Hatena::ブログ(Diary)

あわわ

2018-04-07

増山超能力師大戦争

誉田哲也2017年文藝春秋刊行
初出「オール讀物」(2016年2017年)
増山超能力師事務所』の続編。
やっと続編が出た。今回は長編。
しかもどうやら超能力を良くない方向に使おうとする連中と
手段を選ばずに守ろうとする組織と
それに巻き込まれる超能力師の事件でとても面白い。
「超能力で相手を催眠状態に陥れる、自在に暗示を掛けて操る」
というのは怖いし無敵になるし
本当に超能力戦争になってしまいそう。
続編もありそうだしとても楽しみ。
アリスちゃんはどう成長していくのか...
これもしっかりと描いてもらわないと悶々としてしまいそう。

増山超能力師大戦争

増山超能力師大戦争

@2017年@図書館

2017-03-06

あしたの君へ

柚月裕子著 2016年文藝春秋刊行
初出誌「オール讀物」(2014年2015年)

  • 背負う者
  • 抱かれる者
  • 縋る者
  • 責める者
  • 迷う者

家裁調査官(補)のお仕事&成長物語。
とても読みやすく読後感も良い。
しかし、書かれている内容は身近にありそうな事象であり、
子供が絡んでくるととても胸が痛くなる。
「背負う者」の子供のように自分が子供に何か重いものを背負わせてないか心配になる。

人間は機械じゃない。
完璧な人間なんていないよ。
その人間の欠けている部分を認めるところから、
相手への理解がはじまるんじゃないかな

という言葉がとても印象的。
「迷う者」に登場する子供の叫びがとても胸が痛い。

子供にとっては、本当の親も嘘の親もない。
自分を愛してくれる存在が親なのだ。
子供がこの世に生まれる前の親の事情など、本人には関係ない。
大人の事情など、親の身勝手でしかないのだ。

まったくそのとおり。
大人の身勝手で子供を振り回すことないようにしたい。
とても良かった。

あしたの君へ

あしたの君へ

@2016年@図書館

2016-11-30

奥様はクレイジーフルーツ

柚木麻子著 2016年文藝春秋刊行
初出「オール讀物」(2011年〜2014年)

  • 西瓜のわれめ
  • 蜜柑のしぶき
  • 苺につめあと
  • グレープフルーツをねじふせて
  • ライムで半裸
  • 林檎をこすれば
  • 柚子の火あそび
  • ピオーネで眠れない
  • 桃の種はしゃぶるしかない
  • 柿に歯のあと
  • メロンで湯あたり
  • よそゆきマンゴー

セックスレスの物語。
分かる人にはとてもよく分かるし、分からない人にはなんじゃこりゃという感じかもしれない。
夫婦で居ることをやめなければ薄い膜越しかもしれないがお互いの肌の温かさを感じることが出来るかもしれない。
そして道具を利用しても良いのである。

奥様はクレイジーフルーツ

奥様はクレイジーフルーツ

@2016年@図書館

2016-11-28

ポーラースター ゲバラ覚醒

海堂尊著 2016年文藝春秋刊行
初出誌「オール讀物」「野生時代」(2015年2016年)
チェ・ゲバラ4部作の第一部。
青春編で医学生のゲバラが南米旅行をしてブエノスアイレスへ帰ってくるまでの物語。
サッカー場にはゲバラの弾幕があったりするから、ゲバラの名前を聞いたことがある。
でも時代背景もよく知らないし、南米の地理関係、国の対立関係もよく分からないので、
読むスピードが一向に上がらない。
旅行記のところは面白いのでそれなりに頭に入れて、
政治的な部分は飛ばし気味に読んだ。
四部作とのことだけど次を読むかはなかなか悩む。

あたしがしたのは慈善じゃなくて援助なの。
慈善は金持ちの気前のいい行為で、受けた人には屈辱が残るけど、
援助は社会的な不公平を改めて励ましになるの。

という言葉が印象に残った。

ポーラースター ゲバラ覚醒

ポーラースター ゲバラ覚醒

@2016年@図書館

2016-09-16

ままならないから私とあなた

朝井リョウ著 2016年文藝春秋刊行
初出「オール讀物」(2015年)、「文學界」(2016年)

  • レンタル世界
  • ままならないから私とあなた

両方ともとても良い。
「レンタル世界」については確かにこれを読むまでは自分で人間関係を築けよと思っていたけど、

確かにレンタル業は本物の人間関係じゃないよ。
でも、誰かをレンタルしたことによって、別の誰かとやっと築き始めた本物の人間関係の芽を守れるかもしれないんだよ。

という部分を読んでこういう関係でも今を切り抜けることで未来が拓けるかもと思ってきた。
そして表題作「ままならないから私とあなた」についてはとても胸に突き刺さる。
二人とも両極端ではあるけど、それぞれが正論なのだと思う。
現在、この両極端を結びつけるような仕事をしているわけだが、
もっともっと自分の役割を果たさないといけないと思った。

あなたの今までのやり方は間違ってますよ、とか、あなたのこれまでの努力は無駄だったんですよ、とか、そういうことを言ってるわけじゃないんだよ。ただ、こうすれば今までよりも簡単にできますよ、今後はこういう方法も使えますよってことを教えてるだけ。なのに、すっごく嫌がられるときがあるんだよね。そういう人って、今までのやり方が正しい、って信じて疑ってないの

こういう風に頑張ってきたつもりがいつの間にかこういう風になってしまっているような気がする。
最後の二人の怒涛の激論は何度でも読み返して自分に対して鞭打たないといけない。
この2編より相手を否定するのではなく受け入れた上ですり合わせる力をもっと持ちたいとも思った。
とても良い作品。

ままならないから私とあなた

ままならないから私とあなた

@2016年@図書館

2016-03-09

ギブ・ミー・ア・チャンス

荻原浩著 2015年文藝春秋刊行
初出「オール讀物」(2012年〜2014年)

  • 探偵には向かない職業
  • 冬燕ひとり旅
  • 夜明けはスクリーントーンの彼方
  • アテンションプリーズ・ミー
  • タケぴよインサイドストーリー
  • 押入れ国の王女
  • リリーベル殺人
  • ギブ・ミー・ア・チャンス

夢を追いかけていたり、夢を諦めそうになったり、夢を見失っていたり、そんな人たちの物語、短編8本。
最後に少しは前向きになれる終わり方。ホロリとさせるのは手馴れたものかも。
転がっているチャンスをつかみとるために挑戦を続けることが大事だよなと思う。

やっぱり、人を第一印象で判断してはだめだ、どんなところにもプロはいる。
ちゃんと仕事している人間は、みんなプロだ。真椰子だって、さとうきびづくりのプロである父親に、スチュワーデスにしてもらったのだ。

人生は確かに思い通りにはならないけれど、世間には誰のものかまだ決まってないチャンスがたくさんころがっていて、それを最初から無理だってあきらめるのは、これだけは誰もが平等に手の中に握っている参加券を、ゴミ箱に捨てるようなものじゃないのかと思うのだ。

というような言葉が心に残った。
「アテンションプリーズ・ミー」「ギブ・ミー・ア・チャンス」が良かった。

ギブ・ミー・ア・チャンス

ギブ・ミー・ア・チャンス

@2015年@図書館