自分育て

不細工シスターズが
あっという間に育ってしまって
こおろぎはただただ驚いています。



こおろぎは今のNHKの連続ドラマ、カーネーションに注目しています。
当初、椎名林檎のテーマソングが、「体質」に合わず、歯磨きしながら聞いていると
胃腸が不協和音を奏でそうだったのですが、
今はすんなり。
椎名林檎という人を、こおろぎは天才だと思っていて
彼女の歌詞は追随を許さないと思っています。
大好きな曲も沢山ありますが、
夜聞くアーティストの曲を
朝聞くと、胃腸が不協和音になったのだろうと。


とにかく

このドラマにモデルがいること、
ファッションがテーマであることに加え、

尾野真千子という女優が演じるお母さんが、
実に全く、こおろぎに近く、
日々、目を覆ったり、耳を塞いだり。


結局はお酒飲んで、マイペース。
子育てより自分育て・・・


我が身を振り返えざるを得ないこおろぎでありました。


血気盛んで、喧嘩っ早く、強気で強引、
子育てに無関心・・・
ころ介が何度
「おかあちゃまみたいねえ」
と言ったことか。


まあ、その程度の母でも
なんとか、わが家の不細工シスターズは
衣食住、しっかり自分でまかなえる大人になったので
上出来だと思います。
こおろぎ偉いっ・・
ちがうか
シスターズ、えらいっ。


「親はあっても子は育つ・・・」ですわ。


もてなし論、構成で苦戦。
悶々と悩みつつウロウロ。


そんな時、
昨日も書きましたが
柳田邦男さんの美しい言葉に触れて
少し背中がしゃんとしました。


ずいぶんと
しっかりした文章にふれていなかったような気がします。

学術系の本ばかり読んでいると
美しい文章が書けなくなります。
文章だけではなく言葉が紡げなくなります。

改めてそう思いました。




文書といえば
北海道新聞文芸時評がおもしろかった。

芥川賞田中慎弥氏の「もらっといてやる」という発言に
さらりと触れつつ、

時評の執筆者である沼野充義氏は
『「作家について語るのに、ある種すべてがネタ化」し、
「ネタとして消費される傾向」には流されないようにしたい」と書いています。

「作家の素顔がネタ化されることは日本固有とは言わないまでも、
特に日本に顕著な現象のようだ」と指摘。
私小説文化の伝統も理由に挙げていますが、


なるほどなと思わずにいられないですね。


こおろぎは中学入学早々、五木寛之さんに夢中になったのは
小説そのものより、あの風貌とファッションにコロリと参ったからであって
早稲田の露文を中退したとか、シベリア鉄道で旅をしたとか、
諸々の背景でコロリと参ってしまったわけで、

それは吉行淳之介さんの存在が好きで小説が好きになり
森瑶子さんに至っては、全くその通りであったと認めざるを得ません。


大嫌いなおばさんやおじさんが書いたものなら
読まなかったはず。


そうねえ・・・・
こおろぎ、絶対に読まない小説家、いますから。


実に己が小さく見えた瞬間でした。



そしてこの時評は
だらしないこおろぎに、かつての、こおろぎなりの鋭い「読み方」を思い出させてもくれました。

若い新しい女流作家の作品をさらりと評価した最後に
金井美恵子の作品に触れています。
「・・・したところで、この作品の並外れた文体の力と異様な魅力を伝えることはできないだろう。
執拗に繰り返す波のようにうねりながら進んでいく文体と、物語の進行を遅滞させる濃密で
執拗な細部描写。日本語による小説の一つの極地がここにはある。」

金井美恵子を評した沼野の文章がまた秀逸であることが
大きな希望に思えました。


ころおぎは
若い頃、金井美恵子さんの文章は苦手でした。
でも
そのまますぐれた書き手としてこうして、読むべき人が読んで評価される作家として
熟しつづけていたことにしばしこころ震えたのでした。


気軽なアイドルたち、韓流も含め、
何やら軽い。

妊娠検査薬の結果をすぐにTwitterでしゃべるタレント、
体外受精が日常の話題としてうまくいったのいかないのと
グルメ情報のように語る時代、
そして
40歳にもなった女性芸人が、占い師と暮らしていることくらいで
貴重な電波が使われる時代、


人間の良心を
しっかり見つめなければ


人としての揺れない美意識と
魂の根源
命の重みを
守っていかなければ、と
思います。



本日、こおろぎ、今期の大学の業務を一区切りの予定。
学生を評価するつらさは
いつまでたっても慣れません。



そのつらい時間を終えたら
次のつらい時間がスタートします。

書きかけの教科書を今月中に仕上げます。


頭が文字であふれる日々になりそうですが
幸いこおろぎには
お教室があります。


日々大切に暮らしたいと思います。




と、

本日も朝からなにやら偉そーに
そして難しいこと考えているこおろぎですが


あわてて履いた靴下の右と左は色も違い、

左の靴下には穴も空き、

テーブルの横におきっぱなしの掃除機には
想定通りつまづいて転び、悲鳴。

珈琲は新聞の上にこぼし、
床に落としたホッケの開きをくわえて逃げるアホ犬を追って
ふたたび掃除機につまづく情けなさ。


こんな状況で
「もてなし空間の機能と変遷」
など、どうして書けましょうか・・・
無理といえば無理・・・



気合い入れなおして出かけることにします。

まずは掃除機を片付けることにします。