寄生虫ひとりがたり

2016-08-26 バイカルの美味

ロシアのお土産に今年もオームリの燻製を買ってきました(ただし、バイカル湖には行っていません)。1匹は、今年リニューアルしでバイカル湖の展示コーナーができたB博物館に献上し、あとの2匹は今日、バーベキューを兼ねて試食会をしました。オームリはサケ科の魚ですが白身で、味はものすごく脂の乗ったアジとサバを足して2で割ったような感じです。現地では燻製や酢漬けで賞味されます。刺し身にしたらさぞ美味しいことでしょう。実際にバイカル湖の漁師は生でも食べるそうですが、そこはサケ科なのでサナダムシを覚悟しなければなりません。でもサナダムシがいてもいいから一度刺し身で食べてみたいと思います。

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オームリごはん。塩が効き、脂の乗ったオームリの燻製はご飯が進みます。お茶漬けも美味しそうですね。

2016-08-24

午前中会議,午後は納入されたパソコンのセッティング、WinとUbuntuなので分からないことだらけ。本を謹呈したN大先生からはたっぷりダメ出し付きのメールが来て、暑いのに冷や汗だらだら。もう正誤表を挟みたい気分になってくる。6月のフィリピンでのシンポで知り合いになったシンガポールの大学院生から別刷りが送られてきた。シンガポールのペットショップで発見された外来貝類のリストと遺伝子バーコードのデータである。59種も見つけたんだって、すごいなあ…。そしてプロポーザルは進まない…。

2016-08-22 細々

モンクロシャチホコの毛虫の出現にそこはかとなく秋の訪れを感じながら、レポートの採点を終わらせて成績を集計して提出し、教育実習生のノートを読み,足りない試薬を発注し、何本かのメールに対応し、週末にまた産卵したべべの水槽を掃除し、ロシアのお土産類を片づけて一日終了。明日からはプロポーザル地獄に突入する予定。がんばるぞー。

ヨタ 22:07

昨日、FBの方で某博物館関係者が「関西にゴジラがやってきたらホネを標本にして博物館のエントランスに飾る」という発言で盛り上がっていた。そう、映画はゴジラが斃れておしまいだけれど、我々生物関係者にとってはその後の死体の処理がリアルな問題のだ。希少な(しかも非常に特殊な生態をもつ)生物の死体が手に入ったとなれば、研究材料および遺伝子資源として研究者間で奪い合いになるのは間違いなく、死体の帰属やらオーサーシップの問題で喧々諤々になるだろう。勿論、私も寄生虫を探しに解剖現場に駆けつける(笑)。

2016-08-21 中堀の夕暮

大学にエアコンの入らない休日,まだ旅の疲れも少しあったので,レポートの採点などをしながら家で過ごす。夕方,買い物ついでに中堀のオニバスの様子を見に行った。

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今年は少なくとも8株が育っており、発育は順調そうだ。浮葉直径は30〜40cmのものが多く、まだ最大サイズにはなっていない。開花は来月に入ってからだろう。

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ハスも今年はよく開花している。

2016-08-19 久しぶりに吠える

[][] 22:38

早速会議×2。ウチの大学のハラスメント講習(相談員への教育)は平成25年にスタートしたという話を聞いて目が点。…それまで相談員は何やってたの!? それに講習の時期も遅すぎる。毎年、講習をもっと早くして欲しいという要望が出ているそうだが、それなのに今年の講習は7月下旬。ハラスメント相談は時に一刻を争う可能性さえあるのに、4月から新しく任命された人が1年の1/3近くも相談員としての役割を果たせないなんてありえない。暢気にもほどがある。「講習は4月に実施して下さい!」と一喝。さらに、今年の講習はハラスメント相談員および希望者を対象として実施したというのだが、ちょっと待て、ワシ(非相談員)はそんな話は知らない。「講習の案内、全教員に対して出しましたか?知っていたら受講していました」と聞くと、「いえハラスメント相談員の先生方だけに出して、他に受講希望者があればお伝えして下さい、とだけ」という返事。それじゃ私に伝わるわけがなかろう。なんかあれこれとちぐはぐな体制である。この1年でどこまで矯正できるかな(ため息)。

