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あわわ

2018-08-06

ネメシスの使者

中山七里著 2017年文藝春秋刊行
初出「別冊文藝春秋」(2015年2016年)

  • 一 私憤
  • 二 公憤
  • 三 悲憤
  • 四 憂憤
  • 五 義憤
  • 六 怨憤

"ネメシス"とは「ギリシャ神話に登場する女神の名前」とのこと。
復讐の女神」と言われてるけど

正しい語源は復讐ではなく義憤です

とのことらしい。
被害者および被害者家族と加害者および加害者家族について

加害者とその家族が手厚く遇され、被害者とその家族が蔑ろにされる、これが法治国家のあるべき姿なのでしょうか

と書かれているとおりではあるが、どうしたら良いか分からない。
自分の家族が被害者にも加害者にもならないことを祈るばかり。
もちろん自分が被害者にも加害者にもならないよう生きていくのはもちろんである。

自分が人ではなくなった絶望をいつまでも呪いながら死んでいってほしい

という考えから「懲役刑は長ければ長いほうがいい」という考えもあるのか...
これはまだ人間の心を持った加害者の場合だよなと思う。
人ではなくなった人間と矛盾してるけど。
人でないことを受け入れた人間にはやはり極刑しかないのでは。
難し過ぎる。

ネメシスの使者

ネメシスの使者

@2017年@図書館

2018-08-05

何者

録画してた『何者』を見た。@WOWOW

監督:三浦大輔
脚本:三浦大輔
原作:『何者』(朝井リョウ)
主題歌:『NANIMONO(feat.米津玄師)』(中田ヤスタカ)
出演:佐藤健有村架純二階堂ふみ菅田将暉岡田将生
製作年:2016年

原作も読んでいるので内容は分かっているが、
後半のSNS投稿のシーン、SNS身バレのシーンはキツいね。
実生活とは違う自分を演じたいのは分かるし、
他人を見下したい気持ちも分かるし...
でもやっぱり相対的に自分の価値を上げるのではなく
絶対的に自分の価値を上げるようにしないとね。
就活に関しては見ててツラくなる。
好景気が続きますように...

何者 DVD 通常版

何者 DVD 通常版

@2018年@WOWOW

2018-07-31

恋愛仮免中

2017年文春文庫刊行

初出「オール讀物」「別冊文藝春秋」(2015年2016年)など
窪美澄作品は読んだことがある。
全作品ともすべて心に沁み入る。
「あなたが大好き」も「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」も読み終わるとジーンとなる。

一緒に見なくちゃ、人類が火星に降り立つところを。
一緒に行かなくちゃ、宇宙に。
こちら島崎、応答願います。
沢野、応答願います。
応答願います。

このシーンを想像すると涙が浮かんでしまうし。
自分に置き換えると耐えられるか心配になる。
タイトルの『恋愛仮免中』に合うのは奥田英朗作品、窪美澄作品だけかもしれないけど。

@2017年@図書館

2018-07-27

暗闇のアリア

真保裕一著 2017年角川書店刊行
初出「小説 野生時代」(2016年)

  • 序章
  • 第一章 天から降る一本の糸
  • 第二章 過去をたぐる足跡
  • 第三章 暗がりから聞こえる声
  • 第四章 哀しき伴走者
  • 第五章 戦慄の前奏
  • 第六章 闇にささやく者
  • 終章

真面目なミステリー小説。
初期の頃の小役人シリーズや外交官・黒田康作シリーズに似ている。
でもあまりにも登場人物が多い上に登場人物の関わりが複雑で全然理解できない。
袋とじ付録で良いので登場人物相関図を付けて欲しかった。
これ誰だっけ?が多すぎて前に進まなくて流し読みになってしまうし、
せっかく読み直しても自殺退場が多すぎて...
でも自殺者の中にはここで描かれるように自殺に見せかけた殺人被害者も多いんだろうなと思う。
凄腕の殺人者vs凄腕の人妻記者なのか。
すっきりしない終わり方だけど

少なくとも光範への不当な嫌疑は晴れている。
奪われた命は戻らずとも、家族にとっての最低限の名誉は守られたと言えた。

ということなんだろう。
理解できれば面白いような気がする。

暗闇のアリア

暗闇のアリア

@2017年@図書館

2018-07-11

バック・ステージ

芦沢央著 2017年角川書店刊行
初出「小説野生時代」(2013年〜2016年)、書き下ろし

  • 序章
  • 第一章 息子の親友
  • 第二章 始まるまで、あと五分
  • 第三章 舞台裏の覚悟
  • 第四章 千賀雅子にはかなわない
  • 終幕
  • カーテン・コール

序章、終章が一連の話で第一章〜第四章は緩やかに繋がっているのね。
なかなかおもしろい構成。
伊坂幸太郎が得意そうな構成。
そして「カーテン・コール」は本当に伊坂幸太郎っぽい。

だから目指すならばミドリムシよりウミウシかと思うんですが、
盜もうと思っても誰にでも盗めるわけじゃないんですよね。
盗むにも才能がいる

ミドリムシ?ウミウシ?って一体何の話をしているのかと思ったところで
そういうことかよ!というオチのような話の持っていき方が結構好き。
(とても伊坂幸太郎っぽい。)
第一章〜第四章もそれぞれよく出来た話で納得するし、上手だな〜と思う。
面白かった!

バック・ステージ

バック・ステージ

@2017年@図書館

2018-07-10

祝言島

真梨幸子著 2017年小学館刊行
初出「きらら」(2015年2016年)

  • イントロダクション
  • Sequence 1 皐月/メイ
  • Sequence 2 珠里/ジュリ
  • Sequence 3 紅玉/ルビィ
  • Sequence 4 百合/リリィ
  • Sequence 5 証言者たち
  • コンクルージョン
  • 後日談

途中までは分かりやすく展開していたんだけど、
途中からは相変わらず登場人物の区別がつかなくなり、
物語の時制もわからなくなって、こんがらがった。
いつもの真梨幸子作品になった感じかな。
それでもラストはなんとなくいい感じにまとめてくれたから
最終的に理解できたような、やっぱり出来てないような...
ロボトミーとか多重人格はシンプルに書いてくれないと無理かも。

祝言島

祝言島

@2017年@図書館

2018-06-24

さらさら流る

柚木麻子著 2017年双葉社刊行
初出「小説推理」(2016年2017年)
元恋人のヌード写真を流出させてしまった光晴の心が暗渠なのか。
塞ぐだけではさらさら流れることが出来ないことに気づいた光晴が再生できるか。

どんなに汚れた川でも、太陽の光を浴びて流れていたら、いつかさらさらと澄んだものになるはずなのに

こう言い続けてくれた菫(すみれ)を裏切った報いは受けなければならない。
そして自分の裸の写真をばらまかれてしまった菫の再生。
親友百合が菫の側に寄り添ってくれてることが菫の力になり、
菫の身体を一つ一つ取り戻す力強さを百合の絵は表現している。

画家はモデルに、自分の姿を見出すって何か読んだことがある。
鏡みたいなもんなんだよ。
だから、もし菫が私に勇敢さや才能を見出すなら、きっとあなた自身もそうってことなんだと思うよ

身体もそして心も回収し立ち直って欲しいと心から思った。

さらさら流る

さらさら流る

@2017年@図書館