いずむうびい謹製音楽映画ベストテン

毎年恒例ワッシュさんの映画ベストテンに参加します.

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20151031

今年は音楽映画!なるほどそうきましたか〜って感じですね.はたと気付いて音楽映画.選考基準に“音楽がストーリー上で重要な役割を果たしている映画”とありますが,そうなると音楽映画ってけっこうジャンルレスになりますよね.まぁ、ピンときたものをササッと選んでみました.では,さっそく.


音楽映画ベストテン

01.『黒猫・白猫』(1998)監督:エミール・クストリッツァ
02.『キル・ビル Vol.1』(2003)監督:クエンティン・タランティーノ
03.『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』(2008)監督:ジェームズ・D・スターン,アダム・デル・デオ
04.『ONCE ダブリンの街角で』(2006)監督:ジョン・カーニー
05.『(500)日のサマー』(2009)監督:マーク・ウェブ
06.『ジャージー・ボーイズ』(2014)監督:クリント・イーストウッド
07.『Ray/レイ』(2004)監督:テイラー・ハックフォード
08.『あの頃ペニー・レインと』(2000)監督:キャメロン・クロウ
09.『リンダ リンダ リンダ』(2005)監督:山下敦弘
10.『タイヨウのうた』(2006)監督:小泉徳宏


ハイ,こうなりました.



10位には活動休止中のYUI唯一の出演映画.見た当時は知らなかったんですが,どうもYUI本人の実人生と重なる部分の多い作品だったようで,あの熱演はその辺りが影響したのかな〜と.主題歌にある「できれば悲しい思いなんてしたくない でもやってくるでしょう」のところが最高にグッとくるのだ.カラオケで女子に歌ってほしい曲ナンバーワンであります.


9位はみんな大好き『リンダ リンダ リンダ』.音楽映画の特徴として「ラストにドォーッと盛り上がる歌/演奏シーンがある」ということがいえると思います.その意味では『オーケストラ!』(2009)もたいへん素晴らしいんですが,やはりペ・ドゥナ前田亜季香椎由宇,そして大好きなBase Ball Bear関根史織という惑星直列を見せてくれるこの映画を選びました.


08位の『あの頃ペニー・レインと』は「音楽」特有のロードムービーであることが素敵だ.07位『Ray/レイ』は「演技力」というより純粋に「歌唱力」に驚かされる貴重な映画体験となった.06位の『ジャージー・ボーイズ』はシンプルに楽曲が最高.サントラヘビロテであった.


05位に入れた『(500)日のサマー』はやや変化球気味だけど、ザ・スミスが物語のきっかけになっているし,音楽という共通の趣味から恋が始まり,その喜びがこれでもかと音楽で表現されている.いま思えば,話題になった一風変わった映像構成は,まるでシャッフル再生でその時々を彩った音楽を聴いているようではないか.そういえば冒頭のナレーションに「これはラブストーリーではない」とあった.これは紛れもなく音楽映画でしょう.


04位『ONCE ダブリンの街角で』にはもはや言うことがない.秋が深まるこの時期になると,毎年この映画のことを思い出している.03位の『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』はタイトルにあるとおり,ブロードウェイミュージカルの名作コーラスラインへの出演をかけたオーディションに密着したドキュメンタリー映画.これはね,当たり前のことを言うようですが,本気で頑張ってる人はホントに凄いなと.ものすっっっっごく感動させられたのを覚えてます.技術や才能がある人には,それだけドラマがあるのだ.ブロードウェイの舞台へ人生を捧げる人々の大傑作です.余談ですが,ダンスとかをやる人たちのダンス着?をたらふく見れるのも眼福です.普段着でも部屋着でもないけれど,組み合わせがユルくて,それでいて戦闘モードなカンジの服装,イイよね.


02位『キル・ビル Vol.1』.ここからは作品のつくり云々よりか,個人的な思い入れに偏ります.高校生のときに見たキルビルはとにかく衝撃だった.この映画をきっかけにタランティーノ映画をくまなく見るようになったが,こと「映画」において「音楽」とは重要なものなのだと意識させてもらえるようになったのは,この映画で口笛や怨み節などを聴いて「なんだこの音楽?!」と思えたことが始まりだったと思う.Vol.3,見たいんだけどなぁ〜.


そして,01位は『黒猫・白猫』.エミール・クストリッツァ監督作品でナンバーワンに好きな映画であり,オールタイムベストにも必ず入ってくる大傑作だ.なぜ音楽映画に選んだかというと「ジプシー音楽」に触れる原体験になったからだ.ジプシー音楽,とにかく訳が分からない!ブンシャカブンシャカブーブーブーブー.叫びにも似た歌とさまざまな楽器をがなり立てるその音楽は,それまでまったく聴いたことのないものだった.何しろ,聴いていて呼び起こされる感情というのが「泣き笑い」とか「怒り楽しい」といった,どうにも説明のしにくい綯い交ぜになった感情なのだ.音楽の幅広さと奥深さに驚嘆させてもらえたボクにとっての音楽映画ベストです.

ハイ.以上です.

今年も楽しい企画をありがとうございました.音楽映画.これからいろんな人のベストを読むのが楽しみです!それでは,集計のほどをよろしくお願いいたします.