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2006-12-15 (金)

著作権保護期間のことがサッパリ分からないので教えてください

| 14:55 | 著作権保護期間のことがサッパリ分からないので教えてくださいを含むブックマーク

著作権保護期間の延長問題 -- 僕、まったく無知でして、http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20061213/256601/ を読んだだけですけど。

死後50年では著作者の親族はまだまだ健在」という見出しのところにある次の発言:

「(若死にした太宰治の)未亡人や娘の作家・津島佑子さんはまだまだご健在。津島さんは今後40年は生きるでしょうから,30年以上も著作権が切れた状態で生きていくことになる」(三田誠広氏)。


「(年若くして倒れた)先人たちの遺族から『私の主人の著作権はあと数年で切れます』と訴えられたら,どんな気持ちがすると思いますか」(松本零士氏)


「著作権は個人の権利であり,個人の権利を平均値で語ることはできない。慎重な議論というが,議論しているうちに著作権が切れる遺族が出てきてしまう」(三田氏)

うーん、まったくサッパリ理解できない。


問題点はなんなの -- 著作者/作品の名誉に関すること? 遺族への経済的な支援のほう?

仮に遺族への支払い期間が問題なんだとすると、こういうことか; 27歳の作家が作品を残して死んでしまって、奥さん25歳、子供が1歳としましょう。彼の死後、作品はよく売れて、末永く読まれ続けるとしましょう。45年後、奥さん70歳、子供は46歳。

奥さん:「私の主人の著作権はあと数年で切れます。」
子供:「これから30年以上も著作権が切れた状態で生きていくことになる。」

奥さんね、そんなことはずっと前からわかっていた事でしょう。普通の人なら、死んだらすぐに給料入んなくなるんだからね、それに比べたらご主人の作品は50年も稼いでくれるんだから、それでいいんじゃないの。保険とか年金とかもあるんだし、息子さんもいるんだし。

そして、ご子息。あんたねー、顔も写真でしか知らないオトウチャンに、これからまだ30年も頼って生きていくつもり。もういいかげん自分で働いて、オッカサンの面倒みろよ!

と僕は思うが、いくらなんでも三田さんや松本さんがそんなバカなことを主張するとも思えないし。どんなハナシよ? これ。

shariasharia 2006/12/15 17:06 でたらめにみえることは解消できないのですが、親族が著作権管理人として生計を立てている場合はあります。

親>一生懸命著作物を創作する。
子>そのバックアップとして、エージェントになり、出版社などの依頼や著作権管理を一手にさばく。

こういうケースは、子供が報われないかなあと。

atat 2006/12/15 20:14 > こういうケースは、子供が報われないかなあと。

「主役」が死んだらエージェントが稼げなくなるのはとても自然な事に思える。
「主役」の突然の死によって即座に失職するならば気の毒だと思うが、
「主役」が失われた後何十年も、
エージェントで食える事を保証する理由があるだろうか?

スポーツ選手の場合を考えてみたらいい。
どのような形であれ、選手が現役を退いたならば、
代理人やトレーナーや栄養士は、その選手とのビジネスを失う。
それは報われない事だと?

shariasharia 2006/12/16 08:58
>「主役」が死んだらエージェントが稼げなくなるのはとても自然な事に思える。

 想定していた反論ですが、この辺よく考えると微妙さがみえるとおもいます。

 1.子は著作権という財産権を承継することが予定されている。
 2.エージェントとして食いたいという要望が著名著作者の子息にあるとは思えない。
 3.しかし、相続上、財産管理をしないと、強欲な出版社などに好き勝手にされるので、弱い著作権者としては、管理をせざるおえない。
 4.こういったエージェントのおかげで、原作の映画化などが出来ているのは事実。つまりいないと、交渉さえ出来ない。

 著作権はお金のつながりでは任せられない側面があるのでしょう。
 著名な画家の場合は、血縁関係者が「所定鑑定人」となることで、ある程度著作物の管理が出来る状況にあります。
 まあ、著作者に言わせれば、
「自分の墓が、死後に暴かれない保障がどこにあるのか。誰が墓を守るのか」
 という問題でしょう。

 この辺に踏み込めないで議論している人々は、勉強不足過ぎてあきれてしまうのですが・・・。

sodasoda 2006/12/16 16:49 どうも私は勉強不足のようで、さっぱり分からないので教えてください。

> 3.しかし、相続上、財産管理をしないと、強欲な出版社などに好き勝手にさ
> れるので、弱い著作権者としては、管理をせざるおえない。

好き勝手と言っても、単に著作権料なしで出版されるだけですよね?
作者の死後50年もたてば、別に問題ないんじゃないんでしょうか?

2. から「子には、エージェントとして食いたいという要望はない」ということ
ですから、お金の問題じゃないんですよね。
だとするとなぜ50年を70年に変更すると問題が軽減するのでしょうか?
理由が分かりません。教えてください。

> 4.こういったエージェントのおかげで、原作の映画化などが出来ているの
> は事実。つまりいないと、交渉さえ出来ない。

え、そんなことはないのでは?
ロメオとジュリエットは何度も映画かされてますが、シェイクスピア作品に、
今でもエージェントがいますか?
保護期間が短ければ短いほど、むしろ過去の優れた作品に、再び日が当たる
可能性が増えるのでは? なにしろ交渉なしで映画化できるようになるわけ
ですから。

shariasharia 2006/12/16 19:10
>> 3.しかし、相続上、財産管理をしないと、強欲な出版社などに好き勝手にさ
>> れるので、弱い著作権者としては、管理をせざるおえない。

> 好き勝手と言っても、単に著作権料なしで出版されるだけですよね?
> 作者の死後50年もたてば、別に問題ないんじゃないんでしょうか?

 やっと難しいところに入ってきました。
 ここがみんなこんがらがっている。
 分割して考えたほうが良いです。

> 好き勝手と言っても、単に著作権料なしで出版されるだけですよね?

