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2009-02-08

[][]エロマンガの断面図についての話、とか

本日の話はエロ寄りですので、続きは折り畳んでおきます。

18歳以上で、そういう話題を許容できる方は先にお進みください。




昨日(7日)、酔拳の王 だんげの方の管理人だんげさんが開催した飲み会に参加しました。

エロマンガの話をし続けるという趣旨です。


因みにこの日は僕の誕生日でした。いったい僕は何をやっているんでしょうね。(´ω`)


僕の誕生日のことはさておいて、まぁとにかく濃い飲み会でした。

参加者の皆さんは紛うことなき変態でしたよ(褒め言葉ですよ、もちろん)。


参加なさった方々にはエロマンガのレビューを積極的に行っておられる方も多く、たいへん興味深い話も数多く拝聴させて戴きました。皆さん、明確な目的意識に基づいてエロマンガの紹介・考察を行っておられるという印象です。

で、いろいろ話を聞いたなかから、エロマンガの「断面図」の描写について少々書いてみようかと思います。


断面図描写と言えば、ジョン・K・ペー太さんが有名です。この人の描写がきっかけとなって、断面図描写が広く受け入れられて(?)いったと考えて構わないと思います。

僕が大意を曲解していなければ、参加者の方が仰っていたのは「断面図描写はそれ以前からあるが、なぜある時期に広まったのかがよく判らない」というものであったかと。


確かに断面図描写というのは、かなり長い歴史を持っているのですよね。

僕が確認した限りでは、1982年には既に存在しています。


f:id:m-kikuchi:20090208181645j:image


それがこちら。

山上たつひこさんの『青春山脈』という短篇です。

漫画アクション」増刊、「スーパーフィクション12」1982年11月9日号に掲載されました。現在は短編集『能登の白クマうらみのはり手』に収録されています。(上掲写真は同短編集43ページ。)



因みにこの話、イボグリ君という卑劣漢が主役です。イボグリ君が当り前のように漬物石を女性の頭に投げ付けて、気を失ったところを犯してしまうという。その際の描写なのですね、この断面図は。・・・おっと、言い忘れていましたが、ギャグマンガですよ。かなりブラック且つアナーキーな内容ですけどね。


このコマ、マンガ評論における記念碑的な作品、『マンガの読み方』でも言及されています。


マンガの読み方 (別冊宝島EX)

マンガの読み方 (別冊宝島EX)

絶版なんですよね・・・。別冊宝島ムックだから、復刻・文庫化も難しいのかな。)


たけくまメモ竹熊健太郎さんが執筆した『マンガは「性器」をどう表現してきたか?』というコラム(前掲書120〜124ページ)にて取り上げられています。そしてそれによると、


大昔のエロ本には、よく「医学図解」としてこういった図が掲載されていた。医学記事ならズバリを掲載してもかまわないという、苦肉の策であった。


(『マンガの読み方』124ページ。)


とあります。

このくだりに、興味深い点が幾つかありますね。



【それ以前にも断面図が存在していた、ということ】


「大昔のエロ本には〜」という箇所ですね。

大昔というのがいつ頃を指しているのかは不明瞭ですが、戦後間もない時期のカストリ雑誌とかにもあったのでしょうか。これは現物に当たらない限り判らないので*1、専門の方々の調査に期待したいところですね。



【元来、断面図は苦肉の策であった、ということ】


苦肉の策だった訳ですよ、断面図は。

より激しいエロ描写をしたいものの、直接的な描写は厳しく規制されているので描くことはできない。それでも描くためには・・・と試行錯誤したうえでの抜け道的な描き方だったということですね。少なくとも1982年の時点ではそうだったと考えられます。

そしてジョン・K・ペー太さんが注目されるのは2004〜2005年頃でしょうか。20年と少々の年月が経過しています。そしてこのあたりでは、断面図がエロ表現の一形態として認知されている感があります。

いつ頃、如何にしてこのような価値の逆転が起こったのか、というのは気になるところですよね。*2


2005年に出版された『ジョン・K・ペー太の世界』には対談記事とか伊藤剛さんのコラムとかも収録されているようなのでそのあたりにも言及があるのかもしれませんが、出版社が倒産したため入手困難なんですよね・・・。買っておくんだったなぁ。



