3時のアッコちゃん

柚木麻子著 2014年双葉社刊行 初出誌「小説推理」(2012年〜2014年)
ランチのアッコちゃん』の続編。以下の短編4本。

前作品同様、アッコちゃん=敦子が直接的に関与するのは前半2本。後半2本はチラッとだけ登場。
4本共通して言えるのは読み終わって前向きになれること。キチンと食べ、栄養を摂ることによって、考え方まで変わることには納得。腹が減っていると、糖分が足りていないと短気になる。
好きなのは後半2本。シュシュの話の最後は可笑しい。最後の就活の話は読んでてツラく、胸が痛くなるけど、この苦労を乗り越えて生きる道筋を自分で見つけられたことがとても嬉しくなる。
敦子が言う

でも私は、それでも暗闇に青い光をともす仕事がしたいのよ。どうせ仕事しなきゃいけないんだったら、誰かの役に立ちたいの。もしかして、それでどこかの誰かが救われる可能性があるならそれでいい。

というのが好き。(少し伊坂幸太郎の世界っぽい。)
また、

すべてのビジネスの基本は想像力じゃないの。想像力を働かせれば、クリスマスにシャンパンを買わせるくらいたやすいことよ。人は何にお金を払うか?それは想像力とプロの手間とサプライズになのよ

というのはもう一度心に刻んでおこうと思った。
とても面白かった。

3時のアッコちゃん

3時のアッコちゃん

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