 違います。致命的な人格権侵害です。しかもフリーライド。強者が弱者の生産物を搾取するという最低の状況です。さらに著作権がなくなればこれを防ぐ手立てすらない。現金は銀行に預けておけば盗まれる可能性はかなり低くなりますが、知的財産は、泥棒を防ぐ手立てが知財法以外にない。まずここ。

> 作者の死後50年もたてば、別に問題ないんじゃないんでしょうか?

 旧法は死後20年で、そこから50年に延長されたとまず背景を見ます。
 20年では何らかの問題があったと考えられます。
 欧米は50年から70年に移行、つまり何らかの問題があったわけです。
 では、日本では問題があるのだろうか? 具体的にはどのケース?
 が正常な流れです。

 その想定されるケースのひとつを例示したまでです。
 それがバランスが良いかどうかは分かりません。
 ただ、発言者の論理がおかしいから、70年はおかしいは、おかしい。
 著作者が圧力を掛けるのはおかしいし、利用者が圧力をかけるのもおかしい。

 両者の利用状況を見て、統計的に判断が下されると思われます。
 →最近の知財法の改正はこんな流れできています。
  意匠権法の期間延長は、まさに統計的判断。
  平成18年改正法解説書を参照。

 すこし先走ると、
 文化庁が利用状況を把握していない。
 →把握するための仕組み構築が先。
 →これが今検討されている。
 →その後利用状況を見て、期間延長検討。
 →つまり、期間延長問題は、今、語っても意味がない。
 →しかも、このイニシアティブは文化庁。
 →論理でない。利用状況は統計以外にありえない。

 ナンセンスで、非生産的なのです。
 著作者側のアクションが最悪手であった、とわたしは思います。

> 2. から「子には、エージェントとして食いたいという要望はない」ということ
> ですから、お金の問題じゃないんですよね。
> だとするとなぜ50年を70年に変更すると問題が軽減するのでしょうか?
> 理由が分かりません。教えてください。

 著作者側に、なんらかの問題が発生しているということなのでしょう。
 もちろん、わたしも利用者なので、納得のいく救済すべき具体例が提示されない限り、利用者の反発は収まらないと考えます。
 著作者側の最悪手ですから、挽回手は向こうにしかない。
(うーん、答えてないですね・・・)
 記事を見る限りは、太宰治の未亡人が承継した人格権を、守る手立てがなくなる、という例示がされています。50年から70年に延長すれば、少なくとも未亡人の承継した人格権が侵害される可能性は少なくなります。

 著作者は著作者の周辺で起こっている問題しか見ていません。
 利用者のことなど考えていません。
 著作者が見ているのは対出版社であり、対利用者ではありません。
 著作者の生産した著作物を、何の関係もない、お金がほしいだけの配慮も何もない金儲け会社の勝手な利用を防ぎたいだけであり、一般の利用者を見ているわけではない。

 これが映画の著作物に代表される法人著作物になると、また議論が変ります。
 (ごちゃごちゃしすぎていて、イヤになるのですが・・・)
 この辺が整理されていないので、めちゃくちゃに見えるのです。
 (つまりこの70年が人格権があまり意味のない法人著作まで適用されたりするんですね・・・)
 細論はけっこう筋が通っているかと思います。


>> 4.こういったエージェントのおかげで、原作の映画化などが出来ているの
>> は事実。つまりいないと、交渉さえ出来ない。

> え、そんなことはないのでは?
> ロメオとジュリエットは何度も映画かされてますが、シェイクスピア作品に、
> 今でもエージェントがいますか?
> 保護期間が短ければ短いほど、むしろ過去の優れた作品に、再び日が当たる
> 可能性が増えるのでは? なにしろ交渉なしで映画化できるようになるわけ
> ですから。

 ゲド戦記。
 タイムマシン。
 タイムマシンがらみで、スティーブン・バクスターのタイムシップ(小説)。
 フィリップ・K・ディックは誰が管理しているのだろうと思いつつ、ディック・フランシスは息子がエージェントです。
 検索すればいくらでも出てくるはず。
 こういった人々の働きを軽視するのは失礼です。

 ゲド戦記はル=グウィンの息子の活躍が大きかった。
 作者本人は映画をぼろくそに言ってますが、息子が親をなだめつつ、交渉をしているわけです。親の作品が不当に歪められる恐れのない創作者を選択でき、しかも自己で契約の責任をとることも出来ます。
 これがジブリ単独の勝手な行為だったらどうでしょうか?
 果てしない争いになります。

 繰り返しますが、知的財産は容易に侵害が可能で、だれにでも出来ます。
 シェイクスピア作品は異様に詳しいのですが、シェイクスピア自身が侵害とも言える模倣行為で成り立っていた天才であることをまず述べておきましょう。
 しかし、文化の観点で見ると、一見正しい主張も、経済の観点に立つとおかしくなる。
 この辺はジェネリック医薬品をめぐる特許法上の争いが参考になります。
 莫大な開発費を投じて発明した医薬品会社、それにタダ乗りする、後発医薬品会社。
 この利害関係をどう法で調整するか、の問題なのです。

 ル=グウィンは裁判を起こしたでしょうか?
 なぜ争いにならなかったのでしょうか?

 公正な秩序というのはそういう事なのです。

oskimuraoskimura 2006/12/16 19:51 死後の著作権保護期間が切れていれば、
エージェントに相談する必要もなく映画化できると思います。

shariasharia 2006/12/16 20:38 >死後の著作権保護期間が切れていれば、
エージェントに相談する必要もなく映画化できると思います。

 それはフリーライドです。
 映画化する人間が不正に他人の創作物を利用しています。
 著作者に痛みはなくとも、利用者は不正です。
 たいした努力もしてない映画会社が、無限に増えるだけです。
 この辺は、特許法概説を参照。
 知財法が制定されてから100年近くたちますが、無駄に人々は議論していたわけではないですよ?
 勉強してください。

sodasoda 2006/12/16 22:46 > > 好き勝手と言っても、単に著作権料なしで出版されるだけですよね?