と、今日はこんなところで。

*1:山本明『カストリ雑誌研究』や北原童夢・早乙女宏美『「奇譚クラブ」の人々』とかも調べてみましたが、断面図は転載されていませんでした。

*2:この点に関しては、エロ描写(とりわけ性器の描写)の規制が緩くなってきているのと相関関係なのかも。性器の描写よりも過激で、目新しい表現としての断面図といった具合。

kxxtkxxt 2009/02/09 18:48 http://en.wikipedia.org/wiki/File:Coition_of_a_Hemisected_Man_and_Woman.jpg
ダ・ヴィンチの男女性交断面図です。こんな時代からあった、ということで。

m-kikuchim-kikuchi 2009/02/10 00:03 >kxxt さん

コメントありがとうございます。
この断面図、驚きました!まさかのルネサンス。いやダ・ヴィンチなら当り前かもしれませんね。

そういえばかわぐちかいじさんが『沈黙の艦隊』の後に描いた『COCORO』っていう、若き日のダ・ヴィンチを主役にした物語で、遺体を真っ二つに切って断面図をスケッチしている描写があったのを思い出しました。

稀見理都稀見理都 2009/02/11 14:09 先日はどうも(^_^;
断面図に関する記事は私も書こうと思っているのですが、やはり資料不足、情報不足から未だに書ききれていません。
誰が最初に用いたという部分では、まさにダヴィンチまでさかのぼる部分ではあるので、問題なのはリビドーとしての断面図、というパラダイムシフトがどのように起こったのか? と言う部分が重要ではないかと、最近は考えるしだいです…

m-kikuchim-kikuchi 2009/02/12 00:14 >稀見理都さん

先日はお世話になりました。そしてコメントありがとうございます。

>リビドーとしての断面図、というパラダイムシフトがどのように起こったのか?

やはりこれは重要なところですよね。根拠なしの印象では2002〜2003年頃なのかなという気もしますが、「どのように」となると僕如きでは完全にお手上げです。(´ω`;)
エロマンガはごく僅かな例外を除いて殆ど版を重ねないというのも、調査を難しくしていますよね・・・・。

なーかねなーかね 2009/02/12 18:30 具体的にどの本、と書名までは挙げられませんが
70年代(もしかしたら80年代初頭?)のHow to SEX本で、体位を紹介する際に断面図がよく使われていました。KKベストセラーズの新書とかその辺りの本です。今でも古本屋のエロコーナー辺りにゴロゴロしてますから、一度手にとってみてはいかがでしょうか(専らビニールをかけられているでしょうが)。
山上さんはそこからヒントを得てマンガにしたのでは?という気がします
(根拠ナシの話ですまん)

m-kikuchim-kikuchi 2009/02/12 19:26 >なーかねさん

初めまして!と白々しく言ってみます。(^ω^)

KKベストセラーズですか〜。盲点であると同時に納得ですね。
よく使われていたということは、やはり使いやすい素材ではあるということですね。参考になります。
あとの疑問は上のコメント欄でもあるように、如何にして断面図そのものがエロの対象になったかということですね。

古本屋に行く機会があったら捜してみますよ。

天気相4天気相4 2009/10/30 12:46 はじめまして!

エロマンガ断面図を見るたびに「イボグリくん」を思い出してたのですが
ここで言及されててたいへんスッキリしました
文庫版「半田溶助女狩り」で初めて目にしたときには
「山上たつひこ・・・恐ろしいお方だ・・・」
と感動さえ覚えたものです
あれを見た日にセーラームーンの番宣告知がなされていたんだなあ・・・

あとKベスはイボグリ執筆時期よりかなりあとで、山上先生のスタイルからみても、やはり医学書などからの着想なのではないかと思います

生意気云ってすいません

タピオカタピオカ 2009/11/25 08:55 春画にも在ったらしいですよ。(見てはいませんが)

タピオカタピオカ 2009/11/25 08:57 春画にも在ったらしいですよ。(実際に見たわけではないですが)

タピオカタピオカ 2009/11/25 08:58 ↑すいません。missで連米してしまいました(汗)

kaorikaori 2010/10/25 23:40 ttp://blog.livedoor.jp/jumpmeikko/archives/1067258.html

断面図が3次でもあるようですね

隆太隆太 2010/11/06 22:25 藤子不二雄SF短編の「宇宙人レポート サンプルAとB」にも断面図によるセックス描写があります。
ネットで調べると初出は1977年ですからイボグリくんより前ですね。

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