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宇宙塵(ウチュウジン)

2016-12-04

『履歴書を買いに』秘話

| 06:01

こんばんは。昼夜が逆転中の植岡勇二です。


先日発売された季刊誌『東京荒野・第七号』に、僕の即興詩『履歴書を買いに』が載りました!

今回はこの作品についての解説をしたいと思います。

これは、僕と拓さんがやっている即興バンド、『古代歌謡』のスタジオ即興録音を、そのままテープ起こしし、一部加筆したものです。

録音は、2012年。時間にして10数分の即興演奏でした。

何故、この作品が今回、リニューアルされて『東京荒野』掲載の運びになったのか。そこにはこんな逸話があります。


今秋、新宿伊勢丹にて、『豆豆碗碗』というタイトルの、約100人の焼き物屋さんの豆皿とお茶碗(飯碗)を集めた、企画展示販売会がありました。

それに、益子の焼き物屋であり友人の近藤康弘さんが出展なさるということで、近藤さんと二人、会場を観に行きました。


近藤さんの売り場には、十個のお茶碗があったのですが、その中のひとつが僕を釘づけにし、身体をわなわなと震わせもしました。

そこで出会った茶碗は、まるで、自分の心の嵐を風景化したかのような、そんな精神的シンクロを感じさせました。

器に映り込むその景色は、自然風景がみせる嵐の夜のよう。風に吹かれ、身体を千切りられながらも空を渡る夜の雲、雲の渦。

それらは、人としての近藤さんの手によって形にされているのに、人としての感情感が、自然風景に昇華され描かれているように思える。


そして僕は、その器を『白面』と呼び、近藤さんにその由来を説明しました。

白面は、少年サンデーに連載されていた漫画『うしおととら』の最後の巨大な敵です。白面の本質は『嫉妬と恐怖』。その負のエネルギーの渦が肉体を成す巨大な化け物です。

僕はこの茶碗に出会うまでの数カ月間、まさに自分の中に白面を飼っていました。負の嵐の翻弄され、自分が自分でないような負の感情に包まれることも多々でした。

しかし、それも秋に入るとどうにかひと山過ぎ、肩の力がやっと抜けて来た、というタイミングでこの白面の器に出会ったのです。

自分のこの数カ月の感情の渦がすべてそこには刻まれている気がしました。そして、それらは、自然風景に形を変え、遠く昇華されていっている。

僕は、この茶碗と対峙することで救われました。


その出会いのあと、夜半、家に帰り、僕はこの高ぶった精神を創作にぶつけられずにはいられず、

履歴書を買いに』という、親子の対話の物語を加筆し完成させたのでした。

我ながら、完成させようと試みた作品が、下ネタ満載の家族もの、というところに白面の器との開きを覚えますが、込めたエネルギーは白面から受けた衝撃、衝動のままに熱いものになりました。


そんな訳で、『東京荒野・第七号』ぜひとも手に取って頂けたらと思います!



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よろしくお願い致します!


植岡勇二

2016-12-01

『東京荒野・第七号』・『履歴書を買いに』

| 13:12

f:id:macromoai:20161201125655j:image:w640

季刊誌『東京荒野・第七号』に、古代歌謡でプレイした即興詩『履歴書を買いに』が掲載されました!

東京荒野は、心の荒野をさまよう表現者が、オアシスを求めもがくさま、あるいは更なる荒野へと歩みを進めるさまが、様々な作品となって描かれている、そんな気がします。

詩や小説、エッセイなどの読み物だけでなく、漫画や写真などの作品も収録されています。



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履歴書を買いに

セブンイレブンに行ったら

セブンイレブンは改装中で

ボロボロに

瓦礫の山


僕は嬉しくなって

瓦礫の山で遊んで

瓦礫の裏で

タバコをふかして

履歴書を買うことも

すっかり忘れて

夕日とともに

工事現場のおっちゃんが帰って来て

怒られて

履歴書を買いに

また別のコンビニ




(『東京荒野』・植岡ペヨー太『履歴書を買いに』より抜粋)

2016-11-26

『癒し』について:BUCK-TICK・馬野ミキ・岡村靖幸

| 23:53

以前、岡村靖幸岡村ちゃんラジオか、インタビュー記事かを読んだ時に、彼は『癒し』についてこんなことを言っていた。


「いい仕事ができた時に、僕は癒されるんですよ」


僕にとって『癒し』とは何か? と考えた時、岡村ちゃんの言葉が過る。確かに、どんな疲れも自分の仕事が産み出した成果というか、充実感が吹き飛ばしてくれることはある。自分で自分を自給自足的に癒す。

