風紋 下

乃南アサ著 2014年双葉文庫
1996年文庫版が発刊され今回のは新装版。解説(香山二三郎)有り。
上巻の続き。上下巻で1200ページ超の

“事件”に関わる“人間”をあますことなく描いた大作。

である。
結局、加害者以外みんな被害者である。だから事件を起こしてはいけないのだ。
最後、被害者の娘が精神的安定を少しづつ取り戻し、前向きに進んでいく様子が見られるのが良かった。自分にとって大事件が発生したとき、それを咀嚼し、風化とは言わないまでも踏ん切りを付けるまでの時間が必要。それを支えてくれる人も必要。

年と共にね、怪我の治りも遅くなるでしょう。心の傷も、一緒なの

年を取ると思い出が多すぎて踏ん切りを付けるのに時間がかかるようになる。
加害者の奥さんのタフさはスゴい。それくらいにならないと乗り切れないのだろう。
もう少し短くても良かったかも。

風紋(下) 新装版 (双葉文庫)

風紋(下) 新装版 (双葉文庫)

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