2008-11-13

ノルウェーのパワーポップバンドThe Yum Yumsの6年ぶりのアルバムが発売されるという事で、Vibeke Saugestadのソロアルバム『World Famous Hat Trick』をご紹介。
そのジャケットやPVからも滲み出ているように、60年代のガールズポップを下敷きにはしているんですが、その声質がBlondieのDeborah Harryに似ている事やそのコンセプトも含めて、何だかBlondieがパワーポップやっている様な音楽になっているのが非常に懐かしくもあり、微笑ましくもあります。とはいっても、その音楽自体も非常に良く出来ていて、これだけ正しくガールズポップの要素を昇華しているアーティストってJosie Cotton（『Convertible Music: From the Hip』は一家に一枚の必聴盤）以来現れていなかったと言っても決して言い過ぎではないかも。
Vibeke Saugestadの『World Famous Hat Trick』にはThe Yum Yumsの中心メンバーであるMorten Henriksenはもちろん、他のメンバーも参加してたりするので、The Yum Yumsの別プロジェクトの意味合いもあるだろうし、このソロアルバムの発表がThe Yum Yumsのアルバムに良い形で繋がったのではないだろうかと思います。あと『World Famous Hat Trick』はVibeke Saugestadのソロアルバムという形を前面に打ち出しているもののVibeke Saugestadがお飾りにならずにバンドとしてもしっかりと機能している事が大きくて、しっかりしたバンドサウンドがあるからこそコンセプトが引き立つという好例。そして元々The Yum Yumsが曲が書けるバンドだけに、ちょっと前に流行ったPipettesやLucky Soulなんかより曲の粒自体が揃っているのも嬉しいところ。