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無産大衆

2008-04-29 ナイーブ?

madashan2008-04-29

素朴さは褒められたものではない

そういや、以前から疑問なんだけどネットの皆様におかれましては、マスメディアマスゴミと呼ばれておられ、その名称からは単純かつ直線的な罵倒表現であることが窺い知れるので知性の程度はどうあれ大変素晴らしいネーミングかと思われますが、それにつけても皆様方の認識とマスゴミ報道における認識にそれほどの乖離が見られない場合にすらこの語が使われているのを見るにつけ、はてこれは一体どうしたことだろうと頭を抱えることしきりなのですけれども、諸君らは何かマスゴミとプロレスごっこの秘密協定でも結んでいらっしゃるんですか?


http://anond.hatelabo.jp/20080428082612

(via http://d.hatena.ne.jp/blackseptember/20080428/1209387315)


今更、話題にしても仕方のない先日の長野聖火リレーですけれども、ネット界をうろつきまわるとマスメディアはこの暴力――悪を報道していない、偏向報道だ、そんなにオリンピックをやりたいのか、この中共ファシストの犬め云々と批難の声が彼処から聞こえてきますけれども、しかし、実際のところテレビを見ている限り、報道のスタンスは君らと大して変わらないんじゃないのかね。大体、日本でどんなデモが起ころうと(あるいはデモの最中にデモ隊に何が起ころうとも)大して報道しないのが日本のメディア様で、君ら普段はそんなこと気にもとめないのに突然どうしたんですか。中国国旗が犇めく中を走る聖火って絵面はそれだけである明確な意味を持って立ち現れるだろうし、製作者がそのこと程度、つまり見ている人間と同程度には認識できないと考えるのは少しばかり非合理的にすぎるように思われます。というかね、制作側は延々君らの視点について考えて、八方美人的な、けれども視覚的に欲しいものは押さえる、というこれまた大変美しい極めて日本的な処理の仕方で番組をお作りになられているんだと思いますよ。ただ、馬鹿だから必要なバランスが取れてないことがよくあるだけで。それで、今回の件ですが概ねチベットに同情的かさもなければ中国に対してネガティブな態度というのはそれなりの合意が取れているわけですし、君らが憤って相も変わらず『マスゴミは真実を〜』とか吠えてるのを見ると、もしかして君ら共犯?とかついテレビを見ている自分の頭を疑ってみたくなるんですが、実際どうなんですか。そこいら辺りのネット右翼の皆様方は。

で、本題ですけれども、大変お行儀のよろしい自由主義モラルの持ち主で純粋な義侠心からチベット問題に取り組んでいる方々におかれましては、オマワリによく分からない秋波を送ってるくらいなら最初からデモとかするなよとは思います。いつから警察には国民を守るってルールができたんですか。何処の国のいつの歴史でそんなことが制度として保障されたんでしょうね。まあ、革命とか内乱の最中にどっちかにつくってのは良くありますし、軍隊あるいは中央政府と敵対関係に入る現地司法警察ってのはないわけじゃありませんが、そんなのはそもそも例外的です。よっぽど住民を国民概念に統合できてないとか、要するに警官の人種的階級的構成が致命的に作用してしまうとか、あるいは忠実であるべき国家権力が破綻しかけているとか、そういうことでもない限りはオマワリはオマワリです。ついでに言えばオマワリがどの程度リベラルな原則に従うかはその国においてリベラルな諸価値がどう理解されているかにもよります。卑しくも市民権の保持者にして白人様でいらっしゃるデモ隊には防護盾で横殴りにするとか催涙弾を水平撃ちにするとかくらいしかできませんが(殺意の否認!)、カラードや移民の暴徒にはリンチや殺人が許されます。で、日本なんですが、君らと同じ日本人、つまるところ政治が外的なものである限りにおいて許容し、かつそれを疎ましく思い、また己の安全と平和を無自覚なものとしてくれるものになら何にでも飛び付く用意のある方々で構成されているところの国家において、どうしたら警官隊が君ら一般市民とやらを守ると期待できるのでしょうか。


ナイーブさは嘲笑され愚弄されます。皆様の大好きな現実主義的にいえば、ナイーブさや無知はそれ自体で弱さの証であると同時に無能力さを示しています。怒りや憤りは、けれども、また無くてはならないものです。誰がなんと言おうとこうした暴力に一々理解を示す必要もなければ、シニカルな反応を返してやる筋合いもありません。とはいえ、行動を起こすにあたって認識があまりに甘ければ、それはやはり批判されるべきです。なぜなら、その甘さは結局のところ自分たちと本質的に無関係であるという隠れた傲慢さと表裏一体だからです。本来、聖火防衛隊が海外で抗議者を引きずり倒して、しかも日本に来させる来させないと揉めていた辺りですぐにこの事態は予想できたんじゃなかったのでしょうか。毎度、繰り返された手口なわけだし。抗議の声を上げるということは自分の生活圏を巻き込むということですし、自分の生きている既成秩序に抗うということです。なぜなら、五輪開催は開催国のみならず参加国にとっても共有された目標であり、そしてまた多くの抗議者がそうであるのと同様に中国も今回の事態を北京五輪との関係の中で考えている以上、チベット問題における抗議行動がこのような全般的な状況に対するNOでない等ということはありえないからです。戸惑ったり、悔しがったりしてる暇があるなら、連れに手を出した中国人をどついて、ついでに(というのも、そんなことをしたら君がよく知っていて、恐らくはそれ故にアクションを起こさなかったところの、オマワリによる君の逮捕というのがそれに続くだろうから)オマワリを殴ればいいのではないでしょうか。*1

