アメリカがインフレ目標を導入

国民の平均はいざしらず、知性と教養に導かれるアメリカは我が国とは違ってついにインフレ目標を導入して念願成就。既に経済の持ち直しの兆しは日本と違って見えてきているが、今後の好転に期待したい。日本の経済政策がパッパラパーでもアメリカが持ち直すと日本にも良い影響があるからで、またも貴方頼みで申し訳ないが米国経済の復活に期待する。日本の『指導層』はもう駄目です。治療不能
「2%のインフレ目標では足りない。」という指摘もあり尤もな意見なのだが、おそらくアメリカでもインフレに対する非知性的反発が根強くある環境で、6年がかりで導入を実現させた粘りと慎重さは私達の『指導層』とは違って大いに尊敬されるべきである。今後1、2年かけて経済の復調を観察し、「目標インフレ率が足りないから4%に上げる。」という展開が受容されると良い状況になるのかもしれない。或いは欧州危機が破裂したのを契機にそうなるかもしれない。

◎米がインフレ目標 歴史的な一歩、日銀も追随を
 歴史的な一歩といえるだろう。米連邦準備制度理事会FRB)が「長期の目標および 政策戦略」に関する声明で、2%のインフレ目標を導入すると発表した。インフレ目標政策は、欧州中央銀行(ECB)をはじめ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど多くの先進国で導入されているが、米国と日本はこれまで採用に慎重だった。
 事実上、雇用とインフレの両方に責任を負っているFRBインフレ目標を導入したの は、バーナンキ議長の強い意向だったという。米国経済の先行きに強い懸念を抱き、大胆な方針転換に打って出たトップの決断を評価したい。


 インフレ目標は、先進国のなかでは、ごく標準的な金融政策の枠組であり、米国以上に デフレが深刻な日本でこそ必要な政策だ。日銀は「効果がない」「ハイパーインフレを招く」などの理由で、インフレ目標の導入に否定的だが、「効果がない」と言うのは、インフレ目標を導入している多くの国に対して失礼だろう。スウェーデンニュージーランドなどは一時的なデフレをインフレ目標の導入で克服したとされている。


 OECD諸国で唯一、デフレに陥っている日本にとって、適度なインフレは望ましいは ずなのに、巨額の政府債務を気にしてハイパーインフレを恐れる発想は理解し難い。日銀もインフレ目標の採用に踏み切る潮時である。


 現状のままデフレを放置していれば、「超超円高」はいつまでたっても解消されない。 日本経済を支えてきた製造業は、耐えかねて海外移転に活路を見い出そうとしている。国内産業の空洞化は、財政赤字以上に危険であり、日本経済を細らせる。米国にならってインフレ目標を導入し、1年半から2年程度の期間を設け、2〜3%のインフレ目標を設定し、その達成に全力を挙げてほしい。


 日銀の使命はもとより、「物価の安定」(日銀法第2条)にある。インフレ目標は、これに反しているという指摘もあるが、だからと言ってデフレに何の手も打たないで良いわけがない。インフレ目標の導入と効果的な運用に支障があるというなら、日銀法を改正してはどうだろう。
http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm#2012012701

日銀は既に物価安定には失敗し続けているのであって、インフレだけが物価不安定ではない。デフレも当然物価不安定。インフレだけが悪いという先入観は学校教育やマスメディアからのメッセージで何十年もかけて何度も何度も反復して大多数の国民の脳に刷り込まれているので、日本政府のデフレ放置・不況推進政策が何となく受け入れられてしまうという非常に危険な事態に陥っている。国民の平均的教養が高くないと大げさではなく危機と混乱、下手をすると社会の崩壊から失敗国家への転落は起こるだろう。日本は1700年も維持されている世界史上でも稀有な国家なので「日本の消滅など有り得ない。」とほとんどの国民が無意識の前提にしているが、歴史的に言えば全く根拠のない思い込みである。歴史上消滅していった数多の国や民族と同様、国民の知恵が一定水準未満になれば日本もまた消えてなくなるだろう。こういう話を「大仰だ」と馬鹿にできる人の無神経は羨ましくもある。その日常はさぞかし平穏だろう。