>  違います。致命的な人格権侵害です。しかもフリーライド。強者が弱者の生
> 産物を搾取するという最低の状況です。さらに著作権がなくなればこれを防ぐ
> 手立てすらない。現金は銀行に預けておけば盗まれる可能性はかなり低くなり
> ますが、知的財産は、泥棒を防ぐ手立てが知財法以外にない。まずここ。

ここに根本的な認識の違いがありますね。
私は sharia さんが搾取だと感じているものを、搾取だとは思ってないんですよ。
どんな著作物も、実はその作者単独の力で成立したものではなく、過去の蓄積と
いう土台の上に成り立っているわけですから、作者の死後50年もたてば、フリー
ライドおおいに結構、どんどん再利用して土台として使ってくださいというのが、
幸せな姿だと私は思うんですね。

今や、シェイクスピアの作品を元にしたり、大幅に改変した著作物が沢山あります。
その中にはもちろんシェイクスピアの意に沿わぬものもあるでしょう。
そういう作品は世の中から抹殺すべきなのか?
私の意見は全く逆です。
数多くの亜流、中にはレベルの低いものもある、そういう状況から、より素晴ら
しいものが生まれるんだと思います。

>  ゲド戦記。
...
>  ゲド戦記はル=グウィンの息子の活躍が大きかった。
>  作者本人は映画をぼろくそに言ってますが、息子が親をなだめつつ、交渉をしているわけです。親の作品が不当に歪められる恐れのない創作者を選択でき、しかも自己で契約の責任をとることも出来ます。
>  これがジブリ単独の勝手な行為だったらどうでしょうか?
>  果てしない争いになります。

面白いですね。
実は、私も前のコメントを書いた時にゲド戦記のことを考えていました。
しかし、同じ例から導き出された結論は、sharia さんとは全く逆です。

ル・グィンの例は、二重の意味で、sharia さんとは反対の結論を導くもの
だと思います。

a. 50年を70年に伸ばしても、まったく問題は解決しない。
なにしろ、作者の死後どころか、作者の生きている間でさえ、意に染まぬ
二次著作物が何件も現れているわけですから。ゲド戦記は映画だけでなく
アメリカでのTV化でも問題が起きてました。

b. sharia さんの論点は、子孫が著作権を相続するため、本来の著作者が
存命中であっても、本来の著作者の意思に反して、映画化が可能になると
いうものだと私には読めます。
しかし、これを著作権を70年にすべき根拠として使うのは無理だと私は
思います。
なぜなら、たとえ子孫が著作権を全く相続しなくても、同じことが可能に
なるからです。
仮に、70年ではなく0年、すなわち、子孫が著作権を相続しないと仮定して
みましょう。この場合、本来の著作者の存命中に、映画化は起きやすくなる
でしょうか。起きにくくなるでしょうか?
答えは「起きやすくなる」です。なぜなら、親の著作権を相続しなくても、
親が二次著作物から得た版権収入(すなわち金銭)は相続できるからです。
親の死後に映画化された場合には、子供には版権収入は入らないわけです
から、当然、子供は親の存命中に映画化しようと努力するようになります。
結局、この例は、死後の著作権の存続期間を長くすると、映画化がしやすく
なるという説明には全くなってないと思いますよ。

shariasharia 2006/12/17 00:37 >>> 好き勝手と言っても、単に著作権料なしで出版されるだけですよね?

>>  違います。致命的な人格権侵害です。しかもフリーライド。強者が弱者の生
>> 産物を搾取するという最低の状況です。さらに著作権がなくなればこれを防ぐ
>> 手立てすらない。現金は銀行に預けておけば盗まれる可能性はかなり低くなり
>> ますが、知的財産は、泥棒を防ぐ手立てが知財法以外にない。まずここ。

>ここに根本的な認識の違いがありますね。
>私は sharia さんが搾取だと感じているものを、搾取だとは思ってないんですよ。
>どんな著作物も、実はその作者単独の力で成立したものではなく、過去の蓄積と
>いう土台の上に成り立っているわけですから、作者の死後50年もたてば、フリー
>ライドおおいに結構、どんどん再利用して土台として使ってくださいというのが、
>幸せな姿だと私は思うんですね。

>今や、シェイクスピアの作品を元にしたり、大幅に改変した著作物が沢山あります。
>その中にはもちろんシェイクスピアの意に沿わぬものもあるでしょう。
>そういう作品は世の中から抹殺すべきなのか?
>私の意見は全く逆です。
>数多くの亜流、中にはレベルの低いものもある、そういう状況から、より素晴ら
>しいものが生まれるんだと思います。

 えーと、まず、ご意見を尊重します。
 ただ、ここは非常に込み入っているところで、みんながごっちゃにしてしまい、意味が分からなくなっているところです。
 ショートカットするよりも、ひとつひとつ言葉を重ねていくべきです。
 というわけで、この部分にのみ、議論を掘り下げます。
(ほかの部分を大切にしていないわけではないです。単純に、ここを解決しないとまずいと思っているだけ)

 第一段階ですが、著作権がない場合。
 この場合は搾取が起こりえます。
 (これは自明です)

 第二段階、著作権が死後20年の場合(旧法)。
 この場合は搾取が起こりえるだろうか?

 第三段階、著作権が死後50年の場合(現行法)。
 この場合は搾取が起こりえるだろうか?

 第四段階、著作権が死後70年の場合(検討中)。
 この場合、搾取が起こりえるだろうか?