これもマーフィー 22:38

やっと自著の現物を手にした。ぱらぱらとめくってみた…そして、校正ミスを見つけた…。

2016-08-18 祝リニューアル

17日ぶりの大学出勤。メールには出張中にも対応できたものの、郵便受けは満杯で、今日中に対応しなければならない案件も来た。とほほ。

とは言え,今日は午後からB博へ行くと決めていた。リニューアル後の展示を見に行くついでに、ようやく出版された本を贈呈し、もう一つついでにリニューアル祝い兼ロシアのお土産として買ってきたオームリの薫製を渡すためである。アポ無しだったが、Gさんが寄生虫の新しい展示を案内してくれた。

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寄生虫は、節足動物や環形動物と一緒に「その他の無脊椎動物」のコーナーを作っているが、コーナーの7割程を寄生虫が占め、お馴染のエビやザリガニ、プラナリアは端の方へ追いやられていた。何だか非常に優越感を感じてしまう(笑)。

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そして、田んぼの生物コーナーでは、ハッタミミズがついに常設展示入りを果たした。右に、ガラス球入りの水槽に潜らせたハッタミミズ、左には泥をいれた糞塊の展示。泥に指の跡が沢山ついていたところを見ると、解説の時間には掘り出して見せるのであろう。中央には,記録のある最大のハッタミミズと同じ長さのコードを使ったハンズオン展示がある。現在、ハッタミミズの最長記録は96cmだが,これからもっと記録が伸びれば,展示のコードの方も伸ばしてゆくつもりなのだろう。

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ハンズオン展示は人気があり、何組もの親子が「○○ちゃんと同じぐらいだー!」と、子供の身長と比べていた。

2016-08-16 サービス向上?

最終日、今日は昨年も行った鉱物博物館(こちら側のたっての希望による)と、新しくできたシベリアの民俗野外博物館を見学。前者は昨年と同じ研究員のおばさんが、昨年と同じく「open pit, rrro-ten-bo-rrri!」(※巻き舌のr)「meteorite, in-seeee-ki!」と日本語の専門用語を駆使して面白トークを繰り広げてくれた。

後者の方は、数万年から数千年前〜数百年前のシベリア先住民による石のレリープや彫刻を中心にし、17世紀頃のシベリア開拓時代の木造建築を移築してある。イルクーツクにもこういう明治村のような所があった。

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数千年前の石碑に掘られたシカ。日本の銅鐸の絵なんかと感じが似ている。

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こちらはぐっとデザイン性を増したトナカイのレリーフ。説明をする学芸員さん。

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やや時代が下がって、写実的なヤギの文様。

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石に彫られた人物像は墓標だそうだが、なんとも味わいのある顔。

研究所に戻った後、いつもの市場でお土産の買い出し。皆の買ったものはポルチーニ、松の実、スメタナ、オームリ薫製、スパイス詰め合わせ(店頭では何種類ものスパイスが並んでいて、シャシリク用など料理の種類に合わせて店員さんが調合してくれる)、グルジアの丸パン、プーチンのTシャツ、ロシアっぽい柄のクッションカバー等。市場で買い食いする出来立てのサルサ(挽き肉入りのパイ)やピロシキはやっぱりおいしい。

夕食後、深夜にノボシビルスク空港へ。ここも年々工事が進んで綺麗になっていく。ロシアのパスポートコントロールにはトラブルが付き物なのだが,今回は係員から「元気デスカ?ワタシ日本語チョトワカリマス」と話しかけられて仰天。K谷さんも、いつも無愛想なセキュリティチェックのお姉さんが優しいといって驚愕。いったいどうしたのかロシアの空港。何か凄い方針転換でもしたのだろうか?

