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ダメな子供にダメな父親が言えること

先週末の話なのだけど、長男がなんかひどくへこんでしまった。

俺は勉強もできないし、運動も苦手だし、ノロマでみんなの足を引っ張るし…

それから、安っぽいドラマみたいなセリフ。

俺なんか生まれてこなかったほうがよかったんだ

とりあえず落ち着くのを待って、桜の花見などをしながら話をすることにした。なにしろ発端が芝居がかっているから、僕の話もクサイというか紋切り型で気恥ずかしくて、、、いろんな意味でここに書くのは躊躇するんだけど*1、これから書く内容の趣旨からして書いておくべきだと思うから書いておく(←自己言及で分かりにくい; このエントリーを書いた理由はこのエントリーに書いたような事情だ、ということ)。

僕が話しているあいだ、長男は「うん」とか「あー」しか言わなかったから、僕が言ったことだけを書く。「君」はもちろん長男、「T」は長男の固有名詞。このとき僕は、先週書いたエントリーを印刷して持っていた。


おとうさんさ、ブログ書いてるんだよな。ブログって、知っている?
インターネットに書く日記みたいなもんだ。でも、おとうさんのは君が読んでもワケワカンナイようなことが多いけどな。

もう少し大きくなったら、おとうさんのブログ読んでみな。
大きくなって読んでも、やっぱりワケワカンナイことが多いだろうけど。
でも、君のことをけっこう書いているんだぞ、おとうさんのブログに。これは木曜に書いたヤツね。
Tって名前は出してないから、「長男」で検索してみな。それで出てきたヤツはみんな君の話だ。

「Tは面白いなー」と思ったことをブログに書いている。けっこうたくさん君のことを書いてるってことは、何度も「Tは面白いなー」って思った、ってことだ。
後で思い出したら、また何度も面白いだろう。だからブログに書いている。全部書き残すのは無理だけど。

君が生まれてから何度も何度も「Tは面白いなー」って思ったから、君はおとうさんを楽しませたってことだ。
君が生まれてなかったら、そんな楽しいことはナニヒトツ経験できなかった。すっごくツマラナカッタろうな。

君はダメな小学生かもしれないなー、ホントのところ。
おとうさんもダメなオジサンでさー、誰のために何やっているか分からなくなるときがある。おとうさんが少しくらいがんばっても何も変わらない気もするし。おとうさんのやることに意味も価値もないんじゃないかって。そう考えちゃうと、けっこうむなしいよな。
おとうさんもやんなっちゃう、Tと同じだよ。

でもさ、おとうさんは「Tのオトウサン」だろ。他にオトウサンいないだろ。
だから、おとうさんには「Tのオトウサン」だ、って意味と価値はあるよな。わかる?
おとうさんがいくらダメなオジサンでも、ダメなオトウサンでも「Tのオトウサン」なことは間違いないし、ずっと変わらないだろう。

もし君が生まれてなかったり、これから君がいなくなっちゃったりすると、おとうさんは「Tのオトウサン」じゃなくなって、意味も価値もないダメなオジサンしか残らないかもな。
そしたら、おとうさんも困るよ。落ち込んじゃうなー。あまりにツマラナクテ、どうしていいか分からないだろな。

えー? 勉強とか運動かぁ?
そりゃできたほうがいいけどなー。おとうさんも君のこと怒りすぎたり傷つけたりしたかもな。
だけどな、子供はそういうこと言われんだから。もうあきらめろ。がっ、怒られたとき無視するなよ、無視されるとおとうさんムカツクから。

んんーー、なんか話がややこしくなってきたから、もうこのへんにしよ。桜見よう。
君にとっては、このおとうさんでも少しは意味と価値があるだろ。おとうさんにとって、Tはとても意味と価値がある。とりあえずそれでいいんじゃないの? いいよね、それで。
桜見ようや。

*1:例えば、「このエントリーをいつの日か次男が読んだらどう思うだろう?」とかも考えた。次男を無視したような言い方だからね。ここで次男に言っておけば; 君が同じようにへこんだときも僕(おとうさん)は同じようなことを言うだろうね。そして、おにいちゃんにも君にも嘘を言ってるわけじゃない。