神楽坂のキャリアコンサルタント

永らく「神楽坂のキャピタリスト」のタイトルで発信をして参りましたが、この度タイトル名の変更を致しました。

世界史 武井正教先生の思い出

macky-jun2009-02-28

 今は日曜日(3/1)の朝7時である。日曜日なのに、しかも寝たのは午前1時前なのに目が覚めてしまったので、昨晩書かなかったブログを書くことにした。ネット検索をしているうちに、昨日書いた日比谷高校→都立高校→母校という流れで、高校時代の世界史の武井正教先生に行きついた。懐かしく、いくつか覗いてみると、この分野でその後も、とてもご活躍をされていたことがわかって、嬉しくなった。
 当時から武井先生の授業は格調高かった。他の授業とは一風違って、大学の講義みたいだった。教室も普通教室を使わないのである。横に広めの特別教室を使われた。先生流の細かい字で、びっしり書かれた世界史年表を黒板に使うためである。我々は方眼枡目の入ったデザイナー用の大判のグラフノートに、それを書き写すのである。これはとてもよく考えられており、同時代に世界中のさまざまな地域で、何が起きているか、どこに影響を与えたのかがわかるのである。下記の「はてなキーワード」を読むと、先生はこの手法を活用され、沢山の受験参考書を出されたようだ。
 先生の授業を受けたのが、33年前だとすれば、当時武井正教先生は幾つだったのだろう。我々と同じか、もう少し若く40代だったのだろうか。ともかく脂が乗っておられた時期だったと思う。我々は先を競って、最前列の席を取り合ったが、とても迫力のある授業だった。先の年表をベースとして、先生の躍動感のある、壮大な歴史物語が展開するのである。下記にも「研究分野は歴史・歴史地理・基本法学.・ 宗教・哲学に及び、独自の世界史教科教育法を樹立。」とあるように、話の幅が広く、とても面白かった。これまでの人生で「背筋を伸ばして聴いた」授業なんて、そんなに多くはない。それ程、凄い授業だった。
 検索をしていたら、あるキックボクサーの方のブログで、予備校時代に世話になった武井先生のことを回想されていた。我々の知っている武井先生のその後を伝えてくれるいいお話(ちょっと古くて2001年頃)です。転載します。一昨年秋の30年ぶりの(卒業以来初)同窓会で、久々にお会いできた。だいぶお年を召されていたが、杖を突きながら、お一人で歩いて来られた。武井先生の名講義はいろいろな世代の人たちに、影響を与えて来られたのだなと、あらためて思った。
 (はてなキーワード武井正教とはhttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%c9%f0%b0%e6%c0%b5%b6%b5
代々木ゼミナール・新宿セミナーで長年世界史を教える。その独自の創造的体系は「武井の世界史」と呼ばれ、山村良橘さんと人気を二分した。テキストにはA4の年表のような本とB5のテーマ別の2種類がある。東京府立第六中学と後身の都立新宿高校教諭を長年勤める。文部省科学研究奨励費受領論文等研究分野は歴史・歴史地理・基本法学.・ 宗教・哲学に及び、独自の世界史教科教育法を樹立。元東京都立戸山高校教諭の武井正明は実の弟である。
著書『新編集武井の体系世界史 構造的理解へのアプローチ』、『武井の世界史500選』、『武井の<世界史>ポイント学習法』、『武井の展開する世界史 基礎編』、『みてすぐわかる重要年表世界史』、『高等新日本史年表』、『明解日本史地図年表』ほか
 (野崎勇治の日記:http://www2u.biglobe.ne.jp/~wongwen/old/kojin/diary/2001.10/di2001.10.html
10月5日 尋ね人
風邪引いて寝込むとなぁ、いろいろ考え込むもんですな。まるで、走馬燈のように、自分の人生を振り返ったりしちゃうわけ。そして予備校時代を振り返っていたとき、「あ、あのテープひさびさ聴いてみるか」と樹海の奥から取り出したのは、「代々木ゼミナール 武井の体系世界史 講義テープ 第1回&最終回」
 わしはあまり「尊敬する」って言葉は使わないようにはしている。なんかその人物を全肯定しちまうようでイヤなのだ。「仕事はできるけど女癖が悪い」とか「不闘王だけど物忘れが激しい」とか「パンチは強いけど首相撲に弱い」とか、まあ誰にも難癖つけたくなるところがあろうものだ。だが、予備校時代にお世話になった、この先生にだけはケチをつけられない。人間力が違いすぎて、崇め奉り敬うしかない。「尊敬する」という言葉をためらわずに使える、唯一の人かも知れない。  武井正教
 代々木ゼミナール開校時からの世界史の重鎮。まあ、受験世界史に身を置いた人は名前くらい知ってるだろう。その超VIP扱いのテキストと超受験級の授業は、フツウの脳味噌には全く理解できない。だが、このおっさんの授業が凄いのだけは誰でもわかる。教え子から講義テープを聴かせてもらったうちの高校の先生が、感動して、わざわざお金払って講義を受講したこともあった。受験に役立つかは別として、このお方とその講義の水準は間違いなく日本最高水準。その後、大学でいろんな教授に出会ったが、武井さんの比べたら皆カスだった。レベルが違う。わしの今後の人生で、この人以上の人に出会えるかどうかは甚だ疑わしい。
 そんな懐かしの名講義のテープを涙ながらに聴いていると、今の汚れちまった自分が恥ずかしくなってくる。あのころのわしは…………なんてことを考えてるとふと思った。「今、武井先生どうしてるんだろう?」
 大学時代は、年に1、2度、代ゼミ代々木校に御挨拶に行っていた。中華料理おごってもらったこともあった。そういえば、あのとき初めて老酒を呑んだ。懐かしすぎて失神しそうだ。年賀状もくれたなぁ。あの人の年賀状は凄くて、しばらく真似をした。就職してからは、1度しか伺ってない。あれはたぶんキック始める前だから、もうかれこれ6年以上ご無沙汰だ。
 かなり高齢な方なので「ひょっとしたら……」という懸念も持ちながらネットで検索してみた。すると、2ちゃんねるで「武井先生はいまいずこ?」などというスレッドが立っていた。それによると、やはり代ゼミ勇退されているようだ。その後も調査を続けると、どうやら新宿にある「プリプス」という予備校で現在も教えてはいるようだ。なんでもここは「最高水準の講義を提供する」ことを売り物とする、超難関校向けの予備校のようだ。武井先生の口癖を思い出す。「俺は名誉も地位も銭も金もいらねえ! 万人の青年の教師で有り続けたい」
「銭と金は一緒では?」という突っ込みは置いておいて、まだチャレンジし続けておられるとは恐れ入った。ちなみに、わが掲示板でよくみかける「たろ」嬢は、代々木ゼミナール名古屋校での武井先生の講義で、最前列の席を奪い合った戦友だ。おい、たろ! これは行かざるを得ないだろ! 次の上京時は、オーエンジャイより武井詣でだよ、キミィ!!
(2ちゃんねる:「武井先生はいまいずこ?」スレッドhttp://piza.2ch.net/log2/whis/kako/959/959040417.html)これも2000年のもので古いですが、武井先生ファンには面白いです。