわざわざ「熟成」という手間を掛けてるのだ。手間が掛かってるから高いけど、その高さは「高いから旨い単体の酒」を作るためのコストというより、「酒の多様性を維持する」ためのモノだと考える方が良いかもしれない。

どうも「洋酒」という大雑把なカテゴライズで、日本人にはあの「茶色く辛い酒」というイメージが蒸留酒には付きまとってる面がまだまだある。そういう人にこそ、是非こんな酒を試してほしい。……声さえ掛けていただければ、いつでもご案内します:)

http://luxin.blackcats.jp/diary/200807a.html#d07051

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