掟上今日子の婚姻届

西尾維新著 2016年講談社刊行 書き下ろし

  • 序章 掟上今日子の講演会
  • 第一話 隠館厄介、取材を受ける
  • 第二話 隠館厄介、嫌われる
  • 第三話 隠館厄介、脅される
  • 第四話 隠館厄介、好かれる
  • 第五話 隠館厄介、断る

忘却探偵シリーズ第6弾。
厄介が災難に巻き込まれてそれを探偵の掟上今日子が解決する。
今回は事件というより災難。
災難を振り撒いているのがメンヘラ系の女性であり、
なぜ厄介が災難に巻き込んだかと言うと、
厄介が破滅傾向のある男性だからというのも少し物悲しい。
なぜ破滅傾向の男性を選ぶかというと、
子供の頃の事件を隠すためというのが面白い試み。
全然分からなかった。
本人は思い出を上書きしたかったようではあるが。
あとがきの西尾維新の話がとても面白い。

ありもしないトラウマにこだわって、出来事の本質自体はもう失っているのに、その幻影がいつの間にか本質になり、本体になっているという…

出来事そのものよりも、それをどう思うのか、どう思い出すのか、いわば記憶に対する意味づけというか、味付けというか、それをコントロールできるようになれば、どんな嫌な思い出も美化できるようになるのかもしれませ

というのがすごく納得。
悪い思い出にとらわれることなく、ひきずることなく、
良くない出来事があったなぁ程度に思えるようになりたい。
次は『家計簿』!

掟上今日子の婚姻届

掟上今日子の婚姻届

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