 文章を、どの段階に当てはめて書いているかを逐一細かく整理すればいかに無意味な論理を積み上げているか良く分かると思います。
 まず、期限問題を根本的に理解していないことを指摘。

 続いて、誰が当事者かという問題。
 失礼ながら、わたしの文章を全く読んでいないと言わざる負えない。
 次の返答が全くわたしの書いた文章の意味を理解しない文章であれば、この議論は無意味なので離脱します(わたしは単なる情報提供者なだけですし、ここに時間を使う義理はない)。
 判断は読者に任せます。
 勉強するための道筋はつけたと思うので、あとは読み手しだいです。

 まず第一に、
 わたしが搾取だといっているのは、
 創作者 と 出版社 の関係。
 創作者 と 創作者 の関係は問題にしていない。
 ル=グウィンがいかに弱いかを理解してほしい。
 ジブリがいかに強いかを理解してほしい。
 これがハリウッドのメジャーならばどれほど強いだろうか。
 これに抵抗できているのは、著作権があるから。
 まず、作品を生み出した創作者を保護する必要があります。

 第二に、オリジナルはどれだけ保護されるべきかという問題。
 わたしもマッドビデオのようなアナーキーな創作物を認めないとするのはおかしいと考えます。要するに、二次使用全面OK。でも、その二次使用は結局、もともとの創作者におんぶだっこなわけです。
 ハリウッドは、原作を小説界に求めがちですが、その二次使用がフリーライド状況になってはすべての源泉を生み出した、創作者の権利を不当に害します。これで小説界がやる気をなくして落ち込めば、深刻な損害となります。
 マッドビデオの作者は、創作物に敬意を払って創作しているので、ほとんど問題が発生しない(YouTubeでの削除対象とならない。ファンムービーとして、扱われる)のですが、市場経済にこれを持ち込んだときに、つまり金儲けしか考えない連中に開放してしまったときに、きちっとしたルールが制定されていないことは問題です。

 この問題を解決せずに、50年がどうこうで、問題を話しても意味がない。
 なんども言いますが、年数の問題は、統計が解決する。
 問題は、そこではない。

 うーん、知識人のブログを巡回している限りでは、この辺はコモンセンスのようです。
 ソースがほしければ、提示しますが・・・。
 (ソース元に遠慮しながら言っています)
 基本線は、二次使用しやすくすれば、著作権は永久権でも可、です。
 ただごちゃごちゃと条件が大量にあるので(しかも、わたしが推察している部分もかなり多い)、説明するのは四苦八苦ですが。

 念のために言っておくとわたしは、YouTubeの著作権者との折り合い方を、ブログで提案していたりするので(これがどうもYouTubeにつたわったっぽい・・・)、二次使用は全面賛成、YouTube絶賛です。ただ、著作権者を無視してはいけない。著作権者がNGと言えばだめです。著作権者に敬意は払わなければならない。
 このルールさえ守れば、好きにしてくださいと思うのです。
 YouTubeは、著作者が自由に自分の権利がある映像に対して、削除が出来るように機能を提供しようとしています。
 これは、削除するか、しないかを、著作者に選択肢として提示しているわけです。
 ばかな日本の放送局が醜態をさらしていることは、わたしも良く知っています。
 しかし、これは著作権の運用の問題です。
 放送局がばかなことは、著作権では救いがたい。
 利権や、特権を全部奪い取ればいい。
 これが最善の回答です。
 政治で出来ます。


>>  ゲド戦記。
>...
>>  ゲド戦記はル=グウィンの息子の活躍が大きかった。
>>  作者本人は映画をぼろくそに言ってますが、息子が親をなだめつつ、交渉をしているわけです。親の作品が不当に歪められる恐れのない創作者を選択でき、しかも自己で契約の責任をとることも出来ます。
>>  これがジブリ単独の勝手な行為だったらどうでしょうか?
>>  果てしない争いになります。

>面白いですね。
>実は、私も前のコメントを書いた時にゲド戦記のことを考えていました。
>しかし、同じ例から導き出された結論は、sharia さんとは全く逆です。

 ここは避けて通れませんね。

>ル・グィンの例は、二重の意味で、sharia さんとは反対の結論を導くもの
>だと思います。

>a. 50年を70年に伸ばしても、まったく問題は解決しない。
>なにしろ、作者の死後どころか、作者の生きている間でさえ、意に染まぬ
>二次著作物が何件も現れているわけですから。ゲド戦記は映画だけでなく
>アメリカでのTV化でも問題が起きてました。

 米国の著作権の状況が非常に心配されます。
 単純に、違法なのですが、それが放置されているのです。

>b. sharia さんの論点は、子孫が著作権を相続するため、本来の著作者が
>存命中であっても、本来の著作者の意思に反して、映画化が可能になると
>いうものだと私には読めます。
>しかし、これを著作権を70年にすべき根拠として使うのは無理だと私は
>思います。

 年数は統計が解決します。
 わたしは70年を主張していません。
 わたしの主張は永久権化することです。
 これは説明すると異様に長いです。

>なぜなら、たとえ子孫が著作権を全く相続しなくても、同じことが可能に
>なるからです。
>仮に、70年ではなく0年、すなわち、子孫が著作権を相続しないと仮定して
>みましょう。この場合、本来の著作者の存命中に、映画化は起きやすくなる
>でしょうか。起きにくくなるでしょうか?

 ここのつながりが理解できてないです。

>答えは「起きやすくなる」です。なぜなら、親の著作権を相続しなくても、
>親が二次著作物から得た版権収入(すなわち金銭)は相続できるからです。

 ここは微妙です。
 経済は強欲です。
 わたしは搾取を受けてきました。

>親の死後に映画化された場合には、子供には版権収入は入らないわけです
>から、当然、子供は親の存命中に映画化しようと努力するようになります。
>結局、この例は、死後の著作権の存続期間を長くすると、映画化がしやすく
>なるという説明には全くなってないと思いますよ。

 微妙。
 一緒に考えましょう。

田辺田辺 2006/12/17 01:05 # 少し乱暴な書き込みでしたが、大々的に取り上げて頂いて恐縮です。
# 全部を理解することはできませんでしたが、
# 数学の奥深さを再認識させられました。

oskimuraoskimura 2006/12/17 14:08 著作権を永続化しても、フリーライドする人が出版社から、
出版社とエージェントになるだけで、フリーライドという行為は解決されないのでは?

エージェントといっても著作者本人ではないのだし、フリーライドはフリーライドですよね?