自然に癒されるとか、旅に癒されるとか、そういったことにはてんで縁遠くなったのも、その自給自足性にはまっていったからかもしれない。自己満の部分も多々だけど。

そして、外から得る『癒し』について。

最近、新しいアルバムを発売したBUCK−TICKがとても自分にマッチしていて、聴きまくっているのだが、BUCKーTICKの『Long Distance Call』という曲の歌詞が僕を癒してくれる瞬間があった。

それは、壊れゆく心が止められず、人を傷つけにいく、というような内容の歌詞で、なんだかその瞬間の自分にマッチしたのだろう。下降していた心が癒された。

さらに、その曲を聴きながら、大好きなブログ詩と惑星』を観ていると、歌手であり詩人の馬野ミキさんが新曲をUPしていたので曲を切り替えた。『ミサイル』というタイトルの曲が流れ出し、消え入りそうな声とメロディーで歌われたその歌に連鎖的に癒された。きっとその歌声に漂う、どうにもならない悲しさや寂しさを感じ取ったのだろう。スケールのでかい感情に打たれたのだと思う。


客観的に観ると自分の悩みは小さいけれど、主観的に見てそれは、些細ではなく巨大なもの。その偏った主観性は、さらに巨大なスケールのものと出会うことによって、吹き飛ばされ、「あ、僕の悩みなんて、小さい小さい」と思えることもある。

そういったものに僕は癒しを覚えます。というだけの話しでした。

最後に、馬野ミキさんの曲を載せさせて頂き、終わりにします。おやすみなさい。


植岡勇二



『馬野ミキ:ミサイル


D

2016-11-22

詩とは何か? 

| 13:21

Q:詩とは何か?


「太陽は/永い旅を経て/出会いを味わい/反射され/やさしく砕かれ/完成する」

(1998年作:『太陽』


A:言葉が羽化して音楽になること。そう感じていた二十代を過ぎ……




Q:再び、詩とは何か?


「最果てを目指し 魂の加速度をあげる/魂を加速させるためなら『毒』さえも食らう」

(2010年作:『最果て』より抜粋)


A:向こう側に渡るための歌。そう信じた三十代を経て……




Q:今、詩とは何か?


「こころのそこに/ながれる/つめたいひょうがを/わたる/ふたりきりで」

2016年作:『たなばた』)


A:生活の中に、当たり前に流れるもの。そう気付いていった近年の作品まで。三十六篇の詩を収録。いつか夢に見て忘れた、すべてのいのちが織り成す音楽。


『そりゅうしのうた マイナビ現代詩歌セレクション』好評発売中!

『パーティクル』

| 13:07

この悲しみさえ

粒子の配列


雨よ打て

雨よ打て


悲哀の先にある

情熱を揺さぶれ




この微笑みさえ

粒子の偶然


雨よ舞え

雨よ舞え


笑みの奥にいる

孤独な踊り子よ







詩集『そりゅうしのうた マイナビ現代詩歌セレクション』より

『風捕り』

| 12:55

あの風ならきっと

あの場所に吹いているはず


捕まえに行こう


あの日の僕の約束を

風だけが覚えているなら







詩集『そりゅうしのうた マイナビ現代詩歌セレクション』より

『最果て』

| 12:47

最果てを目指し 加速度をあげる

最果てを目指し 魂の加速度をあげる

魂を加速させるためなら『毒』さえも食らう


毒が犯すもの

毒の副作用がもたらすもの

それは 時間の変化だ


時間が壊れはじめる

時間が壊れはじめる

時間が毒に犯される

時間が毒に犯される

時間を犯す毒は甘い

時間を犯す毒は甘い


例えば彼女から貰ったNECのカレンダーを

何気なく眺めていると

不意に その風景写真から

赤いクジラが現れる


その時 もはや完全に 

時間は崩れ去っている


やがて あらゆる場所から

夢という夢が溢れ出す


夢が現実を完全に強姦

そして 世界が夢に変わる


それでも彼は 加速することをやめない


現実を奪われ

夢に犯されても

彼は魂を加速させることをやめない


この世界さえ振り切るように


   *


無意識の最果てでは

思考が王国を成す


無意識の最果てでは

思考が王国を成す


そこでは

規定的な思考が王国のルールになる


しかし 自分で自分が

何をどう規定しているのか?

