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参照用 記事

再帰的構成のために: 順序数の圏

この記事も実はマルカキス論文(「指標の組織化と表現方法と呼び名は色々だ」参照)に触発された指標/コンピュータッドに関わるネタなのですが、独立な話として読めるので、タイトルに「指標の話:」とは入れてません。順序数に沿って再帰的構成や帰納的証…

指標の話: ペースティング図とバタニン・ツリー

高次圏の射達の組み合わせを表現する方法のひとつとして、ペースティング図があります。ペースティング図は、テキスト形式に書き写すことができます。ペースティング図とテキスト形式の中間の形式として、バタニン・ツリーがあります。バタニン・ツリーはと…

指標の話: 形状の記述と形状付き集合

昨日の記事「指標の組織化と表現方法と呼び名は色々だ」において、イワニス・マルカキス〈Ioannis Markakis〉の論文 "Computads for generalised signatures" を引き合いに出しました。このマルカキス論文には、色々なことが書いてあって面白い。面白いトピ…

指標の組織化と表現方法と呼び名は色々だ

以下の論文、タイトルを見て興味をそそられました。が、「んっ? 思ってたのと違う」となりました。コンピュータッドも指標も僕が知っているコンピュータッド/指標とは定義が異なるのです。が、冷静になって考えると「あっ、やっぱり同じか」となりました。…

フレーム充填問題と解空間関手

フレーム充填問題(「圏論におけるフレーム充填問題」参照)の解の全体、つまり解空間は、ファイバー付き圏のバンドルになります。フレーム充填問題のフレーム付き指標は、フレーム条件にファイバー付き圏のバンドルを対応させる関手を定義します。このこと…

モノイドの片側逆元

一般的に、モノイドの要素が右逆元を持っても左逆元を持つとは限りません。これは正しいのですが、ある特定のモノイドをとったときには、右逆元の存在が左逆元の存在を導くことはあります。n次正方行列の掛け算のモノイドは、「右逆元の存在から左逆元の存在…

射のクラスと制約付きスパン 補遺

「射のクラスと制約付きスパン」に出した具体例に対して、「あれ、この例はダメかも」と取り消して、すぐ「ん? 大丈夫だわ」ともとに戻しました。この補遺記事で、事情・経緯を書いておきます。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]…

射のクラスと制約付きスパン

圏のスパンの全体は、プルバックを使って圏にすることができます。スパンの左脚と右脚に制約を付けても圏を構成できるときがあります。こうして作った制約付きスパンの圏が役に立つことがあります。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}…

続・変換手意味論とブラケット記法

この記事は、「変換手意味論とブラケット記法」の続きです。追記にするには長すぎるので別記事としました。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } %\newcommand{\op}{ \mathrm{op} } \newcommand{\In}{\text{ in }} \…

変換手意味論とブラケット記法

変換手意味論が何であるかを説明し、変換手空間の便利な略記法であるブラケット記法を紹介します。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } %\newcommand{\op}{ \mathrm{op} } \newcommand{\In}{\text{ in }} \newcomma…

等式的2-グラフ(2-圏の記述のために)

等式的2-グラフ〈等式的2-コンピュータッド〉について解説します。等式的2-グラフは、2-圏内で実現される構造を記述するための具象指標として使います。例えば、2-圏内の随伴系やモナドは等式的2-グラフで記述できます。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1}…

圏の具象性に関する資料

検索でたまたま引っかかった次の論文をチラ見しました。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \newcommand{\T}[1]{ \text{#1} } `$ [Pag11-] Title: Concrete Fibrations Author: Ruggero Pagnan Submitted: 24 May …

グロタンディーク構成・逆構成と同値対応

グロタンディーク構成には逆向きの構成があって、それらのペアが“インデックス付き圏の圏”と“ファイバー付き圏の圏”の圏同値を与えます。バンドル-ファミリー対応はその特殊ケースです。前層と“要素の圏”の対応も特殊ケースとなります。そのへんの事情をこの…

構造記述のための指標と名前 3/n 名前もっと

前回「構造記述のための指標と名前 2/n 圏の記述」の最後で、 次回は「圏論を使って二重圏を定義する」予定です。 と書いたのですが、二重圏の話の前に、最初の回「構造記述のための指標と名前 1/n 基本」では述べきれなかった“名前に関する説明”を追加しま…

構造記述のための指標と名前 2/n 圏の記述

「構造記述のための指標と名前 1/n 基本」で、指標を使って構造を記述する方法の基本を述べたので、実際にその方法を使って構造(代数系)を記述してみます。例題は小さい圏です。小さい圏を指標で記述するので、ターゲット〈標的環境〉は集合圏です。集合圏…

