前置詞がわかれば英語がわかる

読了。

前置詞がわかれば英語がわかる

前置詞がわかれば英語がわかる


これを読んで前置詞のすべてがわかるわけではないのでしょうけど、今まですっきりしなかった点をいくつかわからせてくれた良い本。
例えば。
The body is crawling with maggots.
という文は、5文型で解釈するしか知らない受験英語オンリーの私なんかは
「死体が蛆虫と共に這っている」
としか訳せませんが正解は
「死体に蛆虫が這い回っている」
なんですね。そうなる感覚というか理屈というか、そういうものを説明してくれる本です。
前置詞の使い方のいくつかについて割りと確たる判断力がつきます。それはかなり大きな収穫。

簡潔な文にしびれるあこがれる。

昔習っていた教師が「英語なんか関係代名詞でなんぼでもつないで書いていけるだろう」などと言って、自分が英語で日記を書いていることを自慢していたことがあって、それを聞いた当時は感心したりしていましたが、今思うと関係代名詞で延々つながれた冗長な文なんて読みたくないし、読み手に不親切な文だろうとか思います。
とは言っても、まだ勉強が足りない私なんかは英文を考えると節につぐ節、といった文しか出てきません。
英語を母語とする人々の文章を見ると、節ばっかりのまだるっこしい文はあんまり無くて、前置詞をぽこぽこくっ付けてニュアンスを加えていく簡潔な書き方をしています。
ああいうのが書けるようになると書いてる方も読んでる方も楽で良いだろう、と思います。

昔のドイツ語は…

英語圏には「簡潔な英語を使おう」という運動や団体が存在していて、これは日本でも見習うべきだろうと思うのですが、そういった運動が生まれた背景には昔の文章は冗長であり、教育の無い人々にとって敷居が高かったという事実があるようです。
いかに冗長であったかということの参考事実として、昔のドイツ語は1ページ半にわたる一文すらあったそうです。
そんなもん読みたくもないですが、当時はそういう文が書けることが頭の良さの証だったようです。