ちなみにさすがにいないと思いますが、ヒダリ=『反日』的な明確な意思表示をしていなければ*2、オマワリがデモを優しく見守ってくれるとか本気で思ってた人は中国人支援者の隊列に加わった方が良かったと思いますよ。日本政府としては中国のメンツを守ることに国益を見出してるんだから。


あと、陰謀論的に言えば日本のマスメディア保守反動の手先なのでこれまでチベット難民や当地の人権状況に対する運動を悉く無視してきましたが、これもネットの皆様の奇妙な認識(ちなみにラサ蜂起記念イベントというものが結構な頻度で毎年開催されておりましたが、皆様におかれましては事後の経過と何の関係もないこのような瑣末な出来事は勿論記憶に留め置かれていらっしゃらないのでしょうね)と大幅に合致いたしますことを鑑みれば、恐らく皆様方とマスコミは裏で手を握るアメリカ政府旧ソ連のような関係なのだと思われます。

*1まあ、奴らやたらと重心が安定してるんで滅多なことでは倒れませんが、そうは言っても人間です。物理学には従ってます。

*2つまり、自分たちが認識の上で今回の出来事を厳密にチベット中国の問題としか見なさず、他の五輪関係諸国――わけても日本国をまるで無関係なものと考えている限りで

mira12mira12 2008/04/30 13:04 増田を見る限りでは捨てたものでもないと思いますけどね。
youtubeの動画見た人は冷ややかな対応しているみたいですし。
彼らFREE TIBETが政治活動だと分かっていないんじゃないかと思うのですが。
警察に権利がどうこうと文句垂れてるのもそうなんですが、ただの市民だから何もされない、されたら向こうが悪いという思考?
モーセよろしく、FREE TIBETの旗と声で中国人の暴力から逃れられると思っているのかな?
或いは、自分たちが手を出さなければokとか?
他から見たら強盗に両手挙げて突っ込んでいくようなものなのにね。

madashanmadashan 2008/05/06 08:41 はじめまして。コメントありがとうございます。

さて、私としては彼らがナイーブであるという点で文句をつけていますが、それは政治的に彼らが十分に批判的でないか或いは反動的であるが故に、つまり潜在的あるいは顕在的に政治的敵対者であるがゆえに文句をつけています。したがって、今回の件に対して単にナイーブであるか否か(或いはシニカルであるか)は私にとっては大した評価軸にはなっておりません。端的に言えば、仲間(同盟者・味方、その他)ないしそれに準ずる人間がナイーブな反応をすれば同情いたしますが、敵あるいは信用ならないプレイヤーに対しては悪感情しか湧きません。それだけの話です。まあ、頭が悪いという点には同意いたしますが。

そして、権利をどうこう述べること、あるいは己や仲間に対する暴力に憤りを覚えるのは自然な感情ですし、その点において彼らの反応は理解できないものでは決してありません(支持はしません)。政治的活動における感情的なフックとしての怒りは友愛や共感と同様に重要なものですし、それ故この活動を人間の本性に基づくものにしているとも思われます。あるいは政治的行為(動員)が欺瞞的であると同時に幾ばくかの真実らしさを装うことができるのも、この感情的な基盤を確保してこそだ、と言い換えても良いです。

最後に、世界には自分たち以外の他人たちがいて、彼らにとって当該の運動ないし主張が真摯で切実なものであるとしても、他人たちには彼らに同意しないだけの合理的な根拠があるのだということを理解しないこと、また、運動の当事者でありながら自己批判も総括もないあたりが非常に能天気なプチブル的欺瞞に満ち溢れているし、まったくの「お花畑」だという指摘には同意いたします。

ただ、何事であれ素朴さを一意に否定してしまうと、徒にシニシズムを――それ自体、彼らと同様に単なるプチブル的な自己満足でしかありません――肯定することにつながりかねないので、その点だけは同意いたしかねます(意図せぬ誤読、あるいはトリミングだということであればご指摘ください)。

追記:
とはいえ、別段、総括だの自己批判だのは開かれてある必要もないので他人たちに明示すべきものとも思われません(彼らが他人たちに妙な非難の声をあげない限りで、という条件がつきますが)。

((2008/05/01 00:52)のものをこちらに移動しました)

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