構造記述のための指標と名前 1/n 基本

最近の応用圏論〈ACT | Applied Category Theory〉では、モノイド圏、アクテゴリー、二重圏、三重圏などの複雑な構造を平気で使います。このような複雑な構造を扱うときは、名前に十分な注意をはらう必要があります。複雑な構造でなくても、名前に十分な注意…

方向・向きの話: 高次圏を語るために

この記事の目的は、「上下」「左右」「前後」などの言葉の意味をハッキリさせることです。動機は、高次元の圏 -- あるいは圏類似代数系〈category-like algebraic {structure | system}〉について、行き違い/誤認がないように語りたいからです。最近の応用…

構文付き変換手インスティチューション 3/n 実例:多項式

「構文付き変換手インスティチューション 2/n 実例:モノイド」でモノイドに関する実例を出しました。この記事では別な実例、多項式に関わるインスティチューションを紹介します。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1}…

構文付き変換手インスティチューション 2/n 実例:モノイド

「構文付き変換手インスティチューション 1/n」で言い残していることはあるのですが、いったんそれは棚上げにして構文付き変換手インスティチューションの実例を挙げます。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \new…

構文付き変換手インスティチューション 1/n

随伴系、モナド、モナドのアイレンベルク/ムーア代数、自己関手のランベック代数、ベックの分配法則などを扱っていると、こういうモノ達を系統的に組織化したい、という気持ちになります。代数的構造の組織化のためには、ゴグエン/バーストル〈Joseph Gogu…

可換環の種別と分類基準

とあるテキスト(書籍)の代数(分野)に関する記述で、幾つかの種類の可換環が登場するのですが、分類の基準がよく分からない。なので、ちょっと伺ってみたり調べたりしてみました。分類された各クラスに所属する/所属しない可換環の実例や、クラスの相互…

2-圏のなかのスパンのあいだの射

1-圏(通常の圏)のなかでスパンを考えた場合、スパンのあいだの射の定義は簡単です。2-圏のなかだと、スパンの射の定義も難しくなります。「環境付き計算と依存アクテゴリー 1/n // 2-圏内のスパンのあいだの射」で述べたように、1-圏と2-圏では事情が違っ…

環境付き計算と依存アクテゴリー 3/n

「環境付き計算と依存アクテゴリー 2/n」の続きです。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \newcommand{\In}{\text{ in }} %\newcommand{\u}[1]{\underline{#1}} %\newcommand{\twoto}{ \Rightarrow } \newcommand{…

環境付き計算と依存アクテゴリー 2/n

「環境付き計算と依存アクテゴリー 1/n」の続きです。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \newcommand{\In}{\text{ in }} %\newcommand{\u}[1]{\underline{#1}} %\newcommand{\twoto}{ \Rightarrow } \newcommand{…

環境付き計算と依存アクテゴリー 1/n

カプチ/マイヤース〈Matteo Capucci, David Jaz Myers〉の依存アクテゴリーは、アクテゴリーと二重圏の中間にある、ほど良い感じの概念的フレームワークです(「依存アクテゴリーが面白い」参照)。まだ定義さえハッキリしない状態ですが、僕は期待してます…

すべての随伴系達が作る構造は?

最近、二重圏に興味を持っています(「二重圏、縦横をもう一度」参照)。モナドや随伴には昔から興味を持っています。すべての随伴系〈adjunction〉達を二重圏、あるいは2-二重圏に組織化することを考えたことがあります。 随伴系の二重圏 (2019年) 2-二重圏…

依存型理論の圏論的セマンティクスの資料

「依存アクテゴリーに向けて」において: 当然に、アクテゴリーは依存アクテゴリーの事例となります。その他に良い事例はないでしょうか? 「最近の型理論: 拡張包括構造を持ったインデックス付き圏」で概要を述べた包括圏〈comprehension category〉が、依…

依存アクテゴリーに向けて

「依存アクテゴリーが面白い」という記事を書きました。実際僕は「面白い」と思っています。プロセスやシステムの記述と計算に使えそうだ、というところが心惹かれる理由でしょうかね。依存アクテゴリーはけっこう複雑な構造なので、定義を書き下すだけでも…

依存アクテゴリーが面白い

とあるキッカケがあって、マッテーオ・カプチとディビッド・ジャズ・マイヤースの講演アブストラクトを眺めてみました。 [CM23] Title: Constructing triple categories of cybernetic processes Authors: Matteo Capucci, David Jaz Myers Date: 2023/11/11…

ファイバーとシグマ構成

この記事は、他の記事で述べていなかった(抜け落ちていた)事項を説明します。他の記事(過去記事も含む)から参照することを目的にしています。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\cat}[1]{ \mathcal{#1} } \newcommand{\In}{\text{ in }…