お引越し

こちらはてなダイアリーでは、2004年から雑感含めた日記を、2005年には仕事関連のことに絞り込んで書いてきましたが、今回、ご縁があってITmediaオルタナティブブログに引っ越すことになりました。

http://blogs.itmedia.co.jp/maem/

これを期に、不定期だった投稿を、せめて週1くらいまで定期化したいものだ、と企んでおりますが、どうなることやら。ここ、はてなのページはしばらくこのまま、更新もせず残そうと思っています。

それでは、よろしければあちらで、引き続きお付き合いのほど。


そうそう、こちらはてなでは、たとえ内容でバレバレであったとしても、本名を名乗ってはいなかったんですよね。オルタナでは本名で出ています。

Internet Week 2008 開催中

Internet Week 2008 - http://internetweek.jp/

開催中でございます。
今回、なんやかんやで、火曜午前のオープニングセッションから金曜のIP Meeting終日まで、出番が立て続いて、ずっと秋葉原にいます。

特に作りこみをしたセッションが3つあり、そのうちの2つが完了しました。この2つはアプローチが若干似ていて、どちらも「総覧」的なものを目指しました。

H1: Internet Week 2008 オープニングセッション:Ready for the depletion? 〜IPv4アドレス在庫枯渇対応の進捗確認〜

https://internetweek.smartseminar.jp/public/session/view/47

H1では、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースの周辺で動いているプロジェクトを全部並べてみました。漏れがあるとすれば、JANOGで進みつつある「IPv4IPv6の違いを考える会」くらいでしょうか。

早速日経NETWORKさんの記事が挙がっていました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081125/319848/

H5: インターネットインフラのガバナンス総覧

https://internetweek.smartseminar.jp/public/session/view/43

ISOC/IETFICANN、RIRs、IGFの方針策定プロセスや概要を、総なめにするようなセッションで、思いがけなく登壇者の外国人比率が高くなりました。

登壇者は、

という、それぞれの領域のど真ん中で取り組んでいる方にご登壇していただくことができました。
ガバナンス自体に関する関心が、他の技術事項に比べると高くないってことで、受講者数は多くはなかったですが、それぞれとてもよいプレゼンでした(私のものは、、ご評価お任せします)。後日スライド公開されると思いますが、資料としての価値は高いと思いますよ。

Equinix Tokyo Peering Forum 2008

10月2日木曜日に、マンダリンオリエンタルで開催された、Equinix Tokyo Peering Forum 2008。
もともとFrance Telecomで働いていた時代からEquinixとは仲がよく、シンガポールで発表したり東京のMCをお願いされたりしていた。JPNIC事務局に着任して、ちょっとMCをやるのが憚られるようになり去年は辞退した。にもかかわらず、今年もお願いされたので、MCはやっぱりダメですが、発表させてもらえませんか、と申し入れたところご快諾いただいたので、枯渇ネタで登壇することに。ちなみに今年のMCはJANOG会長であるNTTcomの池尻さん。

グッとアグレッシブな感じに

2007年のフォーラムは欠席したので2006年と比較するのだが、大きな違いは Bill Nortonがいないことである。彼がEquinixを去ったのは今年に入ってからだった。
Bill Nortonがやった発表は、Peering White Paperと言われる、彼がいろんなフォーラムで話を聞いて(なんたって Chief Technical Liaison ってくらいですからね)、ピアリングのエコシステム(生態系)を解き明かす内容だった。
今回EquinixのUSからは、Eric Troyerというピアリングサービスのディレクターという人だった。Billの発表が探究的でニュートラルだとすると、この人のプレゼンはアグレッシブで色っぽかった。IX Europeも買ってグローバルなカバレッジが出来たり、USでもComcastピアリングのブロカーサービスのようなサービスをやっていたり、と、発表がと言うより、商売としてアグレッシブな感じになってきている。これもこれで好感。
APNIC MeetingのIX-SIGのSIG ChairをやっているRaphael Hoが、AP地域のビジネスの話を。東京第2サイトに引き続き香港も第2サイトを作るらしい。

Cisco VNI

また、Ericの発表の中で cisco VNI という言葉が出てきた。即座に何のことか分からなかったのでググってみると、Cisco Virtual Network Index と言うものが出てきた。インターネットの利用状況に関する統計情報と、向こう5年間くらいの予測が出てきていて、資料価値高そう。
http://www.cisco.com/en/US/solutions/collateral/ns341/ns525/ns537/ns705/ns827/white_paper_c11-481360_ns827_Networking_Solutions_White_Paper.html

中川郁夫さんのNGNアーキテクチャ ネタ

2番目の発表は、インテックネットコアの中川郁夫さん。これはとてもよく出来た発表。聞けてよかった。

よくある技術説明として、NGNはトランスポート・ストラタムとサービス・ストラタムに分かれている、サードパーティのアプリケーションはサービス・ストラタムにつながる、というのがある。(例えばこういう図ですね。)
重要なのは、インターネットでは、ネットワークは「愚直にパケットを送る」という機能しか担わず、他のあらゆる機能はリーフシステムで実現されるので、アプリケーションでビジネスをしようとしても課金・決済などのプラットフォームも同時に構築して提供する必要があった。NGNの最も大きな違いは、そのプラットフォームを通信キャリアが提供して、アプリケーションでビジネスを仕様とする人はこれを利用することができると言うことだ。