ゲド戦記だって、エージェントとジブリがフリーライドしたといえますよ。
つまり、エージェントといえども、著作者の意向を完全にかなえることはできないと。

著作者の権利の侵害という問題はその継続期間によって解決されないと、sodaさんはおっしゃっているのだと思いますが、いかがでしょう。

shariasharia 2006/12/17 22:16 田辺さんサンクス。
結局、すごいむずい話をしている認識が必要です。
利害関係者は大量にいる。じゃあ、だれを守るのか。
うまくいく方法を誰かが考えてほしいところです。

oskimuraさん

非常に微妙です。
代理人契約が突破口になりそうです。
もう一度わたしの言葉を読み直してください。法律でどう解消すべきか、よく分かるはずです。

期間の問題は繰り返しますが、統計が解決します。
sodaさんの主張を大切にするならば、著作者側に圧力を掛ける資格は全くない。これはそのとおりです。ただ、それを元に、利用者側が圧力を掛ける資格は、それ以上にない。

IKeJIIKeJI 2006/12/18 05:01 横から来てすみません、二点だけ質問
>第二に、オリジナルはどれだけ保護されるべきかという問題。
オリジナルの作者が制作のモチベーションを維持できる最低限度だけ保護されるべきだと思います。
ただこれは製作者が多いため(小説を書く人が多いため)難しく、その最大公約数的でもだめだし最小公倍数でもだめで、平均を探して落とすしかないと思います。
その上で、個人の二次使用全面OK。ただし会社での二次使用は駄目というのは平均から外れていると思えます。
個人の二次使用は許さないという作家の方も多いと思いますし、(三谷 幸喜さんなど)
逆に、映画制作などを歓迎される作家さんも多いと思います。
上のshariaさんの意見が一般的というのは本当でしょうか?

もう一点
> それはフリーライドです。
> 映画化する人間が不正に他人の創作物を利用しています。
> 著作者に痛みはなくとも、利用者は不正です。
> たいした努力もしてない映画会社が、無限に増えるだけです。
不正と言うからには、法律違反を犯していると思うのですが、何の法律を犯しているのでしょうか?それは日本の法律でしょうか?
また、映画会社がおもしろい映画を作る事はそんなに悪い事なのでしょうか?
映画産業が発達する事は文化の発達という面から見てもとても良い事のように見えるのですが、
確かに、一部、自作が映画化される事を嫌う方もいらっしゃいますが、死後その作者さんの作品が映画化される事による損害は、
映画産業の発展を止めてでも回復させるべき事なのでしょうか?

m-hiyamam-hiyama 2006/12/18 09:13 # 必要があれば、掲示板としてどうぞご自由にお使い下さい>みなさま。
# それと、田辺さん、こんなとき「#」を使うのはいいアイディアですね。

pontaponta 2006/12/18 14:04 > それはフリーライドです。
> 映画化する人間が不正に他人の創作物を利用しています。

黒澤明が不正にシェークスピアの創作物を利用したようなものですよね。

shariasharia 2006/12/18 22:20 IKeJIさん

>上のshariaさんの意見が一般的というのは本当でしょうか?

えーと、一応、Webのデジタルコンテンツ専門として、書籍、映画、アニメをやり、権利者とじかに交渉する日々をすごしました。(これに加え美術品をやっていたりするのですが)

その経験上での感触と受け取っていただけるとうれしいです。
営業のときもありましたし、プロモーションの提案のときもありました。しかし、自分の経験のみを提示していることは否めません。
例えば、さすがに、三谷 幸喜さんと交渉したことはありません。
わたしの経験の範囲では、すべてを語ることはもちろん不可能です。

>不正と言うからには、法律違反を犯していると思うのです
>が、何の法律を犯しているのでしょうか?それは日本の法
>律でしょうか?

 うーん、難しいのですが、法律の原則として信義則というものがあります(この逆説的な言葉が、権利の乱用です)。
 法秩序は、ルールに記載されていない部分もフェアでなければならないというのが基本理念です。フェアでない人間が多いから罰則を設けて強制的に秩序をもたらすという観点が働きます。
 法律をかいくぐればよいというわけではない。
 裁判では、わたしは知財法の試験を受ける身なので、裁判例は大量に見るのですが、法をかいくぐっているけどこれはまずいだろうというものに対しては、こういった判例が下ります。

 不正と言うのは、なにも価値を生み出していない人々が、価値を生み出している人からその成果を奪い取ることです。
 
 映画の例で言えば、基本的に十分な能力を持った映画制作会社に対して、著作者は映画化OKを出すのが普通だと思います。
 これは信頼関係を確認した上での契約関係です。
 交渉にかかるコストはわずかです。
 飲み屋に行って、軽く話し、お互い心が通じたところで交渉に入り、具体的なところをつめて合意に至る。
 優秀な(業界では平均的な)エージェントがいれば成り立ちます。
 難しい交渉ではない。

shariasharia 2006/12/18 22:34 pontaさん

>> それはフリーライドです。
>> 映画化する人間が不正に他人の創作物を利用しています。

>黒澤明が不正にシェークスピアの創作物を利用したようなもので
>すよね。

 改良特許のような、誰もが認める新しい価値を付加できれば、すくなくとも、例示されている状況に関しては問題がないと思います。

IKeJIIKeJI 2006/12/20 02:01 >書籍、映画、アニメ
>その経験上での感触と受け取っていただけるとうれしいです。
権利者のほとんどが、自分の死後、会社などの団体に2次利用される可能性について考えただけで製作活動を続けられないほどのダメージを受けるとは思いませんでした。また、個人と団体の差が権利者にとってそのように大きいものだとはまったく思いませんでした。
たしかに、このエントリにあるように一般的な人と権利者との考えの差は大きいものなのですね。

> 不正と言うのは、なにも価値を生み出していない人々が、価値を生み出している人からその成果を奪い取ることです。
奪われたのは何でしょうか?上と一緒でやる気でしょうか?
もし奪われた物よりも、生み出される可能性のあるものの方が大きいのであれば、生み出される可能性にかけるのもよいのではないでしょうか?

