10年後の姿

これは、設計段階での話であり、スタッフに伝えることを整理している。


「建物の10年後の姿」という言葉を良く使う。

意匠や建築の在り方は、使い手の気分で変わるだろうから、そう言う意味での10年後の姿には興味がない。

自分の興味があるのは、建物の10年後の状態である。

建物の10年後の状態を正確に想像することは、その10年間の過ごし方を理解し、使い手に伝え、共有することにつながる。

最初の状態を長く保つことが大切でなく、良い状態を保つための方法を考え、検討し、監督、職人、建主と共有していく関係性を築いていくことが大切になる。

そういった意味での建築の時間軸に対する理解は、図面を書く上で必要な能力であり、考えていく大切な要素となる。

こんな心意気で書いた図面は、小さなミスがあったって、良い図面に決まっている。


自分もスタッフも生まれ育った地元で多くの仕事をしているから、出来たばかりの建物の姿以上に「10年後の姿」を大切にして、良い図面を書ける建築家に成長していきたい。


川本あ。