檜山正幸のキマイラ飼育記 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

キマイラ・サイトは http://www.chimaira.org/です。
トラックバック/コメントは日付を気にせずにどうぞ。
連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org へ。
蒸し返し歓迎!
このブログの更新は、Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama
ところで、アーカイブってけっこう便利ですよ。

2017-07-05 (水)

はてなブックマークの新ユーザーページと、サービスのマジョリティ・ユーザー

| 12:07 | はてなブックマークの新ユーザーページと、サービスのマジョリティ・ユーザーを含むブックマーク

僕は非公開で「はてなブックマーク」を使っています。2017年7月3日から、はてなブックマークのWebインターフェイスは新ユーザーページに全面移行しました。

今まで、旧ユーザーページと新ユーザーページが併存していたわけです。僕は、二択のうちの片方のインターフェイスを選んでいることをスッカリ忘れていて、7月3日の変更にビックリしました。

「改悪だ、もとに戻せ」「今さら何を言う、変化についてけない老害が」といった議論があるようです。

お気に入りユーザー/日付指定の機能劣化に怒っている人が多いようですが、僕が「これは困ったな」と思っていることは次の2点です。

  1. 一画面に表示できるブックマーク項目数が少ない。
  2. タグによる検索と絞り込みが素早く出来ない。

何か見過ごしている操作法や回避策があるのかも知れませんが、現状では困っています。

ユーザーはどんな情報をどのようにハンドリングしたいのか

はてなブックマークのユーザーページとは、“ブックマーク項目(エントリー)のリスト”というデータ構造に対するユーザーインターフェイスです。このようなリストデータを扱う人々=ユーザーを、大きく二つに分類してみます。

  1. 多数のブックマーク項目を、検索・絞り込みで扱いたい人。
  2. 比較的少数のブックマーク項目を、目視で扱いたい人。

多数というのは、千から万のオーダーのことです。ストックされている項目数が数千でも、最近の数十個しか興味がないなら少数項目を扱いたいユーザーです。

何千何万の多数項目を扱うには、ディスプレイとキーボードがないと辛いので、多数項目を扱いたいユーザー≒PC利用者*1と言えるでしょう。

インターネットサービス・ユーザーのマジョリティはスマホ利用者ですから、多数項目を扱いたいユーザーと少数項目を扱いたいユーザーでどちらが優遇されるかと言えば、当然に後者です。僕のように、PCから多数項目を扱いたいユーザーはマイノリティであり、見捨てられる側にあるのです。

「はてな」としては、PC(キーボード・マウス&ディスプレイ)でないと操作困難な機能は削り落として、スマホ画面でのユーザビリティを第一に考えたデザインに移行したい、ということでしょう。(もっとも、スマホユーザーは専用アプリを使うだろうと想定すると、奇妙な方針なんですが。)

新ユーザーページへの賛否は、世代や年齢に依るというより、サービスをスマホで/またはPCでもスマホ的にしか利用しないユーザーと、キーボード・ディスプレイからも利用したいユーザーのあいだでの差のように思われます。あるいは、ユーザーページをエンターテインメント・アプリケーションと捉えるか、データへのクエリー・フロントエンドとみなすかの差だとも言えそうです。

一画面に表示できる項目数が少ない

新ユーザーページのデザインは次のようです。

*2

ご覧のように、一画面4項目しか表示できません。でかいディスプレイでも数項目です。

旧ユーザーページの画像がないので、ユーザーページではないのですが「嫁のはてブ」の画面を見てみると:

10項目表示されています。もちろん、一項目あたりの情報は少なくなりますが、一度にたくさんの項目をスクロールなしで見たいことがあるのです。

大画面であれば、10項目をさらに横に3列で30項目くらいは詰め込めますが、はてなブックマークに限らず、最近のユーザーインターフェイスはテキスト情報の詰め込みは嫌がるようです。僕は、できるだけたくさんの項目を一覧できたほうが助かるんですけど。

タグによる検索・絞り込み操作が非効率的

一覧性の欠如より困っているのは、タグによる検索・絞り込みがまともに出来ないことです。以前は、次のようなタグ入力インターフェイスが備わっていました。

*3

僕がはてなブックマークを使うとは、このタグ入力フィールドを使うことでした。このフィールドには入力自動補完機能が備わっていて、候補タグ群をインクリメンタルに絞り込めます。この際にタグクラウドが動的に変化するのも、大変に助かるフィードバックでした。

現在の新ユーザーページでも、タグによる検索・絞り込みはできます。しかし、タグ名のテキスト入力ではなくて、サイドエリアのタグリストをクリックします。僕のタグ総数は数百あるんで、リストからの選択は現実的ではありません*4。ひとつのタグの検索結果においてさえ、関連タグがさらに200くらいあったりします。

思い付きでタグを付けまくるので、未整理で混沌としてますが、それでも上記の優れたタグ入力フィールドのおかげで、クエリーシステムとして十分に使い物になってました。

後からの検索のために、タグ名に工夫を凝らしているいる方もいるようです。

僕はそこまで律儀にはやってませんが、タグ名の自動補完を前提に、似たトピックには同じキーワードを含める程度の注意はしてます。が、タグ入力フィールドがないなら工夫も意味ねーなー。

時代は変わった

はてなブックマーク・ユーザーページのようなインターフェイスに、僕はデータハンドリングのオペレーション・コンソール(操作卓)としての機能を期待しているところがあります。しかし、スマホを含めたコンピュータを、コンソールとして使いたい人(の相対比率)は激減しているでしょう。ひょっとして絶滅危惧種なのかも知れません。

以前(2012年)僕は「インターネットはテレビに負けた」という記事を書いたことがあります。

テレビの特徴は、情報を受動的に視聴することだと僕は思うのですけど、「受動的」ってのはラクチンなんですよね。能動的な情報取得はシンドイときがあります。結局、多くの人はラクチンなほうがいいわけで、インターネットはより受動的な方向に向かうだろう、と思います。それが良いか悪いか判断できないのですけど。

コンピュータという機械も、大部分の人にとってテレビと同類の機械なのだろう、と思います。そのインターフェイスが、コンソール的からテレビ的へと移行するのは、止めようがない流れなのでしょうが、個人的には困ってます。

*1:PCはPersonal Computerのことで、特定の機種やOSを意味してはいません。

*2:画像: http://b.hatena.ne.jp/guide/userpage より

*3:画像: http://b.hatena.ne.jp/help/entry/tag より。これは「タグで分類」というヘルプページです。今でもヘルプには、旧ユーザーページのこの機能が載っています。

*4:覚えているタグについては、URLとしてブラウザ・アドレスバーから入力しています。