私は法律とは基本的にその国、つまりその国の人すべてのためにあるべきだと思います。もし、権利者さんが持っている権利を、すぐにとは言いません、権利者さんが死んだ後、この国の文化の発展のために門戸を開いてもらうよう相談することはできないのでしょうか?

shariasharia 2006/12/22 00:14 >権利者のほとんどが、自分の死後、会社などの団体に2次利用される可能性について考えただけで製作活動を続けられないほどのダメージを受けるとは思いませんでした。また、個人と団体の差が権利者にとってそのように大きいものだとはまったく思いませんでした。

 あ、えーと、個人差がかなりあるとは思います。
 多作な方の中には、ビジネスライクな感覚の方も多いかと。

 ただ、やはりマンガ家などは、ひとつの作品を恐ろしいほどの時間と人生を費やして描きます。一作のみ著名な作品がある方もあるかと思います。
 ものすごい極論で申し訳ないのですが、例えば30年かけて描き続けてきた超大作があって、書き上げたとたん、早く死んで、権利期間が過ぎてほしい作家になってしまう。これ、完結したくないモチベーションになります。保護期間死後50年はわたしも十分な期間だとは思いますが、期間切れになることを誰もが待っている光景を想像するのは、自分以外に代わりがいない以上、やりきれない気持ちになります。
 書き上げて、早く死ねと。
 傑作であればあるほど、資本主義的には結論はこうなってしまう。

>たしかに、このエントリにあるように一般的な人と権利者との考えの差は大きいものなのですね。

 著作に人生をかけた人と読み替えたほうがいいかも知れません。

>> 不正と言うのは、なにも価値を生み出していない人々が、価値を生み出している人からその成果を奪い取ることです。

>奪われたのは何でしょうか?上と一緒でやる気でしょうか?

 あたかも自分が価値を生み出したように世間を誤認させることでしょうか。


>もし奪われた物よりも、生み出される可能性のあるものの方が大きいのであれば、生み出される可能性にかけるのもよいのではないでしょうか?

 まず、奪うことは社会的によいことではないので、別の方法を模索するべきです。

 先にあげたタイムシップの作者スティーブン・バクスターは超一流のSF作家ですが、H・G・ウェルズのタイムマシンの続編を描きたかったばかりに、著作権が切れているにもかかわらず、遺族に許可を求めました。
 何事もやりすぎはよくないですが、模倣はよくても、先人の作品におんぶだっこは、創作者の器を著しく荒廃させるだけなことではないかと個人的に思います。
 
>私は法律とは基本的にその国、つまりその国の人すべてのためにあるべきだと思います。もし、権利者さんが持っている権利を、すぐにとは言いません、権利者さんが死んだ後、この国の文化の発展のために門戸を開いてもらうよう相談することはできないのでしょうか?

 えーと、権利者がOKといえばOKです。
 CLANPなどは、トレースじゃなければ、現役ですが二次創作全面OKといっています。ただ、CLANPなどは人気作家ですから無理が通るのですが、出版社に気兼ねして、強く出れない人もあるでしょう。
 著作権が定めるのは、権利者がNGと言ったらNGということです。
 例えば、赤川次郎が青空文庫に全作品を許諾すれば、これは遵法です。遺族がするのも遵法です。
 権利者にOK・NGの意思表示をはっきりしてもらう活動をするというのはありではないでしょうか。

 これを実現するには、例えば青空文庫のスタッフが権利者の下を歩き回り、そのメリットを説明し、許諾を得るという、社会人であれば当たり前すぎる営業努力をすれば、結構応諾してくれる人がいそうだが・・・、という感想です。
 その努力をせずに、ただ何の許可も得ずに、黙って著作権が切れたから載せていい、はどうかと思います(遵法ですが)。挨拶もしないんですよ?
 
 また一応念のために言っておきますが、図書館でただで読むのは遵法です。半分までコピーするのも、著作権法の附則のおかげで、遵法です。
 あとは何でしょうか。
 好きなだけ交渉が出来ますし、好きなだけ読みたい本は読めます。やってないだけです。

kentakenta 2006/12/23 02:40 横から失礼します。

>書き上げて、早く死ねと。
>傑作であればあるほど、資本主義的には結論はこうなってしまう。

どうしてそういう結論になるのか理解できません。普通は長生きして、もっと違う作品も作ってほしいと思うでしょうに。

>これを実現するには、例えば青空文庫のスタッフが権利者の下を歩き回り、そのメリットを説明し、許諾を得るという、社会人であれば当たり前すぎる営業努力をすれば、結構応諾してくれる人がいそうだが・・・、という感想です。

日本ペンクラブの「電子文藝館」では、著作権の消滅していない作品に対しては、権利者の許可をえて掲載しているようですが、日本ペンクラブという看板があればこそできることかと思います。

>その努力をせずに、ただ何の許可も得ずに、黙って著作権が切れたから載せていい、はどうかと思います(遵法ですが)。挨拶もしないんですよ?

すでに権利者でなくなった人に、使っていいですか、なんて聞くほうがおかしくないですか? もし駄目と言われたらどうします?

あと一応。CLANP→CLAMPです。

tradtrad 2006/12/24 01:02 私も横入りで失礼します。

遺族といえども著作者とは別人であり、作品の権利の代弁者にはなれても、作品の「魂」の代弁者になることはできないと思います。
死後保護期間をいたずらに延ばすことは、著作者の遺志にそぐわない考えを持つ人が権利を承継する可能性を増やし、そのような人によって作品が不当に独占される状態になることも否定できません。
その状態と『フリーライド状態』のどちらを深刻と考えるかは人それぞれでしょうが、私は後者のほうがマシだと思います。