そのすべてが誰にもわからないように

自らの無意識が

王国のルールを決めていることにも

気付けないまま

彼は 王国の門から弾き出されてしまう


その王国の門そのものが

自分自身だというのにも関わらず


それでも彼は再び

その門の前に立つだろう


自分自身をより深めることによって

最果てにある王国のドアを

開け放つために


   *


やがて彼は 王国の門を開け放つ


そして悟る

ダークマターの正体を


この宇宙の無意識=ダークマター


ダークマターは火山だ

その噴火口から

さらにダークマター噴火する


彼らは噴火を繰り返しながら

無限に増殖していく


火山の鼓動に合わせて踊りながら

煮えたぎるマグマに合わせて踊りながら


巨人は踊る

巨人は踊る

血の匂いを追い求める

血の匂いを追い求める

血の匂いにダークマター射精をする

血の匂いにダークマター射精をする

この物語に終わりはない

この物語に終わりはない

血が血を結び

噴火噴火を呼び込む

血が血を結び

噴火噴火を呼び込む


そして彼は

無限の黒い花に生まれ変わる

沸き上がる花

沸き上がる花

噴火する花びら

噴火する花びら

花びらを食らう 黒い巨人の群れ

花びらを射精する 黒い巨人の群れ


巨人の群は足踏みをはじめる

加速する足音

増大する足音

宇宙を揺らす足音

そして すべての巨人の足音が

ひとつに重なり合ったその瞬間


一輪の白い花が爆発する


白一色に染まる広大な宇宙


白い爆風に焼き尽くされ 

黒い巨人の群は 

白い巨人の群れに生まれ変わる


そして その手の中には

慈しむように 黒い花が一輪ずつ 

握られている


最果て






詩集『そりゅうしのうた マイナビ現代詩歌セレクション』より

2016-11-18

そりゅうしのうた・販売ストア

| 10:35

f:id:macromoai:20161006113813j:image:w640

こんにちは。植岡勇二です。


僕の詩集『そりゅうしのうた マイナビ現代詩歌セレクション』の販売サイトが拡張しています。


Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/B01M10KWOM/

KOBO

http://books.rakuten.co.jp/rk/f4a0358829cf3a5cbbd3c8d2244e88b8/

マイナビブックス≫

https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=59965

≪くらしの本棚≫

https://book.mynavi.jp/kurashi/books/detail/id=60111

honto

http://honto.jp/ebook/pd_28134697.html

Reader Store

http://ebookstore.sony.jp/item/BT000040213600100101/

紀伊國屋

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0366731

≪ブックライブ≫

https://booklive.jp/product/index/title_id/402136/vol_no/001

《dブック》

https://book.dmkt-sp.jp/book/detail/book_type/011/title_id/0000220222/

《ブックパス》

https://www.bookpass.auone.jp/pack/detail/?iid=BT000040213600100101&skip_flag=true

BOOK☆WALKER

https://bookwalker.jp/de6c62d69d-ba5e-4395-ae3a-e845cf34a367/%E3%81%9D%E3%82%8A%E3%82%85%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F/

《ネオウィング》

http://www.neowing.co.jp/ebooks/d/BTW10000000299256

≪ebookjapan≫

http://www.ebookjapan.jp/ebj/383161/volume1/

《コミックシーモア

http://www.cmoa.jp/title/1101161316/

セブンネットショッピング

http://7net.omni7.jp/detail/5110351476

Yahoo!ブックストア

http://bookstore.yahoo.co.jp/shoshi-667775/

ひかりTV書店≫

http://book.hikaritv.net/book/content/book-store/9000471537/

≪漫画全巻ドットコム

https://www.mangazenkan.com/e-books/item/10401473.html

東芝ブックプレイス≫

http://bookplace.jp/pc/product/313930

《ブークス》

http://boox.jp/index.php?module=ecitemdtl&action=pdetail&it=EJ&cd=B00160686099

music.jp

http://music-book.jp/book/title/1125520



『最後の龍』


龍は脱皮する

少年は青い海の中で

その抜け殻と戯れる

白く透き通ったその皮に

そっと指先をつけるその度に

少年の過去が

ひとつ

またひとつと

未来へと昇華されていく

少年の中に数々の思い出がよぎる

しばらくの間

少年は泣いたり笑ったりする

やがて少年は

龍の抜け殻の中に潜り込み

そっと水面を見上げる

抜け殻の裂け目から見上げた水面には

真っ白な太陽が浮かんでいる

しかし

次の瞬間

抜け殻を脱ぎ捨てたばかりの龍が

水面の上を通り過ぎ

一瞬

真っ白な太陽を隠してしまう

長大な龍の影と 抜け殻が重なる

「お前にはいつ会える?」

心の中で少年は呟く

詩集より引用)



詩は音楽? そこに浮かび、流れている『聴こえない音楽』に、僕は言葉で音色を与えてきました。そんなふうに、音楽を上手につかまえることができると、身体が空間に溶け出し、宇宙になることができたから。

しかし、やがて、生活そのものが詩であることに気付いた時、僕の詩の意味は変わりはじめました。

過渡期を巡る詩の旅。著者が二十歳の春から二十二年間書き起こしてきた三十六篇の詩を収録。


粒子が夢見て、詩になる。


詩集:『そりゅうしのうた』(電子書籍版・マイナビ出版

2016年10月5日発売 価格:756円(税込)