あしたの君へ

柚月裕子著 2016年文藝春秋刊行
初出誌「オール讀物」(2014年〜2015年)

  • 背負う者
  • 抱かれる者
  • 縋る者
  • 責める者
  • 迷う者

家裁調査官(補)のお仕事&成長物語。
とても読みやすく読後感も良い。
しかし、書かれている内容は身近にありそうな事象であり、
子供が絡んでくるととても胸が痛くなる。
「背負う者」の子供のように自分が子供に何か重いものを背負わせてないか心配になる。

人間は機械じゃない。
完璧な人間なんていないよ。
その人間の欠けている部分を認めるところから、
相手への理解がはじまるんじゃないかな

という言葉がとても印象的。
「迷う者」に登場する子供の叫びがとても胸が痛い。

子供にとっては、本当の親も嘘の親もない。
自分を愛してくれる存在が親なのだ。
子供がこの世に生まれる前の親の事情など、本人には関係ない。
大人の事情など、親の身勝手でしかないのだ。

まったくそのとおり。
大人の身勝手で子供を振り回すことないようにしたい。
とても良かった。

あしたの君へ

あしたの君へ

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