ところで、特許権は出願後20年で消滅しますが、shariaさんは、発明家は創作者と違って人生懸けてないからこれは妥当である、とでもお考えなのでしょうか。

shariasharia 2006/12/24 21:09 >>書き上げて、早く死ねと。
>>傑作であればあるほど、資本主義的には結論はこうなってしまう。

>どうしてそういう結論になるのか理解できません。普通は長生きして、もっと違う作品も作ってほしいと思うでしょうに。

 えーと、あくまで極論です(誤解があったらごめんなさい)。
 超大作を一生を掛けて描いているケースです。

>>これを実現するには、例えば青空文庫のスタッフが権利者の下を歩き回り、そのメリットを説明し、許諾を得るという、社会人であれば当たり前すぎる営業努力をすれば、結構応諾してくれる人がいそうだが・・・、という感想です。

>日本ペンクラブの「電子文藝館」では、著作権の消滅していない作品に対しては、権利者の許可をえて掲載しているようですが、日本ペンクラブという看板があればこそできることかと思います。

 なるほどこういうものがあるのですね。
 ただ、看板がなくとも合意さえ取れれば、出来るのではと思うのです。デジタルコンテンツ業界は本当にライセンス契約を取るのがすべてな業界だったりするのです。

>その努力をせずに、ただ何の許可も得ずに、黙って著作権が切れたから載せていい、はどうかと思います(遵法ですが)。挨拶もしないんですよ?

>すでに権利者でなくなった人に、使っていいですか、なんて聞くほうがおかしくないですか?

 遺族に対してです。礼儀です。

>もし駄目と言われたらどうします?

 まず、信頼を得られるよう話をし、話している相手が何を問題と感じているのかを掴みます。そして、それを解消する方法を考えます。

>あと一応。CLANP→CLAMPです。

 す、すみません。わたしも気付いていたのですが、投稿後でした。関係者やファンの方々、大変申し訳ありませんでした。

shariasharia 2006/12/24 21:33
>遺族といえども著作者とは別人であり、作品の権利の代弁者にはなれても、作品の「魂」の代弁者になることはできないと思います。

 それはそのとおりです。
 法律的には、ちょっとわたしの以前の発言が正確性を欠いていたようで、人格権を承継するのではなく、人格権を持っていた故人が生きていれば請求したであろう権利行使を代行するとの趣旨のようでした(著116条です)。
 なので、代弁者の言葉がとても近い意味合いの内容になっています。

>死後保護期間をいたずらに延ばすことは、著作者の遺志にそぐわない考えを持つ人が権利を承継する可能性を増やし、そのような人によって作品が不当に独占される状態になることも否定できません。

 念のため、わたしは延長は支持していません。
 わたしも、少なくとも遺族以外の(例えば出版社)などが不当に著作権を保持し、それに基づいて独占状態を保つことは制限しなければいけないと感じています。

>その状態と『フリーライド状態』のどちらを深刻と考えるかは人それぞれでしょうが、私は後者のほうがマシだと思います。

 えーと、フリーライドは、もっと最低です・・・。
 
>ところで、特許権は出願後20年で消滅しますが、shariaさんは、発明家は創作者と違って人生懸けてないからこれは妥当である、とでもお考えなのでしょうか。

 あー、違います。
 特許権が20年なのは、統計的に導き出された年数です。
 説明すると長くなるのですが・・・、説明しますか。

 特許の場合は、出願から20年が基本的に保護期間です。
 しかし、無条件で守ってくれる著作権と違い、特許権は毎年特許料を特許庁を払わなければなりません。しかもこの特許料は、年を追うごとに倍々ゲームで高額になります。
 すると、お金を払ってまで守るべき特許は、特許査定から年を経るごとに減少していき、20年経過後まで残っているのは4%程度(確か)。というわけで、これ以上伸ばさなくていいだろう、という感じになっているのです。

 なので、特許法の保護期間は正確には20年ではありません。
 20年間のうち、特許料を払うことを我慢できた年数、です。
 うまく、このシステムが著作権にも実装できたら(ものすごく難しい議論になりそうですが)、早くフリーになるコンテンツが増えるのになあと思ったりします。

kentakenta 2006/12/25 01:06 ご返事ありがとうございます。

>超大作を一生を掛けて描いているケースです。

超大作だろうがなかろうが、著作権の保護期間の切れるのは著作者の死後50年が過ぎてからです。
その著作者と同時代に生きている人が、その著作者の作品を「フリー」で利用できる可能性はほとんどないのに、なぜ早く死んでもらいたいと思うのか、どうにも理解できません。

>ただ、看板がなくとも合意さえ取れれば、出来るのではと思うのです。デジタルコンテンツ業界は本当にライセンス契約を取るのがすべてな業界だったりするのです。

著作権が存続中でも、“合意さえ取れれば”出来るのは当然でしょう。
ところでデジタルコンテンツ業界は著作権の切れた作品に対しても、利用に際しては遺族の同意を得るのが一般的なのでしょうか?

>遺族に対してです。礼儀です。

道義的な問題として、shariaさんがそのような考えを持っていることはわかりました。
わかりやすい例で言うと、夏目漱石の作品を利用するに当っては、孫である夏目房之介氏に逐一連絡を入れる、ということでしょうか? ちなみに、夏目漱石の著作権は、房之介氏が生まれる以前に消滅しています。

>まず、信頼を得られるよう話をし、話している相手が何を問題と感じているのかを掴みます。そして、それを解消する方法を考えます。

shariaさんの考え方からすれば、この返答には合点がいきます。私個人としては、とっくに権利がなくなった祖父なり祖母なり曾祖父なりの作品について、遺族にそこまで責任を負わせるのは酷かと思いますが。

shariasharia 2006/12/26 21:00 クリスマス中に親族の不幸があり、ちょっとどたばたしておりました。
ありがとうございます、大分、わたしの方も見えてきました。

>>超大作を一生を掛けて描いているケースです。

>超大作だろうがなかろうが、著作権の保護期間の切れるのは著作者の死後50年が過ぎてからです。
>その著作者と同時代に生きている人が、その著作者の作品を「フリー」で利用できる可能性はほとんどないのに、なぜ早く死んでもらいたいと思うのか、どうにも理解できません。

 これはちょっと待ってください。
 えーと、これまでの経緯を整理しないといけないので、本文章の末尾にまとめさせてください。


>>ただ、看板がなくとも合意さえ取れれば、出来るのではと思うのです。デジタルコンテンツ業界は本当にライセンス契約を取るのがすべてな業界だったりするのです。

>著作権が存続中でも、“合意さえ取れれば”出来るのは当然でしょう。
>ところでデジタルコンテンツ業界は著作権の切れた作品に対しても、利用に際しては遺>族の同意を得るのが一般的なのでしょうか?