NGNの一つの特徴は、通信キャリアがプラットフォームも提供しようとしている、ということ。プラットフォームビジネスは、通信キャリアだけでなくいろいろな既存業種から、それぞれの強みを生かした形で参入が続いている。純粋な通信事業の市場規模は漸減。プラットフォームビジネスは増加傾向にあり、注目するべきはプラットフォームビジネスである。

みたいなことで、漠然と眺めていた絵の意味合いが良く整理できた気がした。

内容だけでなく発表も非常に洗練されていたので、気になってご本人に、「これ何回発表した?」と聞いてみたところ、「20回くらいかなぁ」とのこと。どうりで、と納得。
ちなみにネットコアではこのアーキテクチャの話はNGN関連で研究している20余領域のほんの一つだ、というのがラス前のスライドで、ラストがネットコアの会社概要。ラストのスライドなんて一言も説明していないけど、むちゃくちゃ訴求力のある宣伝だなぁ。。。もちろん内容がしっかりしているから映えるわけで。

枯渇ネタ:私とKDDI向井氏

僕は、最近の標準パタンのスライド -- 枯渇状況+枯渇の意味+国内対応状況+「お見合い状態」の説明w/gihのS字カーブスライド 見たいな感じで、JUSの時のように技術的な内容なしで。40分を若干超えてしまったけど、「あと2年でどうにか対応しないといけないんだ、と明確に言い放っているから迫力があった」的なコメントがあり、ありがたい限り。
その次に、休みを挟んでKDDI向井さんの、ネットワークオペレーション現場技術編。僕もルータのコンフィグをいじる立場じゃなくなって久しいところだけど、コンフィグレベルでv4でこうだったものがv6でこうなる、簡単じゃないね、問題山積だね、みたいな話。

この2つを合わせると「2年でどうにかしてね、問題山積だけどね」という、なんとも絶望的な話になっちゃうわけで、もう少し希望ある内容が欲しかったところでした。

ICANN 10歳ならばJonは10年祭

前のエントリICANNが9/30で10周年を迎えると言いましたが、10/110/16がJon Postelの命日、10周忌というか、10年祭と言うか、だということです。Vint CerfはCircleIDに本件寄稿しています。

Remembering Jon: Looking Beyond the Decade
http://www.circleid.com/posts/20081001_remembering_jon_postel_a_decade/

(追記10/15:この記事にも書いてありますが、10/16が命日。記事が10/1だっただけです。失礼しました。)

NANOG44/ARIN22が10/12の週にback-to-back meetingを開催します。僕もARINに用事があって行きます。NANOGは実に2000年以来ですから、8年ぶりです。楽しみです。と、言いながら、仕事のミーティングで出られないセッションもありますが。

それはさておき、このときにNANOGとARINのジョイントで、
What Would Jon have Done about the Addressing Challenges Currently Facing Us?(いま我々が直面しているアドレッシングの問題に、Jonならどうしただろう?)
http://www.nanog.org/meetings/nanog44/abstracts.php?pt=OTAzJm5hbm9nNDQ=&nm=nanog44
なるセッションを開催。面白そうで、楽しみにしています。

ICANN 10歳

mixi高橋徹さんの日記で知ったのですが、ICANNが設立されたのが1998年9月30日で、晴れて10周年ということでした。力が入ったアナウンスが挙がっています。

http://www.icann.org/en/announcements/announcement-30sep08-en.htm

枯渇を見つめる論文たち

最近、枯渇ネタ大フィーチャーでお届けしております。


最近、ついにIPv4アドレス在庫枯渇をめぐる問題にも、詳細な研究が及ぶようになりました。残念ながらまだどれがどう、と言えるほど読み込めていませんが、凄く大雑把に言うと、このレベルで網羅的に分析した論文は、日本の関係者の問題意識と既に同じレベルにあるように見えます。

ソウルOECD閣僚会議のバックグラウンドペーパー

6月にソウルでOECDの閣僚会議が開催。それもテーマが「インターネットの未来」。
http://www.oecd.org/FutureInternet

この中で、Karine Perset というOECDのアナリストがまとめた論文が、70ページに及ぶ力作。
Internet Address Space: Economic Considerations in the Management of IPv4 and in the Deployment of IPv6

TPRC2008

TPRCといえば、USで年1開かれる、通信政策に関するカンファレンス。今年は9/26--/28で開催されるのですが、このうち27日(プログラムページ)の昼に、The Future of Internet Addressingというセッションが。ARINからの短いレポート以外に、2つけっこう長い論文が出てきています。プログラムページから論文にもたどり着けます。

生々しい枯渇記事

ありがとう、NetworkWorld/TechWorld 。
最近枯渇ネタで取材を受けることが少なくないのですが、かつて月イチ連載を書かせてもらっていたNetwork Worldが、7月末に取材してくれて、記事になりました。紙媒体もWebもあります。

http://www.techworld.jp/channels/network/102197/

こういう取材は、自分の発言意図とは全く違う文脈になったりすることもあるくらい、自分が思ったこと通りに記事にしてもらうのは難しいのですが、今回は違いました。最近のプレゼンを生中継したような忠実度で、ビックリ。自分で原稿として書くときには遠慮するような思い切った表現も再現されていて、生々しいです。ありがとうございます、編集長。mOm


さてこのNetwork World、かつては有料で店頭販売される背表紙が出来る厚さの有料誌でしたが現在は薄めのフリーペーパーで、どちらかというとWeb出版のほうがメインになってしまっています。編集長曰く、「ネットワーク技術のコアな読者に確実にリーチできているから、広告も着実に取れるんです」とのこと。なるほどねぇ、、こういう規模縮小って寂しい話ばかりではないのね。。