Hummming

フンフンフン

「友の会 その6 〜 初恋に捧げるナンバー 〜」に関するご報告

本日開催予定だった「友の会 その6 〜 初恋に捧げるナンバー 〜」は
昨日の東北地方太平洋沖地震の影響に伴い、開催を中止とさせていただきます。
楽しみにしていた皆様、申し訳ありません。


開催地は東京です。
東京の交通網は地震発生直後こそ壊滅的だったものの、徐々に復旧し
この後も何もなければ問題なく都内近郊の移動が可能になると思われます。
けれども、東京で暮らすお客さまや友(出演者、協力者)の皆様の中には
大切な家族や友達と連絡が取れずに不安な気持ちで過ごしている人も
少なくないのではないでしょうか。


みんなが大切な家族や友達の不安を抱えたままで「友の会」はできません。
みんなが笑ってくれないと「友の会」は成り立たないのです。
会場、出演者と相談の結果、明日の開催は見送ることとしました。


日を改めて必ず、「友の会 その6」は開催します。
それまで皆様、どうかご無事で。近くの大切な人を、大切にしてください。

3/12のこと、その1

地震のことはもう書いたのだけれど、それ以降のことも少し書いておこう。


帰りにコンビニで買い出し。水が止まってるか分からないので一応水を買う。
十分な生活ができないかもしれないので、非常食に飴とビスケットと甘納豆。
噂では聞いていたけれど、本当にパンもおにぎりもほとんどなかった。
外は本当に静かな、健やかな朝で、オールナイト明けの朝の帰り道を思った。
一つ違うのは、帰り道にも気を抜くことが許されない、という点だった。


水道も電気もガスも止まっていなかった。地震もひどくなさそうだ。
今のうちにできることを片付けてしまおう。
回収に出すつもりで乾かしていたペットボトル全部に水を汲んだ。
お米を炊いて、ちょっと面倒だけどおにぎりにした。
冷蔵庫が止まるといけないので、冷凍庫の食材でカレースープを作った。
電気ポットを満たし、飲み水も沸かして、甜茶も少し多めに作った。
溜まっていた洗濯物もひととおり洗濯機にかけた。
そこまでやって少しほっとしたのか、気がついたら眠っていた。


目が覚めて、夕方。もう日が暮れる。
昨日の友達から「家にいるのが怖いのでそっちへ行ってもいい?」と連絡。
構造的にもモノの多さ的にも安心できるような家ではないけれど、
気が休まるのなら、と迎えることにした。
福島では原子力発電所がトラブルを起こしていた。
十分な情報がなく外に出るのはためらわれたけれど、迎えに行った。
いくらかのお菓子やお惣菜と、マンガを持って来てくれた。
「ニュースばっかり聞いてるの怖いから、マンガ読もうぜ」って。
渡辺ペコと、志村志保子。すごく面白かった。街が元に戻ってきたら買おう。


そうこうしているうちに(いや、それより前に)友達はすぐ眠ってしまった。
それからは一人でマンガを読んだり、Twitterに目を通したり。
Twitterで「TBSラジオが通常放送をしている」と知り、チャンネルを変えた。
「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」。これかタマフルって。
Twitterで知ったとおり、聴取者の投稿を読んだり、音楽を流したりしていた。


「Stand up, ダンスをしたいのは誰?」


オザケンが流れた。筒美京平作曲の「強い気持ち・強い愛」。
AMラジオの音に色がついた瞬間を感じた。
私の原点は小沢健二。途方に暮れてそんなことも忘れていたのか。
私に音楽の楽しさを教えてくれた90年代の大衆音楽が、
2011年の私に元気を流し込んでくれた。


オザケン、ありがとう。宇多丸さん、ありがとう。ラジオ、ありがとう。

3/12のこと、その2

後になって知ったことだけれど、3/12には遠くニューヨークの地から
小沢健二が被災地に向けてコメントを発表したとのこと。

NYより、悲痛な思いで被災地の映像を見ています。亡くなった多くの方、今も苦しみの中にいる方々のことを思うと、言葉もありません。助けあい、とか、思いやり、という私たちの力が、本当の威力を発揮することを心から祈っています。
(三月十二日)
ひふみよ 小沢健二 Official Siteより


誰かが言ってた。
「ツアーでオザケンが話してた、9.11で大停電になったNYの話を思い出すな」


2003年のアメリ同時多発テロの時、オザケンはNYにいた。
一向にライフラインが復旧しない暗闇の中、
行き場をなくした人々やホームレスがラジオから流れる音楽に耳を傾ける。
暗闇で聴く音楽は、普段よりもずっと甘く、はっきりと聴こえる。
電気が復旧すればみんなそれぞれ元の場所に戻っていくけれど、
あの夜に出会った音楽のことは忘れない。
その記憶は決して消えることがない・・・
そんな話を、10年以上の時を経て戻ってきたオザケンは聞かせてくれた。


オザケンは今、どんな想像をしているだろう。
避難所では今、どんな音が響いているだろう。