過去のエントリからセルフ引用。

(前略) けれどもそれは、それが裁判で取り上げるほど深刻なものでないということではなく、むしろ「裁判に訴えることのできない、個々の主体による責任を法的に−−単に現行法によってというだけでなく、法という概念によって−−問うことができないような、日常化された暴力」こそ、より深刻であると考える。法は平穏な日常を前提として、それを乱す行為を取り締まるが、日常そのものが抑圧的であることに対して無力だ。
http://d.hatena.ne.jp/macska/20080910/p1

外山恒一さんは「選挙なんて多数派のお祭りに過ぎない」と言いましたが、それに習えば、裁判だって多数派が決めた法律によって行なわれる、多数派の価値観や利害の押しつけに他なりません。わたしの倫理的判断は、裁判に訴えることができるかどうかで左右されません。というより、司法制度そのもの−−および、それによって守られる日常の平穏−−に暴力性があると考えます。
http://d.hatena.ne.jp/macska/20080911/p2

 ところで、コメント書くのはいいんだけどさ、わたしがエントリ中で

不法だから犯罪者、犯罪者だから出て行けという、単純な論理で済ませられる話ではない、ということ。在留特別許可という制度があること自体、法律自体が「違法・適法だけで単純に現実を切り分けることはできない」ことを前提としている。
http://d.hatena.ne.jp/macska/20090411/p1

 と書いたことに対して、「いや犯罪者は犯罪者としてのみ扱うべきで、在留特別許可という制度は廃止すべきだ」と主張するならまだしも、まるでなにもなかったかのように「犯罪だから〜」「不法だから〜」と書いてる人たちは、あれなんなんだろう。わたしの意見に対する異論なら受け付けるけど、わたしの意見を読みもせず、事件に関する単なる漠然とした感想を書かれてもねぇ。