 えーと、まずわたしが属していた会社のスタンスであったと認識していただければ、まずうれしいです。また、現状、デジタルコンテンツ業界では、著作権がまだ存在するコンテンツ以外のものが対象になることがまれです。

 漫画で言えば手塚作品が大きなコンテンツ群としてありますが、まだ、30年近い保護期間があります。その前の巨匠はのらくろの田河水泡さん、これも同様の期間があります。
 ただこれほど古くなると出版物の紛失が激しく、資料を所有している遺族との協力関係が欠かせません。

 著作権が切れている小説であっても、同様ではないかと推測します。
 (これは後述します)

>>遺族に対してです。礼儀です。

>道義的な問題として、shariaさんがそのような考えを持っていることはわかりました。
>わかりやすい例で言うと、夏目漱石の作品を利用するに当っては、孫である夏目房之介>氏に逐一連絡を入れる、ということでしょうか? ちなみに、夏目漱石の著作権は、房>之介氏が生まれる以前に消滅しています。

 夏目漱石の話となると、ちょっと説明が複雑になりますが、わたしがいた会社では岩波書店との関係を強化していました。実は夏目漱石、未だに岩波文庫でもっとも売れている作品らしく、漱石と岩波の関係が非常に強く、夏目漱石関連の情報や資料の協力を受けるにあたって、岩波書店の協力なしには展開が難しい状況でした。

 もちろん、出版社と敵対することは電子書籍会社では死を意味しますので、協調関係を結ぶ以外の戦略はありません。その繋がりで夏目房之介さんにも話が行ったと推測します。金銭的な話はさすがにタッチしていないのですが、権利の有無を問わず、関係者とよい関係を作っておくことは、社会的な体面としても意味があることです。
 どういったらよいのでしょうか。
 オフィシャル性が高まるという感じでしょうか。
 誰が権利者側の窓口になるかはケース・バイ・ケースでしょうが、少なくとも一報しておくとか、献本するとか、若干ペイして監修に立ってもらうとか、いろいろな方法で話は通していたと思います。

 無断でやって、万が一激怒された方のリスクが大きすぎるという感じです。

>>まず、信頼を得られるよう話をし、話している相手が何を問題と感じているのかを掴みます。そして、それを解消する方法を考えます。

>shariaさんの考え方からすれば、この返答には合点がいきます。私個人としては、とっ>くに権利がなくなった祖父なり祖母なり曾祖父なりの作品について、遺族にそこまで責>任を負わせるのは酷かと思いますが。』

 同感です。そのような視点に立てば、どうやって相手に負荷の掛からないようにして筋を通すかを、わたしは考えます。
 一度方法を確立してしまえば、あとはルーチンワークです。
 例えば、丁寧な手紙を送付し、自らの素性を明かし、何をしようとしているかを述べる。その後献本し、もし問題があるようならご指導いただきたいと一筆添える。もしくは、何らかの協力を求め、それに対して何らかの御礼をする。

 出版権で守られず、他社参入容易であればこの辺でアドバンテージを築かなければ致命傷です。

>>超大作を一生を掛けて描いているケースです。

>超大作だろうがなかろうが、著作権の保護期間の切れるのは著作者の死後50年が過ぎてからです。
>その著作者と同時代に生きている人が、その著作者の作品を「フリー」で利用できる可能性はほとんどないのに、なぜ早く死んでもらいたいと思うのか、どうにも理解できません。

 やっとここに来ました(^^;

 現在の著作権の議論の迷走状況を、わたし自身がなぞってしまった形です。
 経緯を整理します。


 ■問題の発言の発端

 sharia
> ものすごい極論で申し訳ないのですが、例えば30年かけて描き続けてきた超大作があって、書き上げたとたん、早く死んで、権利期間が過ぎてほしい作家になってしまう。これ、完結したくないモチベーションになります。保護期間死後50年はわたしも十分な期間だとは思いますが、期間切れになることを誰もが待っている光景を想像するのは、自分以外に代わりがいない以上、やりきれない気持ちになります。

 これが発言の第一であるかと思います。
 この際、わたしが想定していたのは、
 1.保護期間死後50年なら問題はほとんど起こらない
   →ただ、今、70年にしようとしているのだから、何らかの問題が発生しているのではないか。
   →だたし、これは、現在具体例が提示されているわけではないので掴めない。

 で、ここから思考が遡って、

 > 第一段階ですが、著作権がない場合。
 > この場合は搾取が起こりえます。
 > (これは自明です)

 > 第二段階、著作権が死後20年の場合(旧法)。
 > この場合は搾取が起こりえるだろうか?

 > 第三段階、著作権が死後50年の場合(現行法)。
 > この場合は搾取が起こりえるだろうか?

 > 第四段階、著作権が死後70年の場合(検討中)。
 > この場合、搾取が起こりえるだろうか?

 ここに戻っているのです。
 第三段階から第四段階に移行しようとしているのだから、
 第一から第二、第二から第三に移行した際に生じていた問題が、
 「実は50年では足りない事がやってみたら分かった」
 そこで、第三段階から第四段階に移行するとしているのであれば、筋は通ると。

 ぶっちゃけ言ってしまうと、著作権延長を主張している人々に対する、
「そこまで考えてた? 考えてないでしょ? 具体例、きっちり示してもらいますから」
 という皮肉でもあるのですが・・・。

 なので、50年もあれば十分。
 旧法の20年だったら問題ありかも、死んだ直後は問題。
 という文脈でわたしの中からは出てきています。

 紛らわしい文章であったことをお詫びします。
 kentaさんと、結論は一緒です。