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*1:その後、韓国で仁川から金浦空港へ移動したS先生とK谷さんはシベリア航空の係員に起因するトラブルに巻き込まれ、危うくロストバゲージ寸前であったとのこと。やっぱりロシアの空港はまだロシアなのだった。

2016-08-15 シベリア鉄道見物記

朝9時過ぎ,隣のショッピングセンターにバッグを買いに行こうとしたが、まだ開店前であった。しかし、道端の露店はそろそろ店開きをしていて、そこに現れたのは野生のキタリス。松の実を売っていたおじさんが売り物の松ぼっくりを投げてやるとさっそく拾って林へ戻っていった。

10時、ナターシャさんが迎えに来てノボシビルスクの動物分類生態研究所へ。そこでS先生は滞在費の精算をし、その間他のメンバーは日本へ送る標本のリストを作ったり(ロシアからの標本持ち出し手続きはかなり面倒である)、展示室を見学したりして過ごす。

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昼食後.1、2時間ほど時間があったので、かなりの「鉄」であるS先生とK谷さんのたっての希望によりノボシビルスク駅へ。私もこの駅を近くで見るのは始めてである。比較的新しい駅だが,小さなおとぎのお城のようで、大変優美な駅舎である。極東に1ヶ月ほど滞在したことのあるM君が「ハバロフスクに似ている」と感想を漏らしたが、そういえばこのアイスクリームのようなパステルカラーはハバロフスクの高層住宅などにもよく使われていた。

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木製の窓枠で囲まれた切符売り場もクラシックな風情がある。天井にはシャンデリア。

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おそらく世界一広い範囲をカバーしていると思われるロシアと周辺諸国の路線図。示されているのは旧ソ連の範囲の国々である。ソ連が解体した後も鉄道は共同で運営しているのだろうか。右端にはウラジヴォストク、真ん中あたりにノボシビルスク、左下にはバクー、エレバン等の地名が見える。ロシアの大きさをつくづく実感する。

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電光掲示板には、モスクワーウラジヴォストク間を走るシベリア鉄道の列車も表示されていた。長距離列車はノボシビルスクに2時間ぐらい停車するようである。

夜8時頃、アカデムガラトクのホテルへ戻り、ショップへ出かけてバッグの確保。これでなんとか帰りの荷造りができそう。

2016-08-14 再びノボシビルスク

フィールドステーションを畳んでノボシビルスクへ戻る日である。今朝も雲一つない快晴、今回は本当に天気に恵まれた10日間だった。朝の気温12.4℃。

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6時半に起きて最後の鳥見に行く。普段なら朝6時ごろにはユーリさんが釣りに行くので、桟橋周辺の鳥は飛んでしまっているのだが,今日はさすがに誰もいないので静かに生き物を探せた。桟橋のすぐ横で、例の黒いアメリカミンクが盛んに首を伸ばして何かを狙っていた。草むらに潜ったので近づいていくと、物陰からしっかりとこちらを伺っていた。

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朝10時にフィールドステーション出発、午後5時半にノボシビルスク着、すぐにアカデムガラトクへ移動。ホテルにはナターシャ夫妻が来てくれていた。調査が無事に終了したことを報告し、明日の予定の打ち合わせ。

夕食後にホテルの自室へ帰ったところ、スーツケースの鍵を紛失したことに気がついた。慌てて先ほど買い物をした店の周りなどを探しに行ったが見つからない。仕方なく、ホテルのフロントに頼んで鍵を壊してもらった。こうして、20年来の旅の友はシベリアの地に果てたのであった。明日、代わりのバッグを何か手に入れなければ。

2016-08-13 イタチ、貝、オジロワシ

フィールドステーション滞在もあと1日。深夜のルーチンはK(小)君に任せたので,早朝のルーチンは私がやることにした。ついでに、寄生虫と貝の低酸素に対する応答を見ようと、M君の朝6時の測定に付き合ってヨシ帯で採水。帰りに、ステーションの近くの草むらで何か毛皮を着たものがヨタヨタと走るのを見つけ、とっさに写真を撮った。あとで見ると、丸々としたドブネズミをくわえたステップケナガイタチ(所謂フェレットの原種の一つ)と判明。今年は哺乳類の当たり年らしい。

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低酸素水に入れたモノアラガイは、別段のこともなく動き回っていた。考えてみれば有肺類は直接空気呼吸ができるのだから(下の写真。矢印が空気の取り入れ口)、少々の低酸素環境ではこたえないのは当たり前かもしれない。しかし、それならなぜ、溶存酸素の少ないヨシ帯内部に貝はいないのだろうか。貝が多いのはだいたいヨシの途切れたギャップか、川の近くなのだ。

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昼にデータを取り終わり、結果をまとめてみた。結果を一言で言うと「寄生虫(宿主の貝かもしれないが)も時差ボケする」ということになった。午後はラボの片づけをし、空き時間に三々五々、最後の自由時間を楽しんだ。9日にオジロワシを見たベチュラの林はねぐらだと思われたので,もう一度撮影に挑戦しに行ってみた。止まっているところを見つけようと林の木々をチェックしながら歩いたのだが,結局こちらが見つける前に飛び立たせてしまった。わずか10mほどの距離だった。急いでカメラを構えたがやはりピントが合わず、せっかく至近距離まで寄れたのに残念な結果になった。

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2016-08-12 黄昏

今日も快晴。朝8時からラストの補足実験セッティング、今回は貝の数が少ないので作業はそれほど大変ではない。セットが終わってから待ち時間の間に軽く鳥見、カワウ幼鳥が飛ぶのを見る。今年はペリカンを見ない。

朝ご飯に農家のスメタナ登場。今年のは乳脂肪分が高くて固まっており、少し酸味のあるクロテッドクリームといった味わいで、市販品のスメタナ(乳脂肪分15〜25%程度)とは全然違う。蜂蜜と一緒にパンにつけると、コレのためなら悪魔に魂を売りかねないほどの誘惑の塊となる。ナターシャ(小)に、こんなスメタナをノボシビルスクで買えるかどうか聞いて見ると、村でしか買えないそうだ。それでもめげずにM君が、帰路に村に立ち寄って買えるかどうか尋ねると、ドライバーのユーリさんに頼んでくれることになった。ちょっと希望が湧く。

昼の気温25℃。昼のルーチン作業の後、M君とK(小)君を誘ってトンボのオーリャさんのプライベートミュージアム見学に行く。例のセーニャの息子ネコのマルセイユ君がいた。チャニー湖周辺エリアの昆虫や哺乳類の標本の数々にM君大はしゃぎ。

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夜10時半頃のフィールドステーション。日没後1時間ほど経っているがまだ西の空は明るい。今夜はペルセウス座流星群の極大日なので、11時ごろから30分ほど空を眺めてみたが結局1つも見えず。

2016-08-11 フル回転〔続き)

晴れ,朝の気温15℃。朝6時半にルーチンの作業開始。朝ご飯までに昨日(というか今朝)の深夜サンプル6つのセルカリアをカウント。

朝ご飯にカッテージチーズが出た。これにスメタナのようなクリームと砂糖を混ぜて食べる。ロシア語の名称を聞いてみたが発音はかなり難しい。食後、しばらく二度寝。

午後1時にこの実験の最終ルーチン。K(小)君とナターシャ(小)の努力でデータ取り終了、幸い11個中9個の貝がちゃんと生存し,データになってくれた。

午後はしばらく休養してから初日に捕まえたカエルを解剖することにする。K(小)君が管理していた3匹がいつのまにか死んでしまっていたので、網を持って再びカエル取りに出撃、すぐに代わりの3匹を捕まえてきた。K(小)君が解剖して,線虫・吸虫成虫・メタセルカリアを見つける。線虫は日本のと同属らしいが種は不明。これは他の院生たちへのお土産。